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#ダースレイダーの音楽話 #35 キャロル・キングは足元が揺らいだ時も寄り添ってくれた

Carole King 『Tapestry』(1971)

ロックのディスクガイドでは必ず紹介される定番だが、まさに足元が揺らいで世界がぐるりと回転する体験をした僕のサントラみたいな存在になってしまった。
耳というより胸に直接響いてくる歌声を支えるリズム。
必要な音だけ鳴っている感覚。
脳梗塞で倒れた僕はその前までに居た場所から遥か遠くへ連れていかれた。
もう既に遅すぎるのか? 手遅れなのか?
いや、絶対にまた家に帰るんだ。
だって君には友達がいるじゃないか?
それでも不安だ。
僕は明日を迎えられるのか?
君は変わってしまった明日の僕を変わらず愛してくれるのだろうか?
彼女の歌はそんな僕に寄り添い、僕を産まれたままの子供に戻してくれる。


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