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できること、できないこと・「コンビニ人間」を読んで

 美容師さんの推薦で読んだ本だった。思えば推薦から1年くらい経過していたかもしれない。確か「すごく面白かった。自分にすごく自然に入ってきた。」と話してくれたように思う。何かしらの弾みで最近本屋で平積みになっているのでふいにその美容師さんを思い出して手に取った。その美容師さんはもう通っている美容室には勤務していないようだった。  「異物」を排除するバイアスは確かにどんな社会にも存在しているのだろう。この本を読んで、30代後半で独身の女、という現実的な「私」を世間がどう見ているの

    • 職場とジェンダー

      独身女性で高校教員をやっていると、産休の穴埋め的な仕事が増えてくる。今揉めているのが、来年2月3月の産休代替教員がいなくて、三年生の教科担当が行けばいいやんってなったこと。私は三年メインで授業に行っているので、私に白羽の矢が立った。三年生は1月で自由登校になるため、2月3月は時間的に余裕がある。中途半端な時期だから、代わりが見つからないっていう理由も理解できる。友達に相談しても、「困っていたら助けてあげたらいいと思う」と言われ、たしかにそうだなあと。 まあでも、なんか嫌だな

      • かなしみの脈打つのをきいて

         年齢で区別されることが多くなった。自分の年齢より下の人たちが増えて、年上扱いされることが多くなった。私は年齢に拘泥せずに働きたいし、若い人の方がたくさん知っていることもあるだろうから、隔たりなく色々な人と話したい。  でも、若手会という飲み会に誘われなくて、ちょっとぼうぜんとしてしまった。若手かと言われるとそうではないし、行っても場違いだからそこはあんまりいいし、若い人に気を遣われるのも、気を遣うのも、あんまり意味ない時間だし、どうでもいいはずなのに、ぼうぜんとした。  な

        • 無礼は百も承知の上

          小さな話なのだけれど、職場でおじさんにいじめられている。私の職場は具体的に言うと学校なのだけれど、おじさんとは一度もめた。私の質問にひとつも答えてくれなかったからだ。そんなことも質問しないとわかふぁないのかと言って。しかも最初は向こうから話しかけてきたのだ。私はその時部活の合間に買ってきた牛丼を温めたばかりで、おじさんと一分一秒だって話したくはなかった。おじさんが自分勝手に話していることぐらい分かったけれど、質問したほうが話している感じが出ていいかなと思って、質問してしまった

        できること、できないこと・「コンビニ人間」を読んで

          かえがきくひと、きかないひと

           隣席の美女がもうじき産休に入る。私は教員として高校に勤めており、隣席の美女もまた教員である。美女にありがちなつんと冷たい感じはなく、朗らかで優しくて、よく笑う、快活な女性なのである。だから私は、彼女がいなくなったら生きていけないんじゃないかと思うほど、がっかりして落ちこんでいる。ちなみに美女と私は同じ教科を担当しているが、境遇はまったく異なっている。彼女は私より8つほど年下なのであるが、既に3歳になる可愛い男の子がおり、今現在二人目を妊娠中。いわゆる「リア充」というやつであ

          かえがきくひと、きかないひと

          内内助の功

           史上稀に見る短い夏休み。子どもたちはどのように過ごしているのだろうか。こう見えて私は某野球部の顧問の末席に名を連ねている。ただし、いちおう女性なので、ノックやキャッチボールはしない。マネージャーの子たちとお喋りするのがもっぱらの仕事である。  万年文化部に所属し、太陽に背を向けて日陰でゆるゆる過ごしていた自分のリアル女子高生時代を思い出せば、今、目の前にいるマネージャーの子たちから、「こういう青春もあったのか」と勉強させてもらっている。  しかし彼女らはまず休まない。寸暇を

          内内助の功

          夏休み戦争

           夏休みは40日間と相場は決まっている。四十前の私が体験してきた夏休みはだいたいそう。そして教師となった今でも、それは長らく変わらなかった。しかし今年は2ヶ月以上の自粛期間があった。授業時間のため、各学校は練りに練ったプランを構築した。幸い、エアコン完備の学校は増えてきており、真夏でも効率を損なわない授業を実施することができる。私は公立高校の教員であるため、他校種のことはうわさにきくしかないが、高校は内情によって様々である。  例えば、少ない場合は、わずかな夏休み期間にも全

          夏休み戦争