好きです


たった4文字が
心に絡みついて
喉の奥から出てこない
鈍感なキミだから言葉にしなきゃ伝わらないのに
気が付くといつも見つめてる
たまにキミは視線に感づいて
どしたって聞いてくるけど
今キミに伝えたい
ねえ好きです
なのに下手な愛想笑いで
ううん何でもないって
意気地なし
女の子が集まるとしょちゅうキミの話題になる
ライバルは多し
早くしないと取られちゃう
キミにフラれたって泣いてる女の子を慰めながら
これは明日の私なのかと思う
モテてるのに誰とも付き合わないのはなんでなの
軽いノリで聞いてみればいいのに
好きな子がいるからなんて答えが返ってきたら
精神崩壊するから絶対無理
でももう限界なの
片想いに蝕まれて
ご飯ものどを通らなくて
2キロ痩せたのはラッキーだけど
いつだってキミのこと考えています
夢の中でも見つめています
誰よりもキミが好きだって自信があります
恋の神様どうか私に少しの勇気を足してください
好きで好きでたまらないキミになら
玉砕したってかまわないや
あの4文字を伝えよう
机の中に紙切れを入れた
放課後屋上に来てください
夕日を背負って立ってるキミは
やっぱり最高にかっこいいや
勢いのまま駆け寄って
キミのネクタイを掴んで引き寄せた
最初で最後のキス
唇を離すと自分がどれだけ大胆なことをしてしまったのかが
じわじわ理解できて固まった
こんなことしといて何緊張してんの
キミは笑いながら私の顎を指で引き上げると
長い長いキスをした
ほんとは俺から言い出さなきゃと思ってたんだけど
ごめんな
勇気がなくって
なんだ怯えてたのはキミも同じだったのね
それから陽が沈むまで
二人座り込んで何度も何度もキスをした
今までの空白を埋めるみたいに
手を繋いだ帰り道
家まで送ってくれたキミは
さすがにここじゃまずいよなときょろきょろしてから
私を抱き締めてキスをくれた
それが余りにも甘かったので
私はキミが去った後
玄関前にへたり込んでしまった

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