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弟がnoteを始めていた。

弟がnoteを始めていた。彼がTwitterで共有してたので気づいた。

「フォロワーも少なくて有益な情報も持ってないのに姉弟二人してnoteやってんの、ちょっとキモいな」と思いつつ、私がフォローしているアカウントで共有していたので、読んでもいいと許可されたものと思い、読むことにした。


…………出来の違いを感じた。

私は文章を書くのが好きな方で、本も結構読む方で、現代文だけは勉強せずとも点数が取れる方だった(美術系にありがち)わけだけど、

いや、もう、出来が違うね。

姉弟だから(?)題材がじめじめしてたりとか卑屈っぽくて面倒くさい文章の雰囲気は共通してるんだけど、

弟のが全然上。

思えば、弟は校内の読書感想文コンクールで一位をとっていた。

私はといえば、弟より偏差値の低い高校に通っていたにも関わらず、佳作にも入れなかった。


具体的に何が違うかというと、いくつかあって、

まず、読みやすい。
目立たせたい文字を太くしたり、項目に番号をふったりしていた。
弟は対人能力がマイナス5億なのでバイトをしたがらなくて、クラウドソーシングで記事を書いてお金を稼いでいた。その経験も生きているのかもしれない。

あと、コンテンツ力がある。
弟は対人能力がマイナス5億だから友達が居なくて、それに関する記事を書いている。プロフィールに「小4から友達がいないので…」とも書いてある。小4から友達がいない奴の記事、普通に気になる。人生通して友達を作ることに苦労した事の無い人はもしかしたら気にならないのかもしれないけど、対人能力マイナス2億くらいの私みたいな人間からすれば「自分と同族の自分よりやべー奴がいる!どれどれ!」となると思う。

あと、言葉選びが薄っぺらくない。
私は教養が無いので、マイナス5億みたいに大袈裟な数字を持ち出すという使い古された表現しか出来ない。
私も本は結構読んでたんだけど、よく考えたらアイドル主演で映像化されるようなキャッチーな作品ばかり読んでいた。(そういう作品が悪いという訳では無い。むしろ、私はそういう楽しい作品こそが一番だと思っている)
弟はなんか難しそうな本を読んでいた。本当によく分からない本だったから“なんか難しそうな本”という馬鹿そうな呼び方しか出来ない。


とにかく、なんか、出来が違った。

ろくに構成も練らず思いつくまま書いてる私とは違って当然だが、同じ遺伝子でかつ3年長く生きてる身としては悲しいものがある。

それに、こんな超小規模な戦いで負けているようでは、もうダメだ。

今後の私の人生がどんなに運の良いものだったとしても、私が文章力で成り上がることは、絶対にありえない。弟たった一人にすら負けているのだから。


あ、でも、一つだけ弟に勝っている要素があった。

ここで弟のnoteから一部抜粋させてもらう。


「他の人よりもっと強烈な行き当たりばったり人生を送ってやろうと思った。

フッサールの現象学に倣って、超越論的還元をしながら常に目の前の物事とそれに対する自分の感情だけに集中して生き抜いてやろう、と。」


……は?

『 フッサールの現象学』

『超越論的還元』

知らん知らん知らん知らん、

そんな言葉マジで知らん。

意味を推測することすら出来ないくらい知らん。

こういう知らん言葉を使われると、私のような頭の悪い人間は、自分の無知さを恥じるのを差し置いて「いけ好かないやつだ」と怒りだしたりする。

だから、頭の悪い人を怒らせないポイントは、私の方が上だね。


ふっふっふ。


はぁ。


おわり


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