中古の本と著者のお金
私はお金がないとき、中古で本を買う。
そのときにいつも頭をよぎるのが、「著者にお金がいかない」ということである。
新書を買わなければ、著者にはお金が行かない。いくら中古で買って読んでも、その本は(正しく?)売れたことにならない。
突き詰めると、売れなければ作家は食べていけない。だから一冊でも多く売れた方がよいだろう。
しかし、環境破壊の観点からいうと、新書が売れることが絶対にいいこととはいえないかもしれない。
同じ本を別の人が読むことによって、資源を大切にできるからだ。
中古で買った本は、一度手にした人の元を離れて、私のもとへやってくる。
別の人に読まれるということは、本は新しく生まれ変わっているということだ。言い換えると、その人に対しては新書になっている。
私が作家だったら、新書がたくさん売れることを願うだろう。しかしそれよりも、自分の本を多くの人が読んでくれることに喜びを感じると思う。
新書を買わなくても、著者にお金がまわっていく仕組みがあれば、ぜひそこに協力していきたい。
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