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令和6年能登半島地震を石川県で経験した防災の研究をする博士学生の記録

令和6年能登半島地震が発生したとき、私は石川県にいました。防災の研究をする博士学生の私が、この震災を通して経験したことをいくつかの写真とともに共有させてください。


令和6年能登半島地震の発生

2024年1月1日に、石川県能登半島を震源とする大規模な地震が発生しました。
新年を祝う穏やかな空気の中で、突如として襲った大きな揺れは、日本中の多くの人々に衝撃と恐怖を与えてました。
あれから半年が経とうとしていますが、被災された方々にとっては、今もなお困難な状況が続いていることと思います。

この節目の時期に、改めて被災地の1日も早い復興を心より願い、亡くなられた方々への追悼の意を表します。

さて、読者の皆様は、地震が発生したとき、どこで何をしておられましたか?

被災したときの私

私は、地震が発生した瞬間は、石川県にある学校にいました。

研究室のメンバーや友人と新年を祝うために、中国人留学生の指示の下、肉まんを手作りで作っていました。

地震発生6分前

昼過ぎから肉まんの生地を発酵させ、肉まんの餡を作り、生地で餡を包み終えた頃でした。それらを蒸し始めたタイミングで地震が発生しました。

机を囲んでいた私たちは、机に手をつき、揺れに耐えていました。

災害研究室ということもあり、地震発生後の対応は難なく行うことができました。私たちの無事を確保できたら、情報を収集していました。

最初は災害の状況を把握ができませんでしたが、徐々にSNSやTVから災害の全容を把握していきました。

テレビから情報収集

私は地震が発生した後、防災の知識や防災研究室での経験を活かして、災害対応の何かに貢献したい気持ちがありました。しかし、度重なる余震の中、ただ情報収集をし続ける日々。何もできない自分に無力感を覚えました。

地震発生翌日に北陸自動車道にたくさんの緊急車両

地震発生当日に、東京から学校に来ていた1人の社会人の方がいました。その方は,翌日に石川から東京へ戻る必要がありましたが、北陸新幹線や夜行バスは全線運休。

そこで、当時、石川から東京に帰るには、米原駅経由の東海道新幹線が最善と考え、私は彼を米原駅まで送り届けることにしました。,渋滞を予想し、早朝に出発。非常食や毛布なども用意して、万が一に備えました。

北陸自動車道は一部不通だったため、途中のICまでは一般道で迂回し、そこから高速道路を使用しました。

米原駅での一枚

米原駅に到着後、私はすぐに北陸自動車道を使って石川へ戻りました。その道中、今でも忘れられない光景を目にしました

それは、県外の医療関係車両や備蓄輸送車,自衛隊などの緊急車両が数多く石川へ向かっていたのです。

車には,「〇〇県→石川県」「石川県頑張ろう!」といった張り紙を掲げた車。その景色の写真はありませんが、ニュースでも報じられていない、まさに感動的な光景でした。

研究室活動として参加した被災地調査

地震発生から数ヶ月後、被災地での安全が確認されたことを受け、指導教員の管理のもとで,私を含めて研究室の学生の何人かが被災地調査に同行しました。

大規模地震の被災地調査は初めての経験で、緊張感を抱きながら被災地へ向かいました。学校を朝4時ほどの出発し、夜遅くに帰ってくるという強行スケジュールでした。

道路状況が悪く,早朝出発でも被災地に到着するまで常以上の時間がかかりました.

被災地に向かう写真:

現地で撮影した写真のいくつかを共有します。

珠洲市で撮影①
珠洲市で撮影②
内灘町で撮影①
内灘町で撮影②

被災地調査には合計で5回行かせていただきました。1回目の被災地調査では、被害の甚大さが直接感じ取ることでき,自然災害の恐ろしさを再認識しました。

被災地調査では、今後の防災に役立てるための被害データの収集を主に行なっていました。少しでも貢献したいという思いで取り組んでいました。

輪島からの避難をされていた1人の男性にお会いした話

5月中旬に,研究室メンバーと加賀片山津温泉を訪れました。温泉が苦手な私は、1人で温泉周辺を散歩していると、ある男性に声をかけられました。話を聞くと、輪島から避難されているとのこと。

私は防災の研究や被災地調査の経験から、男性の置かれている状況を理解し、様々な話を伺うことができました。故郷が甚大な被害を受け、4ヶ月経っても復旧の見込みが立たない中でも、男性は将来への希望を持ち続けていました。

私が研究やビジネスを通して防災に貢献したい思いを伝えると,力強い応援の言葉をいただきました。被災者の方と直接話すことで得られる気づきもあり、自分の志を再認識する貴重な機会となりました。

最後にはお互いに名前を伝え,握手してお別れをしました。

H.Jさん、ありがとうございました。

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