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未来

未完の文学は誰かに読まれることを望んだろうか。未完の映画は誰かに観られることを望んだろうか。未完の研究は、未完の城は...。それは誰にも分からない。

私は未完の文学を読んでいる。畏れの生んだ倒錯からだろうか。むしろ一種の憧れだろうか。単純な興味だろうか。

私は誰かに読まれることを望まなかった。書かれることを拒むことが出来れば拒みたかった。終わるため紡がれた言葉は終わりを迎えずに意味を失っていく、とは思わないが。


いつか誰かが、私を読むだろうか。





私はまた書かれ始めた。懐かしい仲間と久しぶりに一緒に息をした。なんて幸せだろう。今度はちゃんと完成するだろうか。