見出し画像

カラオケ店の立地の考察

目次

1.初めに
2.立地の種類と考察
3.結論

1.初めに

コロナ禍に入り、カラオケは閉業や休業を余儀無くされ、運営も危ぶまれてきたが、コロナが5類に変更され、社会が変化しつつある中で、カラオケ店も営業を再開する所が出てきている。一時期は世間から、コロナ感染リスクが高い業態として、名指しで批判される事もあったが、コロナ疲れを解消する存在としてのカラオケの存在は大変意義があるものであり、社会的意義は存分にあるものと認識している。

その様な状況の中で、各カラオケチェーンには戦略がある。料金・価格戦略や飲食メニュー戦略、立地・店舗戦略と戦略は様々であるが、今回は立地・店舗戦略について、フォーカスを当てて考察していく。

2.立地の種類と考察

カラオケ店の立地には大きく分けて、駅前型とロードサイド型があり、定義は下記の通りである。

1.駅前型店舗

駅前型店舗とは名称の通り、駅前に立地する店舗である。立地状況にもよるが、駅から徒歩約1分~15分程度の距離にある店舗を駅前型店舗として定義付けする。駅前店舗は駅前という立地の良さから、集客力は非常に高い。駅前という特性上、曜日や時間を問わず、一定の人口が担保されている為、営業を行う上では非常にやり易い店舗であると言える。また、カラオケ店のいわゆる夕方のアイドルタイムである17時~19時は外販活動(いわゆる呼び込み)も可能である。一般のカラオケ店は朝のフリータイムが開店から18時までであり、18時に一旦来客が止まるケースが多い事から、店内のリセットと更なる集客に向けて取り組む事が出来る。

ただし、駅前型店舗にはデメリットが2点ある。1点目は家賃が高い点、2点目は競合他社が多いという点である。家賃に関しては駅前という事もあり、ロードサイド型店舗と比較すると高い傾向にある。また、カラオケ店である以上、一定の店舗数と広さを求められるが、広さを求めようとするとそれ相応の家賃を支払わなければいけない、また駅前は立地が良い為、競合店に狙われ易く、利用客の奪い合いになる事もある。歌えれば良いという利用客も多い為、値段合戦にもなり易く、その点においてはカラオケ店の持つブランド力やサービスの良さというのは考慮されず、値段だけで判断される事も多い。

2.ロードサイド型店舗

ロードサイド型店舗は、駅前型とは異なり、車やバス、自転車といった各種乗り物を利用しないと行けない様な場所に立地する店舗である。別名郊外型店舗とも呼ばれる。メリットとしては、郊外という事で家賃は駅前型と比較して若干は安い傾向にある事。また、後述に説明するが一棟型店舗が多い為、非常に目立つ事がメリットとして挙げられる。ロードサイド型店舗は交通機関を利用しないと行く事が難しく、利用人数も2名~4名程度が中心である。これは車の乗員人数に比例すると考えられる。その為、広い部屋を多く作るよりも、2名~4名型の部屋を沢山作る方が利用客の要望に合致していると言える。また、ロードサイド型店舗は比較的ファミリー層の来店が多い為、飲食メニューの出数も多く、事業的には安定して行えるのも特徴である。

デメリットとしてはやはり、交通機関を利用しないと行けない点に尽きる。駅前店舗とは違い、乗り物に乗るという事が前提条件になる為、アルコール等も頼みにくいというのもデメリットであり、これはカラオケ店側としても同じである。また、外販活動が出来る駅前型店舗とは異なり、アイドルタイムに集客する方法が少ない。事前に行う仕掛けとして、チラシ配りやアプリでのプッシュ通知等もあるが、即効性が無い為、長期的に見たら得策ではあるが、短期的に見ると愚策である。一方で競合店は少ない為、商圏の人口を抑えられるという利点はある。

3.結論

上記の様にカラオケ店舗も立地によって、戦略は異なる。同じチェーン店であったとしても、駅前型とロードサイド型で店舗戦略は異なるので、歌を歌うという行為以外でも違いを知るのも楽しいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?