寄り添うことは、手当てそのもの
今、私の顔には、真っ赤な世界地図が広がっている。
おでこ、口の周り、両頬が真っ赤にベタ塗りされていて、ギョッとするぐらい。
※イラストの女の子は、とてもかわいい。
彼女のリップより濃い、真っ赤なベタ塗りが顔のあちこちにあるのをご想像ください。
これ、薬の副作用なんです。
遡ること、1週間。
秋の花粉により、まぶたが腫れる、鼻水も出る、首とおでこがカサカサしている。
あかん。フタエ行方不明になっとる。
肌のかゆみもあるので、近くの皮膚科へ。
アレルギーや湿疹でも何度か受診したことがある病院。
この時点で、肌はかさついてるが、赤くはない。
赤くはない。(大事なことは二度言う)
先生の見立ては
・花粉だね
・肌も荒れてるね
・保湿剤と軟膏と飲み薬、出しとくね
はい。了解です。
その後、薬剤師さんから各薬の説明をしてもらった。
口周りに軟膏を塗っても大丈夫ですか?
赤ちゃんでも使えるものだから、大丈夫ですよ、と教えてもらう。
その夜、それでも慎重に、比較的、肌が丈夫であろうおでこから塗る。しばらくしても特に変化はないので、安心して、肌荒れ部分に軟膏を塗り、就寝した。
翌朝。
ぎゃー!
軟膏塗ったところ、赤くかぶれ、腫れ上がってました。
歪んだ世界地図、出現。
夫「ドリフの酔っ払いメイクみたいだね」と微笑んでた。
これ、塗ったらあかんやつだった。
仕方ない。お医者さんに治療方針変えてもらおう。
ってことで、また病院へ。
あれー?どうしました?と言いながら、私の顔を見た先生が固まった。
「え?かぶれた?何に?」
先生、落ち着いて。声、上ずってますから。
軟膏塗った面積そのままが赤くなったことを説明。
「え?あの軟膏?そんなわけない、いやないはずなんだけど」
ないって言われてもさ、この顔だからなぁ。と困り顔の私。
「これでかぶれる人なんて、いる?100%ないわけではないけど。僕、医者になってから、これがダメだった人、初めてみたよ」
医者になってから、初めてだよ。
こんなの初めて!ってキラーワード、言われてもな。
しかもだよ、先生。
全く同じセリフ、先生、2年ぐらい前に言ったよ、私に。
そう。
以前にも、赤ちゃんでも大丈夫な別の軟膏で、世界地図になりましたよね。その時も、こんなの初めて!って言ったよね。
その後、エンドレスに「普通はありえない」と言われ続けたけど、使っても大丈夫な軟膏を処方してもらえた(以前、使って平気だったものカルテから発見)
この一部始終を夫に報告してたら、なんだか腹が立ってきた。自分でも何で怒ってるのかわからなかったんだけど、やっとピンときた。
先生、一度も、大変だねとか寄り添ってくれなかったな。
それよりも、自分が間違ってないことに必死だった。
医者の立場として、どう治療しようかと私の特異体質を困ってたけど、私が困っていることには無関心だったな。
自分の副作用でがちな体質は、理解してる。
だから、軟膏にかぶれたことは怒ってない。むしろお手間かけてすみませんって思ってる。
だけどさ、私も困ってるわけ。
体質にも、今、顔に世界地図できてることにも。
先生も困ったんだよね。
なら、一緒に困ってくれても、よかったよ。
弁明より、釈明より、「これは辛いよね」と困り顔してくれた方が、私は救われたな。
と思ってたところに、ほぼ日の特集が目に入った。
先生、もしや私に怒られると思ったんか。
なら、説明しなきゃと思うか。そうか。
一緒に困ってくれてかまわんよと言いつつ、共感のあとはきっちり医療的処置お願いしますと願うのは、患者である私のワガママだろうな。
今回、1番寄り添ってくれたのが、薬剤師さん。
私の真っ赤になった顔を見ながら、
「真っ赤で辛いですよね。敏感な体質だと新しいお薬使う時、いつも怖いでしょう?」と声をかけてくれた。
そうなんですと泣きたくなった。
その言葉で、また医療と二人三脚をする勇気をもらった気がした。
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