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自律分散型組織で活躍する人材

現在、自律分散型組織(DAO)で活躍する人材が求められています。DAOで活躍する人材には、自律性が求められます。つまり、一人ひとりが組織の目的と目標を達成するために、チームとして機能することが必要です。今回は、DAOで活躍する人材を提案します。

簡単に言えば、自律分散型組織(DAO)で活躍する人材は、自分で考えて行動し、チームとして協力して目標を達成することができる人材です。このような人材を育成するためにゴールデンルール・メソッド®︎が開発されているのです。


自律が求められている時代

自律が求められる理由は、社会情勢が目まぐるしく変化する中で、企業としても時代の流れに臨機応変に対応していく必要があるためです。自律型人材は、自ら考え、判断し、行動できる能力を持っています。そのため、自律型人材が多いほど企業は変化に順応でき、いつの時代でも成長しやすくなります。

また、雇用スタイルの変化も自律型人材が求められる背景にあります。日本では従来、「メンバーシップ型」の雇用が主流でしたが、今は職種に特化した能力が求められる「ジョブ型」雇用が広まりつつあります。ジョブ型雇用ではスキルが専門的になるため、あくまで自己研鑽が基本です。そのため、自らの力で学び、成長できる自律型人材が求められています。

さらに、働き方の多様化も自律型人材が求められる理由の一つです。フルフレックス制や時短勤務、テレワークなど、近年は働き方が多様化しています。そのため、自律型人材が増えれば、従業員が自分で判断して仕事を進めてくれます。いわゆる「指示待ち」の人材が減ることで、企業としても組織運営がしやすくなります。

弊社では、自律を定義づけており、元々はインテグリティの定義として用いていました。「インテグリティ(integrity)」とは、「誠実、真摯、高潔などの概念を意味する言葉」です。企業においては、インテグリティは経営やマネジメントにおいて最も重要な資質、価値観を示すものであり、企業はインテグリティ(誠実さ)を最優先し、法令遵守をはじめ幅広く社会的責任の遂行と企業倫理の実践を目指しています。
そこで、DAOで活躍する人材のロールモデルとして「自律」を定義づける際に、弊社で使っていたインテグリティを活用することにしました。

自律を意識していこう、あり方の改革


1)私は人の強みを引き出す者

人の強みを引き出す人の特徴として、率先垂範のリーダーシップを取る人が多いです。ポジティブで、なにごとも「できる」と信じて人と関わります。私にもできるから、必ずあなたにもできるよと励ましてくれる人です。その他の特徴としては擬音語が多く、短く力強い表現が多いです。「すごい」「さすが」「楽勝だね!」などの言葉を力強く語る人です。

相手の可能性に焦点を当て、その人のありのままを認めて言葉をかけることで、相手が自分の可能性を感じて一歩踏み出すきっかけを作れるようになります。人を勇気づけ、励ます人で、他者の行動を促し、何より自分自身が行動で示します。 このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①明るく面白く肯定的な表現で場を盛り上げる
②人の表情を観察し、反応とジェスチャーを分析する
③実用的な書物を好み、具体的なノウハウに価値を感じる
④人は完璧ではないと語り、解決に向けて努力していることを重視する
⑤決断が早く挑戦し続けることが大切だと考える
 
このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう
①頭に浮かんだことを言ってしまうのでセルフコントロールが苦手
②アドバイスを聞き入れず、成長意欲がないと判断するとその人を見限る傾向がある
③劣等感を方法論で解決しようとするので自己肯定を強要する

もしあなたが人の弱みに焦点を合わせて勝負しようとしているなら、それは自己肯定感が低いことを意味しています。自己肯定感が低い人はパワハラなどを起こしやすく、自己中心的なので人をコントロールします。成果を上げるかもしれませんが、人間関係を悪化させてしまう人です。

人の強みを引き出していきましょう。ご唱和ください。
私は人の弱みに焦点を合わせることなく、人の強みを引き出す者です。

2)私は有能な人々を用いることが出来る者

2つ目は有能な部下を恐れることなく、有能な部下の力を借りることができる人かどうかです。 このような人の特徴として、仕事や目標に捕らわれすぎず、一人ひとりの自分らしさを大切にすることで、調和を生み出すことができます。 チームをつくるために全体を俯瞰し、人をまとめる中で、仕組みやルールを明確にします。 このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①一人ではできない大きな目標のために組織をつくる
②俯瞰して物事を捉え細部にわたる計画(ビジョン)を描く
③目標を達成するために必要な物や人を備える
④目標達成のためには人からの非難にも耐えられる
⑤目標の共有を徹底することで、生産性の高いチームを作る
 
このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①仕組みなどを作ることがしたいので同じことを繰り返すことを嫌う
②目標達成のために他人への配慮が欠けてしまう
③方法論を絶対化してやり方を押し付ける

 もしあなたが部下を恐れているなら、好き嫌いでチームを築こうとするでしょう。実際にはマネジメントに向いていない人です。

有能な人の力を借りていきましょう。ご唱和ください。
私は有能な部下を恐れることなく、有能な部下の力を借りる者です。

3)私は何が正しいかを判断できる者

3つ目は、誰が正しいかではなく、何が正しいかを判断できるかどうかです。 このような人の特徴として、相手に対する尊敬(リスペクト)の気持ちを忘れずに人と接することで、多くの人に良い印象を与えます。事実に基づく情報を重視し、人に物事を教える形で積極的なコミュニケーションを取ります。 このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①ある意見やアイディア、仮説などは事実に基づくかで判断する
②探究心が強く、徹底的に調べて、間違った情報を排除する
③主観的より客観的に物事を捉えて冷静に判断する
④人の持っている才能を見抜き、教え育むことを進んで行う
⑤具体的なノウハウよりも学術的・体系的な知識を発信するコミュニティーをつくる
 
このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①実用性よりも知識を重視して教えようとする
②知識面で人より優れていたいというプライドがあり、人を見下げてしまう
③自分が調べたことが正しいと確信するあまり融通が効かず、人とぶつかってしまう

もしあなたが誰が正しいかで判断してしまうと、嫉妬や妬みを引き起こすことになるでしょう。自分が争いを生み出していることに氣づかないのです。チームとしてのコミュニケーションが取れなくなっていくのです。

何が正しいかを判断していきましょう。ご唱和ください。
私は誰が正しいかではなく、何が正しいかを判断できる者です

4)私はよろこびあうことの出来る者

4つ目は冷笑家ではなく、共によろこび(喜び、慶び、悦び、歓び、嬉び)あうことができるかどうかです。このような人の特徴として、愛情表現が上手であり、共感や思いやりのある行動で人と繋がります。もし直接的に相手の傷や痛みを取りのぞけなかったとしても、自分自身を大切にすることが相手への思いやりにつながることもあります。自分を責めないようにしましょう。このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①受容する心・思いやりを持って愛情表現をする
②人を傷つけないように、言葉と行動に気を配る
③人を騙す思いがないので、人を信頼し、信頼される
④人に寄り添い共感を示す
⑤人に対して寛容であることを示す

このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①自分に責任があるわけではないことにも、責任を感じて傷ついてしまう
②人の苦しみを共感しすぎて、自分自身の痛みのように感じてしまう
 
もしあなたが冷笑家であるなら、相手の感情を読み取ることができない人です。共感する力が弱いので、人をまとめ上げることが難しい人です。

共によろこび(喜び、慶び、悦び、歓び、嬉び)あっていきましょう。ご唱和ください。
私は冷笑家ではなく、共によろこびあうことの出来る者です。

5)私は自らの仕事に高い基準を持つ者

5つ目は自らの仕事に高い基準を持つことができるかどうかです。 このような人の特徴として、一人ひとりのやり方が違うこと受けいれ、その人が自分らしく成果を生み出せるような方法を提案することができます。ものごとの問題とその解決策がわかるので、コンサルタントのように相手のための行動をします。 このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①その場や人々が必要としていることを素早く察知する
②細かく順序立てて事前に計画を立てて行動する
③役に立っているかの結果を確認するために感謝を求める
④人から頼まれた以上のことをこだわりを持って行う
⑤実務的な細かい作業を着実に行う
 
このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①自分がやった方が上手くいくと思うので、人の力を借りることができない
②人に対して批判的になり人の欠点を口にする
③自分の行っている事に集中しすぎて周りが見えなくなる

