住宅市場の今後の動向について

こんばんは。DARTs Capitalです。

大寒波も落ち着いてきましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

先日緊急事態宣言が1都3県に発令されましたが、本日これに加え、大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜・福岡・栃木の計7都府県に発令されました。テレワーク推奨については、政府は出社率を5割から3割に下げる要請をかけるなど、企業に勤務されている方は、ご自宅にて仕事をされる機会がより多くなっていることかと思います。

今日は、そんな時期ですので、今住宅市場がどういうことになっているのかレビューをしながら、今後の動向について考察していきたいと思いますので、最後までお付き合いください。

1.分譲マンション市場〜緊急事態宣言で打撃を追った2020年だが販売は復調〜

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これは、不動産経済研究所が発表している首都圏と近畿圏の月次新規供給戸数推移(2018年11月〜2020年11月)です。コロナ前である2020年1月を見ても対前年比で34.5%減少していた状況ですが、4/7に緊急事態宣言が発令され、大手不動産デベロッパーを中心にマンションギャラリーは営業自粛という事態に至ったことで、供給戸数はさらに激減しました。一番打撃を受けたのは5月で首都圏はたった393戸しか販売しておりません・・・。

しかし、ここから状況が一変します。

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供給をストップしていたため、大幅な在庫量とはなっていませんが、営業自粛で4月に約6%増加しましたが、コロナ禍で今の住まい方を再考する世帯が増え、7月頃から一気に販売が促進されはじめます。

巷には、郊外マンションが売れているという報道が多いですが、もちろん間違いではないですが、都心・タワーも健在です。テレワークの考え方が二極しており、「通勤ラッシュに乗ることに抵抗を感じる」方は都心、「広めの居住空間が必要と考える」方は郊外に居住することを選択している傾向があると考えています。

現在の状況を考えても、この購入ニーズの傾向が続くと思われます。

そして、今年はコンパクトマンションも一定数購入検討者が増加するものと思います。その理由は、後述します。

2.賃貸マンション市場〜稼働率がシュリンクし、パフォーマンスが低下傾向〜

これまで不動産デベロッパーはREITが受け皿となることで、高い資金回転型スキームで不動産開発を行うことができました。

しかし、ここ最近は様相が変わってきています。

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これはアドバンス・レジデンス投資法人(伊藤忠系・レジREIT)の月次稼働率ですが、対前年で悪化しており、10月以降はその傾向がより強くなっています。これはアドバンス・レジデンスだけではなく、比較的どのレジREITもその傾向になっています。

当然この市況ですから、雇用が不安定になったり、テレワークでもう少し広いマンションに住みたいと考えはじめた世帯が増えたことで、コンパクトマンションの需要が減ってきたことが主な要因かと思いますが、私はオーバーサプライ(供給過剰)というのが原因ではないかと思っております。

特に近年の不動産取引において、住宅用地は、比較的分譲より賃貸の方が土地負担力が高かった傾向がありました。

賃貸の用地取得が増えれば、当然賃貸レジの供給数が増え、賃借人は一定程度選択できる環境にあり、かつこのコロナで拍車をかけたと考えています。

特に台東区、墨田区は賃貸レジの供給が増えたことで稼働率が一層低下している傾向が掴めており、今後の投資に影響が出るかもしれません。

しかし、私は今年からこの状況がより悪化するのではないかと考えています。

3.今後の動向について〜住宅ローン特別控除改定に対する賃貸市場の影響

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これは、住宅ローン特別控除の改定比較表です。

ご存知のとおり、所得1,000万円以下と制限はあるものの、床面積が40㎡以上と改定され、コンパクトマンションも住宅ローン特別控除の恩恵を受けることができるようになりました。

分譲にとっては良いニュースですが、賃貸にとってはあまり良いニュースではないかもしれません。というのも、この低金利で融資を受けられる状況で、その月額返済額と賃料は明らかに分譲を購入して毎月ローン返済をしている方が、足元のキャッシュフローは改善されます。

以上の背景をもとに、私は今年の住宅市場しては、分譲は良い年になりそうな反面、賃貸は勝負の年になりそうな気がしています。

今後のご参考にしていただけたら幸いです。

DARTs Capital

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