呪術廻戦、なんでこんな流行ったんじゃ?その3 ダークストーリー

(投稿1日遅れてすいませんでした😭)

呪術廻戦は鬼滅を越えられるのか?という議論が経済学的かっこよさげニュースで語られていました。
ほほう、漫画のアニメ開始時の売上冊数を比べた時に、呪術の方が鬼滅より売れてたからって事らしいですけど。

いや???そんなうまくいくか???
というのが正直な所です。多分鬼滅越えはないんじゃないかな…その理由にも繋がりますが、今回は呪術廻戦が流行っている要因の一つ(だと私が思っている)、「ダークストーリー」について話したいと思います。

まず、売れる少年漫画というのはめちゃくちゃ話が面白い。これは大前提です。でも、この話の面白さには何パターンかある気がしています。

1.次の展開が予想できるにもかかわらずかっこいいと感じる水戸黄門タイプ
2.圧倒的に予想外の展開をし続けて読者の興味を失わせないミステリタイプ

私の好みはひたすら予想を裏切られるミステリタイプなんですが、きっと呪術はこれにあたるんじゃないかなと思っています。

以下、ネタバレが含まれますので本誌未読の方はご注意ください。

そもそも、私が読み始めたきっかけは、一巻無料キャンペーンだったんですよね。その時の第一話で、もうやられました。

第一話が文句なしに面白かったんです。まず、主人公の虎杖くんが呪いの強い力を持ったアイテム(宿儺の指)を飲み込むんですね。この展開まではおおジャンプじゃんー!と思いながらドキドキして見守っていたのですが、この次。

なんと呪いに体を乗っ取られるっていう。

えっ?そっちなん?主人公が呪いの力を得て敵をバッタバッタこれから倒していくんじゃないのか???と安心安全少年漫画展開を予想していた私は大いに引き込まれました。

そして、この第一話、体の主導権を取り戻した主人公が、「お前を祓う!」とさっきまで一緒に戦ってこれから仲間になりそうな人に言われちゃうんですねえ。

えっこんな展開ありなん???
オモシロ!!

とみるみるうちに呪術にハマったっていう。これが2018年でした。やばいね楽しいね。

この急転直下する展開がちょっとアメリカ映画に似てるなあと思ったのが最近です。アメリカのSF映画って、だいたいとんでもないピンチでもう死ぬ!死ぬ!死ぬ!ってなってから偶然に味方されて一気に形勢が逆転するんですよ。ジェットコースター並に心臓への圧が強い。これがたまらない。好き。

あとは、まあネットでよく言われるのは、融合が上手ってとこですかね。芥見先生も
「日本三大既視感作品」
と自虐してましたね。謙虚か!!

例えば…
五条悟を先生とした男2女1のスリーマンセルはナルトに似てる。
他校と戦うのはヒロアカ。
呪いの設定や、呪術師vs呪霊vs呪詛師の三つ巴の対立構造はブリーチと似ている。

つまり、各コミックの面白さを生み出している設定の取り入れ方がうまいんです。

スリーマンセルとその男女比は、ハリーポッターで証明されている通り最高。
トリオの何がいいって、1人がボケている時にもう2人いる所ですよね。これによって、ボケに対するリアクションが無尽蔵に増えます。ボケに2人でつっこむ、2人で白ける、ボケに1人が悪ノリもう1人がツッコミ、もう考えるだけで会話が盛り上がる事間違いなし。

ちなみに、対立関係が三つ巴になっている状態もこれと似たものがあると思います。敵の一つと手を組んだり、敵と向かい合っている間に第三勢力にやられたり。ストーリーの幅がグッと広がるんですよね。

ついでに言えば、他校と戦うというのもストーリーの幅を広げるのに役立ちます。味方だけど属する団体が違うっていう、顔見知り同士の対戦というのがポイントです。
プライドや確執が絡むため人間臭いドラマができ上がるわけです。この設定はおいしいですね〜
一方で比較的緊張度が低くなるため、他校同士仲良くなりすぎないようにするのが大変で匙加減が難しいです。

…ちょっと今思ったんだけどいいですか。

それを考えると京都姉妹交流戦ってその緊張感の時間リスク克服してませんか…?ネタバレになるから言えないけど、安心して見られる展開ではないです。芥見先生やっぱ天才だな、知ってたけど。

最後に、セリフ。これ!これが大好き!!ダークストーリーを構成するかなり重要な物の一つです。

呪術の登場人物のセリフやモノローグには、色々考えさせられます。彼らの考え方って、優等生ではないと思うんですよ。100点じゃない。でも、60とか80とかを狙う。これに関しては諦めない。

「俺は不平等に人を助ける」呪術廻戦第2巻
「俺が救えるのは
他人に救われる準備があるやつだけだ」
呪術廻戦第9巻 

このセンス!!!聞きました??ほんとにもう…かっこいい、口に出したい…

清濁あわせ飲む考え方がセリフに滲み出てますよね。でも、説教垂れてる感じもなくて、スッと入ってくる。これがすごい。
カッコつけたセリフはともすれば読者に寒いと思われてしまいます。寒くないけどかっこいいセリフ、本当に難しいことを実現してるんですよね。

そして、キャラクターの考え方も良い。最近の世の中、特に大人にはたまらないと思います。ここが鬼滅との決定的な違い。この作品は報われない苦しさを知っている人に向けられている気がしています。

だから、私は小学生にはまだ知らないでいて欲しい…
どうにもならない、うまくいかない…そうやってもがく人にこそ読んで欲しいです。

うまずたゆまず、しかし自分にできる範囲の最善を尽くせ。呪術に出てくるこの考え方が好きです。
多様性でどんな意見もあり、なんでも認めないと、なんでも受け入れないと…と一杯一杯の私みたいな人間にはこういう「信念」を貫く人の姿は輝いて映るんですよ…カッケェ…

私の目指す「くさくないのにかっこいい」が詰まってる。下々先生の言葉選びが、この漫画の魅力をさらにグイグイ押し上げてます。
ちなみにハイキューも言葉のセンスに平伏しまくっているので、言葉選びとかに興味がある人はハイキューは履修すべきですね。爪の垢をすすらせて欲しい…

すごい長々書きましたが、私が今脳内から取り出して並べられる呪術の魅力はこれくらいです。ほんとはもっとある!絶対あるんですが、言語化できてねぇ…悔しい限りです。

それに、一人一人感じ方は違います。私の解釈と違う、それは素晴らしいことです!私とは違う経路を辿ってあなたに届いたと言うことは、それだけこの物語が届けられる魅力が、大きく深いと言うことです。
よかったら他の人の意見も聞きたいので、ぜひ読んでみてください。そしてnoteに書いてください。
呪術オタクのポイシーが読みに行きます!笑

それではご覧くださった皆様がより素敵な物語と会えますように!祈ってます。

良いお年を!



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