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実はこんなに凄い羽生善治 -永世七冠ー

「将棋は最後に羽生が勝つゲーム」と羽生さんと同じプロ棋士が言ったというエピソードは有名です。(ググればすぐ出ます笑)

具体的にどれだけ「羽生が勝つ」のか?

2017年12月5日に永世七冠を達成しました。
永世七冠とは、簡単に言うと7個のタイトルを取りまくって、「永世○○(タイトル名)」の資格が7個そろうことです。
”永世”の資格を得るにはめちゃめちゃタイトルを取らないといけません。それをほぼ全てのタイトルで永世の資格を得たので、めちゃめちゃたくさんの棋戦でめちゃめちゃ勝ったわけです。
そのことについてお話します。

■タイトル戦で勝ちまくった

まずタイトルを取るためには、各タイトルの挑戦者を決めるトーナメントやリーグ戦で優勝しなければいけません。その次に、タイトル戦で勝たないといけません。
タイトル戦とは、タイトル保持者と挑戦者がタイトルをかけて戦う番勝負のことです。

1つ取るのも大変と言われるタイトルを、誰よりも勝ちまくって誰よりも取りまくって誰よりも防衛しまくったわけです。

■タイトルの半分は羽生の物

将棋界では長年タイトルは7つでした。これを1年かけて取り合います。
単純に計算して、1年間にのべ7人のタイトル保持者が出るわけです。

羽生さんの通算タイトル獲得数は99。
初めてタイトルを取ったのが1989年で、それから29年。この間タイトル保持者はのべ203(7 × 29)人。

203のうち99が羽生さんです。

どうでしょう。タイトルのほぼ半分(49%)は羽生さんの物です。
ちなみに現在棋士は162人。

実際にここ29年でタイトルを取ったのは21人です。
つまり合計203個あるタイトルを、約160人で取りあい、羽生さんが1人で99個取り、他の20人で残りの104個を取りあい、あとの140人はタイトルが取れない、というようなイメージです。

■そこまで勝って、永世七冠

他にも数え切れないほどの記録がありますが、最優秀棋士賞(その年最も優秀だった棋士に贈られる賞)を21回取っています。
これだけでも物凄いことが分かります。

そして永世七冠は、ここまでずば抜けて勝ち続けないと得ることができない、神がかっている称号なのです。

だから、永世七冠って凄いんです。

■ちなみに現役で永世の資格を持っているのは五人だけ

そのうち複数の永世の資格を持っているのは2人だけです。
羽生さんと、渡辺さんです。

渡辺さんは、竜王と棋王の永世二冠。

つまりこういうことです。

一冠が3人
二冠が1人
三、四、五、六がいなくて
七冠が1人

永世の資格は1つ取るだけでもめちゃくちゃ凄いんですが、羽生さん、その中でも圧倒的にずば抜けています。


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