わたしって、普通。【レディ・バード】
若気の至り、ああはずかし、はずかし、
レディ・バード 2017年 監督グレタ・ガーウィグ
【あらすじ】
閉塞感漂う田舎町で、カトリック系の高校に通う
17歳のクリスティン。
クリスティンは自らをレディバードと名乗る。
そんな彼女は母親といつも喧嘩ばかり。
友人やボーイフレンド、将来について悩みながら
多感な17歳を過ごしている。
【解説】
軸がなければ芯もない、主人公のレディバード。
演劇部に入ってもすぐ辞めちゃうし
イケメンと付き合いたがったり、
イケてる女子と仲良くなりたがったりと、
周りの人から良く見られたい気持ちが大きくて空回り。
目立ちたいけど目立てないでいる。
かといって地味なタイプって訳でもない。
割と平凡で普通なクリスティン。
だけど17歳っていう年齢は、その普通や
平凡がつまらない。
自分は特別だと思いたくて、自意識過剰気味。
そうやってレディバードは人並みの青春を送っていく。
終盤では自分の理想を叶えても、再び普通で平凡な毎日が訪れる。
この虚しさに着目してる所がこの映画の秀逸さだったりする。
世間知らず丸出しの痛々しい思春期のあるある。
そんなあるあるを詰め合わせた、ちょっぴり
にがーい子供以上大人未満な物語。
特になにか起きる訳ではない、平凡なひとの普通の人物語。
この映画の監督グレタ・ガーウィグが描いているのは、だれもが感じてる虚無感を映し出しているんだと思う。
誰かにとって特別な存在になりたい17歳。
親にとっては生まれながらに特別な存在なのに
気がつかないでいる。
“レディ・バード”はそういう気がつかない幸せを描ききった。
そこがこの映画が多くの映画賞で評価されているポイントだと思う。
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