見出し画像

NHKニュースクリップ(2022年12/25号)

今週は、私が前々から注目している総務省の公共放送ワーキンググループからです。

公共放送WG 第3回議事録と回答資料に注目

12/22に第4回が開催されました。が、注目すべきは第3回の議事録とNHKの回答です。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000852924.pdf

まずは第3回の議事録についてです。私も実は傍聴の権利は獲得していたのですが、業務と重なっていて全然聞くことができませんでした。伊藤というオッサンが何かもごもご言っていたのだけ確認できました。

詳しくは全文を読んで頂きたいのですが、私が何より驚いたのは、初回には「NHKそのものの存在意義」にも踏み込もうとしていたところが、すでにNHKが存在することが前提になっている点です。

参加している専門家のNHKに対する質問も、相当にNHKが存在する前提でNHKを慮ったトーンになっていました。これでは腰砕けです。

さらに驚くべきは、第3回に出た質問に対してのNHKの回答文です。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000852840.pdf

民放や新聞の回答と合わせて読むと更に味わい深いのですが、NHK側は特に新聞に対しては強気です。「は?文句あったらウチより良いもの作ってみろよ」ってな具合ですね。新聞側は常に「NHKのWebオリジナル特集を無料で出されたら、うちのコンテンツと食い合ってカネ取れなくなるからやめろ」と主張しているのですが、かなり堂々と突っぱねています。

私もこれに関してはNHKのスタンスに賛成ではあります。別にNHKと食い合っているんじゃなくて、カネがあろうと新聞社のコンテンツに課金しようとは一切思えないからです。自らの苦境・努力不足をNHKのせいにすんなよって思っちゃいました。

が、それでもNHKがここまで強気な背景には、NHKがこのまま存続することが既定路線になっているからだと思います。議事録の冒頭にも「オリンピックではBS4Kをつけた」など、BS4Kの視聴環境を持っていてBS4Kの番組を作ったことのある私ですら見ていないのにおべっかを発している委員がいました。恐らく、そこまで大規模な整理縮小はしないことが前提になっているからこそ、こんなおべっかが議事録に残されているのでしょう。

低温調理の見識不足は「佐村河内」と同等の過ち

このドラマを見ていなかったのですが、かなり問題のある放送がなされていたことが、ニュースで報じられました。

という訳で、12/13放送の当該番組を確認してみました。

いきなりLGBTQとか言い出して、いかにも「やってる感」満載でちょっと引きました。NHKの計画管理部に似た雰囲気のオフィスも出てきて元職員としては嫌な気分になりました。全体に説明が多い脚本で、私としては苦手なタイプのドラマです。

問題のローストビーフのシーンは番組中盤で出てきます。

確かに「オーストラリア産かアメリカ産の牛モモブロックの表面に焼き目をつけた後にアルミホイルで余熱調理」というシーンが確認できました。調理済みのブロック肉をカットするシーンも随分生っぽいなと思いました。ってか、ご飯に乗せてローストビーフ丼を作ったりするところはほぼ生でした。さすがにフランスで「ブルー」を注文しても、もうちょい火が入っていると思います。このドラマは生肉を堂々と食っていますね。

この件について、NHKは次のようにコメントしています

第9回(12月13日放送)登場のローストビーフについて

番組では牛の塊肉を焼いた後にアルミホイルで余熱を使って低温調理する方法を紹介しましたが、内閣府の食品安全委員会は、この方法では、肉の内部温度が食中毒を防止できるほどには上がらないのでやめるよう呼びかけていました。確認が不十分でした。大変失礼いたしました。番組ホームページからレシピを削除するとともに、NHKプラス及びNHKオンデマンドの調理場面の一部を修正いたしました。

https://www.nhk.jp/p/tsukutabe/ts/5NX1QRN3VM/

料理の取材をやったことがあったらわかるんですけど、この程度で余熱調理なんて出来ませんよ。加熱を止めた瞬間から芯温は上がりませんので、あの程度の調理で火が通ることなどありません。

もし解決方法があったとするなら、アルミホイルに包んだ牛肉をフライパンに戻して蓋をしたまま放置すれば、ギリギリフライパンの余熱という言い訳が立ったかもしれません(以降映る生肉はアウトですけど)。

本来なら、アルミホイルを被せた牛肉をオーブントースターなり、120度程度に余熱したオーブンに20〜30分程度突っ込むとかの対応が必要です。

NHKはWebからレシピを削除して、オンデマンドから1カット削除して対応した気になっているようですが、明らかに危険な誤りを放送していました。

こんなの、料理番組をまともに作ったことがある人がスタッフの中に一人でもいれば起きなかったことです。制作統括(CP)は知らない名前が並んでいましたが、複眼試写も全く機能していません。

これは、音楽に造詣のある人物に試写をさせなかった「佐村河内」と全く同じ過ちです。

何のために何千万だか何億もかけて「カオナビ(タレントマネジメントシステム)」などを導入したのでしょうか?

そこで、久々に「問い合わせ」を送ってみることにしました。

私の質問の抜粋

こんな愚かなことに受信料を浪費するような不正経理は絶対に許してはいけません。

皆様もこのようにNHKが危険な放送をしている際には、厳しく【要対応】・【要回答】と書き添えて問い合わせメールを送って下さい。その声こそがNHKが正常化するために欠かせません。


もし宜しければサポート頂けると幸いです。取材費の他、Twitterのプロモーション費などNHK健全化の為の取り組みに活用させて頂きます。