見出し画像

Web3と地方創生の現在地

みなさん、初めまして。AI+DAOATHON運営チームの井納です。
現在、web3という新たな概念、テクノロジーの登場は、地域社会にも新たな変革をもたらそうとしています。
本記事では、地方創生におけるweb3技術の可能性を探ることで、どのように地域の未来を築くことができるのかを考察します。
地域の人口減少や経済停滞が問題となっている中で、web3がどのように解決策を提供するのか、その具体例を見ていきましょう!

1. Web3と地方創生の相性の良さとは?

みなさんご存知の通り、web3は、ブロックチェーン技術を基盤とし、分散型自律組織(DAO)や非代替性トークン(NFT)などの新しいデジタルエコシステムを生み出しています。
地方創生においても、この技術は非常に相性が良いとされています。本日はこれらの背景や実際のユースケースについて、事例を交えながら見ていこうと思います!

デジタル化と透明性の向上

web3の技術は、現実の資産のデジタル化と透明性の向上に貢献します。
ブロックチェーンにより、取引や投票などのデータが公開され、誰でもアクセスできるため、不正の防止や信頼性の向上が期待できます。地方自治体においても、プロジェクトの進捗や資金の使途を透明にすることで、住民の信頼を得ることができるのです。
逆に、正当性がある場合に、選択的にブロックチェーンを用いて情報を管理(公開しない)することもできます。(パーミッション型ブロックチェーンを導入する、情報の暗号化、ハッシュ化、スマートコントラクトによるアクセス権の管理などを活用することができます)

地域コミュニティの活性化

DAO(分散型自律組織)を活用することで、地域の住民や外部の関心を持つ人々がデジタル上で連携し、共同でプロジェクトを推進することができます。
いわゆる関係人口のようなものです。
これにより、地域コミュニティの活性化が図られ、新たな経済活動が生まれます。

新しい資金調達の手法

NFT(非代替性トークン)やトークンを活用した資金調達は、地方創生プロジェクトにとって新たな可能性を提供します。
伝統的な補助金や融資に頼ることなく、プロジェクトの理念に共感する人々から直接資金を集めることができるため、迅速かつ柔軟な資金調達が可能です。
仲介者が必要ないため、出資者(ファン)が直接的にその地方のプロジェクトに関わることが可能になることも大きな利点です。

2. 実際のWeb3を活用した地方創生取組の例を三つ紹介

ここからは、実際に地方創生の領域でご活躍されているweb3プロジェクトをいくつかご紹介いたします。

a. Nishikigoi NFTプロジェクト

新潟県長岡市山古志村を起点とする「Nishikigoi NFT」プロジェクトは、地域復興を目指し、NFTとDAOの概念を活用しています。プロジェクトの一環として、新たな候補地である長野県天龍峡と宮崎県椎葉村でのコミュニティ投票を開始しました。
背景と課題:天龍峡では高齢化や交通網の変化による観光客の減少、椎葉村では人口減少による伝統舞い「神楽」の継承者不足が課題です。
具体的な取り組み:Nishikigoi NFTの保有者が次のLocal DAO拠点を選定し、デジタル村民と実際の住民が共同で地域活性化を目指しています。プロジェクトは開始から半年で約1000万円の資金を調達し、1000名以上のデジタル村民が参加しています。
成果と今後:初期の成果として地域内外の関心を集めることに成功しており、今後は選定された地域での具体的なプロジェクトが進行予定です。例えば、地域特産品のオンライン販売や観光ツアーのデジタルマーケティングなどが計画されています。

筆者所有のNishikigoi NFT

b. 美しい村DAO

美しい村DAO」は、複数の自治体が連携して地方創生を目指すプロジェクトです。鳥取県智頭町と静岡県松崎町が参加しており、デジタル村民証NFTを購入することで誰でもデジタル村民として参加できます。
背景と課題:地域の経済活性化と人口減少問題に対応するための新しいアプローチが必要とされていました。
具体的な取り組み:デジタル村民がガバナンストークンを用いてプロジェクトの決定に関与し、地域資源NFTの売上が分配される仕組みです。松崎町長とデジタル村民が作成したAIアートなどが販売され、得られた収益はデジタル村民に還元されます。
成果と今後:地域資源のデジタル化による新たな経済活動の創出と、地域住民の積極的な関与が進んでおり、今後もこのモデルの拡大を目指しています。具体的には、地域特産品の海外市場への展開や、地域文化のデジタルアーカイブ化などが計画されています。

c. FurusatoDAO

岩手県紫波町が主体となる「FurusatoDAO」は、web3技術を活用した地方創生プロジェクトです。地域課題の解決を目的とし、地域通貨の発行やふるさと納税の返礼品としてのデジタルアートのNFT化を行っています。
背景と課題:地域の経済活性化と新たな価値創造の必要性がありました。
具体的な取り組み:地域通貨の発行やデジタルアートのNFT化により、地域の魅力を全国的に発信し、経済活動を促進しています。
成果と今後:プロジェクト開始以来、地域内外からの関心を集め、観光客の増加や地域資源の有効活用が進んでいます。今後はさらに多様な取り組みを展開する予定です。例えば、地域の伝統工芸品のデジタルアート化や、地域特産品のサブスクリプションサービスなどが計画されています。

3. これからのweb3と地方創生の展望

地域資源のデジタル化と新しい経済圏の形成

web3技術を活用することで、地域資源のデジタル化が進みます。
例えば、地域の特産品や文化資源をNFTとして販売することで、新たな収益源を確保することができます。
また、地域通貨の発行により、地域内での経済循環を促進し、外部からの投資を引き込むことができます。

自律的なコミュニティの形成

DAOの導入により、地域の住民が自律的にプロジェクトを運営することが可能になります。
これにより、中央集権的な管理から脱却し、地域独自の文化や価値観を反映した柔軟な運営が実現します。
参加者が主体的に関与することで、地域の課題解決に向けたイノベーションが生まれるでしょう。

グローバルな視点での地方創生

web3技術は、国境を越えた連携を可能にします。地域プロジェクトがグローバルな投資家や参加者を引き込み、国際的な視点で地方創生を推進することができます。
実際に上記で紹介したプロジェクトでは、国外からのNFTホルダーも数多く存在しています。
これにより、地域の魅力を世界に発信し、観光や移住を促進することや関係人口の形成が期待されます。

技術的な課題と法整備の必要性

一方で、web3技術の普及には高い技術力が求められるため、地方自治体やコミュニティには技術支援が必要です。
また、DAOやNFTの法的な位置づけも明確にする必要があり、法整備の進展が重要です。
例えば、政府や自治体がweb3技術に対するサポートプログラムを提供し、法的枠組みを整備することが考えられます。

まとめ

web3技術は、地方創生において革新的な可能性を提供します。
Nishikigoi NFT、美しい村DAO、FurusatoDAOなどの具体例を通じて、デジタル化と自律的なコミュニティ運営が地域の課題解決に寄与することが明らかになってきている状況にあります。
web3技術は地方創生の新しい柱となり得るものであり、これからも技術的な課題を克服しながら、地域の魅力を最大限に活かしたweb3プロジェクトの展開が期待されます。
具体的には、地域資源のデジタル化や自律的なコミュニティ形成、グローバルな視点でのプロジェクト推進を進めることで、持続可能な地域社会の実現が可能となるでしょう。
2025年2月に開催予定のDAOATHONでも、地方創生に関係する、数多くのDAOが作られることを期待しております!
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
それではまたお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?