フリー台本【タイトル:月灯りの恋模様】

豪雨が嘘のように星が見えている。水溜まりは月を揺らしていた。
「あんなに降っていたのが嘘みたい」
君は僕の顔を見るために屈んでいった。
「雨宿りしてよかったね」
「あの提案は大正解だったよー」
豪雨降る中、僕たちはバス停で止むのを待っていた。少し涼しいなと思いつつ君とずっとしゃべっていた。よくあんなにしゃべって話題が尽きないものだと思う。
「こんなに月が見えるときはあの言葉を言うべきだよね」
と君はからかうように僕を見ている。
「こてこてすぎて言いたくない」
「えっー。言ってよー」
君は頬を服まらせた。僕は苦笑しながら君を見た。
「君の方がキレイだよ」
と言うと君の顔が月明かりに照らされて赤くなっていくのがわかった。おとぎ話にでてくるお姫様のように美しく感じた。
「嬉しいけど。ちがーう」
僕の腕をぱたぱた叩く。
水溜まりは僕たちを映しだしていた。

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