市原悦子さんに見られてますよ？

ピザのデリバリーを頼みました。

ピザ屋さんの公式サイトで〈置き配〉を選択。
説明書きには①〜③の流れが記載されていました。

①配達員がドアの前に商品を設置
②チャイムを鳴らす
③家主が受け取りに出る

非接触システムは、感染予防だけでなく、コミュ障のMPマジックポイントのコスト削減というメリットもあります。

待つこと数十分。
エントランスのインターホンが鳴りました。

「お待たせいたしました、〇〇ピザです！」
（オートロック解除）
「ありがとうございます！」

わずか2行の台詞で好青年と分かりました。

そこまでの純好青年って『ウォーターボーイズ』の市原隼人さん以外にもおったんや的なことを思いながら、玄関に疾走。

僕のマイブームは〈ドアスコープから、置き配をする配達員さんの一挙手一投足を盗み見すること〉です。

そこまで盗み見するのって『家政婦は見た！』の市原悦子さん以外にもおったんや的なことを自分自身に問いかけながら、めっちゃ見ていました。

商品を設置後、チャイムを鳴らす市原隼人（配達員）さん。

（よし！あとは市原隼人さんが去ったら、ドアをこっそり開けてピザを回収して狼のように喰らいついたろかいのー）

そんな作戦を練る矢先のことでした。

市原隼人（配達員）さんはキャップを脱ぎ、ドア越しの市原悦子さん（僕）に向かって深々とお辞儀をしたのです。

分かりにくいので、余計な箇所を取り除いて書き直しますね。

市原さんはキャップを脱ぎ、ドア越しの市原さんに向かって深々とお辞儀をしたのです。

どこ取り除いとんねん。
余計分かりにくなっとるやないか。

そんなことはさておき。

配達員さんは深々とお辞儀をしたあと、キビキビとした動きで去っていきました。

なんて気持ちがよいのでしょうか。

もちろん、お店のマニュアルなのでしょう。
ドアスコープから客に見られることを想定しての対応なのでしょう。

とはいえ、お辞儀をしないからといって「テメーこの野郎！」と追いかけてくる客はほとんどいないはずです。店長も見ていません。

それでもきちんと一礼をする丁寧さ、人としての尊さに心を打たれました。

ボール投げの遊びで、投げたフリのフェイントに毎回懲りずに引っ掛かってくれる柴犬ぐらい尊かったです。

バウンドしたボールの落下スピードに合わせ、膝のクッションでリズムをとる柴犬ぐらい尊かったです。

同時に。
今回の配達員さんのように日頃から良い行いをしていれば、きっと誰かが見てくれているに違いないと改めて感じました。

（誰もおらんしまぁええか）と思った現場の陰には、市原悦子さん的な人が身を隠して見ている可能性があります。

人生が好転するチャンスが訪れるのは、人前であろうがなかろうが、日々コツコツと徳を積み上げる人なんだろうなぁと感じました。

配達員さんの言動から、とても良い学びを得ました。

ということで。

今度からチャリに乗る時は、誰もおらん深夜でも気を抜かず、〈魅せる立ちコギ〉に全集中してバリかわ女子にきゃっさアピりたいと思います。

↑待って、何も学んでなくない…？