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【基本】初心者のためのNHK人事異動情報の読み解き方

2023年はNHK史上でも極めて稀な年でした。いつも6月1日に内示となる定期異動(管理職以上)が、6月9日まで延期されたのです。

私の元に来た情報は色々あります。やれ上層部の不正が無いか洗っているとか、50人にもなる記者大量退職を受けての調整が難航したとか、いや地方局の崩壊を取り繕うためだとか、諸説ありました。

もはや部外者となった私に真相を知る手立てはありませんが、一つ言えるのは、こうした異様な人事異動情報ほど丹念に読み込まなければならないということです。

もしかすると、NHKの若手の皆さんは、6月1日の内示後に配られるリスト(*かつては前日のことも)を上司たちが異様な興奮と共に一日中眺めている姿を目にして驚いたことがあるかもしれませんが、そもそもNHKは人事情報に敏感でないと生きていけない組織だと、この機会に知ってください。

内示前日の夜中に異動情報を見ていたころのNHK内部の様子(私の記憶を元にした再現)

前置きはこのくらいにして、私の手元にも今回の異動情報がありますので、その読み解きを通して基礎的なレクチャーとします。

人事情報を踏まえて先手を打てる職員だけが、NHKで成功する

まずは、大事なことなので繰り返しです。NHK職員たるもの、人事情報に対しては敏感でなければなりません。組織体制の変更というところに、向こう数年間のNHKの運営方針が表れているからです。

特に一般職(業務職)の皆さんの場合、この異動のリストだけが大きな方針を知るための手がかりと言えます。だからこそ、十分に時間を割いて読み込む必要があるのです。

異動したい局部署の動向を掴もう

最初のうちに皆さんが読み込むべきなのは、自分が異動したい局部署の情報ですね。誰がどこからどこへと動いているのかを見ることで、先手を打って異動希望を通すための対策を打つことができるからです。

例えば、異動したい局部署の部長が変わったとします。そしたら、その人物の過去の異動歴を遡った上で、アーカイブスで番組担当歴などを確認してください。得られた情報を元にして提案を出せば、異動したい局部署への出張や応援という形で番組を作り、それをきっかけに異動できる可能性も高まります。

相対的に強い部局を把握しよう

また、懲戒処分やそれに近い不祥事を起こした人物の去就にも注目する必要があります。例えば、政治部系の人物が大きな不祥事をしでかしたにも関わらず、その人物の処分が甘かったとしたら政治部に力があるということです。部局間のパワーバランスを把握して、相対的に強い部局に行くことは貴方の出世にダイレクトに関わってきます。

デリカシーとしても異動情報の把握を

異動はNHKの場合、生活に直結してしまいます。

例えば、親しい先輩が不本意なローカル局への異動内示を受けたとしましょう。

もし貴方がそれを把握せずに「そろそろ、お子さんも小学校ですか?育ち盛りですね」みたいな事を発言してしまったらどうなると思いますか?社交辞令のつもりが、相手が激昂することにもなりません。異動情報を把握した上でコミュニケーションを取る必要があります。

特に、NHKの場合、職員同士で結婚した者は優遇されますが、そうでない場合には家を買った直後に異動、子どもが小学校に上がった瞬間に異動などのケースが非常によくありますから気をつけてください。

2023年6月の定期異動情報を読む

ここからは、(一応、真偽は分からないことにしておきますが)私の手元にある今回の異動情報を見ていきます。

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