もしあなたが仕事の基準が低いならば、結果を生み出せないのです。コツコツと成果を生み出すことができず、チームとして成果を生み出すことを喜びとしていない人です。

自らの仕事に高い基準を持っていきましょう。ご唱和ください。
私は自らの仕事の基準を低めず、高い基準を持つ者です。

6)私は人格を重視する者

6つ目は頭脳を優先するのではなく、人格を重視することができるかどうかです。 このような人の特徴として、相手の本質を見極めてその価値を引き出す話をするので、相手の士気を高めることができます。 個人や組織の特徴を見抜いて、広く物事を見通したすぐれた目的やビジョンを明確にすることができます。 このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①相手のことを人の尊厳を大切にする(善)か、大切にしない(悪)かで判断する
②物事を正しいか悪いか、真実かまやかしかを判断する
③外面的な分析や論理的ではなく、直感によって特性を理解する
④困難に直面することを、人生に必要なものだと考えて受け入れる
⑤全てのことに関して明確な意見と強い確信を持っている
 
このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①ゴールイメージでできないと判断すると批判的で無愛想になる
②自分の意見が通るように説得するか意見を変えさせようと話し続ける
③正しいことにこだわるので、自分の欠点に気づいて自分自身を責めてしまう
 
もしあなたが頭脳を優先させてしまうなら、比較と恐れを生み出していくでしょう。それによって、人の尊厳や命の尊厳が危ぶまれてしまいます。またチームの動機づけが弱くなり、チームがまとまらなくなのです。あり方が大切だと言われていますし、目的を明確にする必要があるのです。
人格を重視する人になっていきましょう。ご唱和ください。
私は頭脳を優先するのではなく、人格を重視する者です。

7)私は人々の夢を解き放つ者

最後の7つ目は夢を応援するだけでなく、人々の夢を解き放つかどうかです。
このような人の特徴として、人に与えることはとても素晴らしいことだと考えています。相手の気持ちを察して、必要とされるものを必要としている人に与えることであなたは感謝されるようになります。与え続けることは外側に向かうエネルギーです。このような人物はさらに5つの特徴を持っています。自分に当てはまるか考えてみましょう。
①持っている資源を惜しみなく与えて満たそうとする
②効果的に価値を生むことを考えている
③真実を見抜く力があり冷静に対応する
④自分の心が満たされていると相手を受け入れることができる
⑤無駄なことをやめて価値あるものに投資をしていく

このような特徴を持つ人にも注意点があります。当てはまることがないか考えてみましょう。
①身内に甘く仲間をひいきしてしまう
②何かを提供することで自分の役割は果たしたことにして、具体的な責任から逃れる
③認められようとすると自己中心な考え方になってしまう


もしあなたが人々の夢を解き放さないなら、自律した人を育てようとしていないのです。自分のために利用することしか考えていないのかもしれません(無意識です)。与えているGiverだと勘違いしている人です。人は自分の人生を歩む必要があるのです。その助けをするからこそ、与え続けることができるようになるのです。それが私たちの使命につながっていくのです。

人々の夢を解き放つ者となりましょう。ご唱和ください。
私は夢を応援するだけでなく、人々の夢を自分の手から解き放つ者です。

私たちは人々の中にある宝石を見つけ出し輝かせる働きをしています。

自律するためには、ゴールデンルール・メソッド®︎にあるように、自分自身を知らなければなりません。自己肯定感を高め、自己効力感を高め、目標設定をした人生を歩むという自己確立の世界にいく必要があるのです。
リーダーはリーダーを育成すること、これがリーダーの仕事であることを知ってほしいと願っています。

この文章は「自律分散型組織で活躍する人材DAOson」の第3章の抜粋、加筆したものです。

あとがき


チームビルディングとリーダーシップを専門に活動をしていました。その延長線上でマネジメントを教える機会が増えました。また2018年に「すごさの認め方」を出版した関係で利き脳の方が中心となりました。ゆめのたねというインターネットラジオでパーソナリティをすると決めてから、本来の自分の働きであるリーダーシップ&チームビルディングトレーニングを中心に物事を考えるようになりました。そこでゴールデンルール・メソッド®︎やDOAで活躍する人材についても扱うことにしました。
これからの時代に対応できる人たちを育成していくためにも、基礎をしっかりと学んでいただければ幸いです。

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