コロナは想定内?? 驚きの経営者の頭の中(2)
コロナ感染者数は増えているのに、休日のショッピングセンターは人、人、人……。危機感が薄れている一方で、コンサートやお祭りなどのイベントは自粛一辺倒で、何をどう捉えていいのか分からないという声をよく聞きます。
これからどうなっていくのか。アフターコロナについて代表・吉野の考えを聞いたインタビュー記事の続編です。(前編はこちらからどうぞ!)
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世界が見えなくなっている…
Q コロナ感染が拡大しているけれど、経済活動はストップしないという状況が続いていますね。最初のウイルスに対する恐怖感が薄れてきたけれど、人の目が気になって思い切り外出を楽しんだりできない中で、アフターコロナの生活ってどう変化すると思われますか?
吉野 コロナってネガティブに考えようと思えば、いくらでも考えられますよね。今回のウイルスが解決しても、別のウイルスが蔓延するかもしれない。安泰がいつまで続くか分からない。常にリスクを考える必要が生じてきたと言えます。
一方で、仕事、ライフスタイルの変化も良く言われていることです。毎日出社しなくてもいいんじゃないか、郊外の自然の多いところに家族で暮らしてテレワークを中心にする、とかね。そういう日本の状況はよく見えるんだけど、世界が見えにくくなっていると感じています。
もちろん、ニュースで何人感染者が増えたとか、数字は分かるんですが、それはあくまでも二次データです。そこにいる人がどう感じているか、何を考えているのか、それが全く見えなくなってきた。
Q 喪失感が伝わってきます。吉野さん、海外に出張に行けていないですものね。
吉野 Dari Kを始めてからの10年間、こんなにインドネシアに行っていない期間があるのは、本当に初めてなんですよ。2,3カ月に一度は必ず見に行っていたのに、すっかり遠くなってしまった気がしています。もちろん、現地駐在員の足立さんがしょっちゅう連絡を取ってくれているし、様子は分かっているんです。ZOOMでもなんでも連絡は取れる時代だから、つないで話をすることもできる。でもね……本当に何を考えているか、知りたい。
Q ZOOMでは不十分だと。
吉野 便利だし、それがあれば十分仕事ができるっていう人がいるじゃないですか。でも、画面越しに顔を見て「元気?」、「元気だよ」っていうのと、直接会うのとは全然違う。やっぱり顔色悪いよって肩を叩いて元気付けられることもあるし、伝わってくる雰囲気を感じ取って会話を進めることもできるけれど、ZOOMだとどうしても距離感がある。
カカオ農家がカカオを止める!?
Q 吉野さんがZOOM会議が苦手だというのはよく聞きますが、そこまで喪失感が大きいのは意外です。
吉野 失ってはじめて、大切なものに気付くっていうけど、まさにそうだと思いますよ。新しく始めたペイフォワード*もね、もちろん喜んでくれると思うんですよ。
(*補足:新しいペイフォワード=カカオ豆の国際価格が急落し、未来の投資ができない農家に対して、「ペイフォワードセット」の売上の3%で苗木をプレゼントするというDari Kの新しい取り組み)
でも、本当だったら現地で話をして、一緒に何ができるかもっと深い議論ができたかもしれない。もしかしたら、カカオ農家さんはカカオ農家を辞めたいかもしれない。その時、どういうサポートがDari Kとしてできるんだろうって、現地の人と話して、何を考えているのか感じながら、一緒に考えたいんですよね。
Q カカオ農家さんがカカオ農家を辞めるって!! 衝撃的な例えです。まさに画面越しには言いにくいし、膝を交えて話すから出てくる本音ってありますものね。
吉野 今のところ、幸いにも「たとえ」なんだけど、本当は農家の人たちにとっても、選択の自由を持てるって大切だよね? 都会で働いた方が収入がいいかもしれないし、カカオ以外のものを育てるっていう選択肢があるのかもしれない。
Q うーん、確かに。そう……ですね。
吉野 今まではカカオ農家にはカカオ頑張れって言ってきて、僕たちもその原料を販売するっていう枠を作ってきたんだけど、当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなるかもしれない。インドネシアだけじゃなくて、僕たちDari Kの中でも一人ひとりが変わらなければいけない時期に来ているんだと思うんですよ。
Q おお! Dari Kも変革の時期を迎えているんですね。突っ込んで聞いていくと、なかなか長くなりそうですね。しかし、カカオ農家の人たちというか、インドネシアの人たちと寄り添ってより良い環境を作ろうとする姿勢、吉野さんもですが、現地駐在員の足立さんもハンパなくって、愛だなって思います。2回連続、対談がこのまとめで終わるのは芸がないですが、インドネシア・ラブってことですね!!(談)
早くみんなに会いに行きたいですね、吉野さん!
(広報部員・中崎薫)