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甲子園球場は寝床なん?

河本家(オカン・オトン・姉・僕)は、熱烈な阪神タイガースファンです。感染症が蔓延する以前まで、たびたび家族で甲子園球場に集結していました。

しかし、球場を訪れるたび「ホンマにファンなん?」という疑念が自らに浮かびます。

なぜなら、試合中に100パー寝てまうからです。
いつも3回裏ぐらいから記憶がありません。

チケット代・交通費を支払い、時間と労力を使い、はるばる訪れたのに100パー寝ます。

なぜ眠たくなるのかは未だに分かりません。

オトンと僕は球場へ入る前にしこたま酒を呑むため、睡魔が襲うのも致し方ないという言い訳ができます。

…よね?

でも、オカンと姉はノンアルで熟睡します。
なんでなん?

周りの観客は(何しに来たんコイツら?)と思っていることでしょう。

阪神の応援は世界一と賞賛されます。太鼓やトランペット、メガホンや熱狂的な声援が何層にも折り重なって球場外まで轟きます。

助っ人外国人は、あまりの音量と迫力でプレーに支障が出るとか出ないとか。

しかし、河本家のオヤスミには1mmも支障がありません。オトンの耳には、応援歌が子守唄に改竄されて伝わるようです。

オカンはたまに、僕の肩に寄りかかって居眠りをこいてきます。僕は身体をワサッと揺らします。

1回起きて、僕と目が合って、寝ます。

(故意に他人の肩借りてきはる人間とかおるんや?)ってなります。

姉は、攻守交代の際に売店で焼き鳥的なモノを買います。自分の席へ戻るや否や仮眠をとります。

(消えた食欲は今?)っていうタイトルを付けたくなります。

それを見たオトンは「タレが他のお客さんにかかったらどないすんねん」と、寝ぼけ眼でキレます。

(え、自分もビール片手に寝とったやん。そんな辞書の例文みたいなダブスタあるん?)ってなります。

村上春樹氏はプロ野球の試合を観戦中、助っ人外国人がヒットを放った瞬間に「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」と思ったそうです。それが人生の転機になったとか。

僕は誰がヒットを打っても「そうや、帰りの電車1本遅らしたら空いてるかもせえへん」。としか思いません。そもそも阪神の助っ人外国人は、あまりヒットを打ちません。

冗談はさておき。

阪神タイガースファンは、7回裏のラッキーセブンに風船を飛ばします。

河本家は必ず風船を買います。
7回裏だけは絶対に寝ません。

全員がムクッと起きて膨らませ、音楽に合わせてノリノリで飛ばします。

"球場全体を埋め尽くす、色とりどりの風船が音をたてて飛翔する光景は圧巻そのもの。コレやがな、甲子園の醍醐味は______"

そんな夢を見た後、8回表の1アウトぐらいで目が覚めます。

(どこまで起きとったっけ?)って毎回なります。

9回裏2アウトの試合終了間際になると、阪神ファンが「あと1人!あと1人!」というコールを開始。

声がバカでかすぎて、オトン・姉・僕は目が覚めます。

勝利の瞬間をオカンにも見せてあげたいので必死に起こそうとするのですが、「あと1分だけ!」と言って再びスリープ状態に入ります。

なにしに来たん?

そんなこんなで、感染症が収まったら、また家族揃って甲子園球場で眠りたい応援したいです。

(どんなこんなやねん)ってなります。

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