太陽

太陽はよく分からない奴だ。毎日決まった時間に来ては、決まった時間に帰って行く。 

太陽は地球に光を注ぎ、植物を育て、動物を、人間を育む。たまに、光を与えすぎて植物を枯らせ、暑さで人を殺す。

太陽は地球のエネルギーの源と言っても過言ではないが、あいつは何もしていない。ただ通り過ぎていくだけである。

地球の全ての物に好き嫌いせず、ただ存在している。こちらに話しかけてくることもない。
ただ光を与えるだけで、生き物は勝手に育って勝手に死ぬ。

自然は美しいとか、自然は恐ろしいとか、よく言われることだけれど、自然というのは美しくも恐ろしくもなく、ただ発生しているだけで、太陽のように何も考えていない。

自然は、動植物の生存競走から発生していて、バタフライエフェクトと知られるように、個々の働きかけが作用してカオスを生み出している。

人間も実はそうなのである。
社会制度だの難しいことをしていると私たちは思いがちだが、人間社会も、個々の欲求の働きかけによって発生する自然である。

だから、社会問題や、戦争や貧困があっても、それは自然災害と同じで我々が根本的に無くすことができるものでは無い。

そして私たちの存在は発生しているものとして貴賎もなく、平等に無価値である。

そもそも価値という概念は言語と同じように人間が発明したものである。

この世界はみんな平等だ。



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