9/1日記 【事務さんの優しさ】

今日の昼過ぎ、職場から退職手続きについての連絡が来た。

電話をしてくれたのは、店長ではなく事務さんだった。

その事務さんは私の入社手続きもしてもらった方で、会うたびに気さくに話しかけてくれる方だ。


電話口の事務さんは、即日退職した私に怒っている様子はなく、いつもの明るい調子で手続きについて話してくれる。

対する私は、私は湧き上がる緊張と恐怖に震える手でメモを取る。

話の結果、退職手続きは早いほうがいいだろうとのことで、明日行うことになった。

「気づいてあげられなくてごめんね」
一通り話した事務さんが苦しそうに私に言った。

その瞬間「何かあったら相談してね」とよく声をかけていてもらっていた記憶が蘇る。

「私の方こそすいませんでした」
事務さんの優しさを無下にし、さらに謝らせてしまったショックで、それしか言えなかった。

電話を切ったあと、明日に向けて持ち物を準備した。

お詫びのどら焼きはスケジュール的に手渡しできそうにない可能性も考え、短いメッセージを書いた手紙を用意した。

準備をし終えると、また、どっと不安が押し寄せる。

明日どんな顔で職場に行けばいいんだろう。


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