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「ハジメテのコト」日記

目を瞑る。びゅうっと風が吹き、火照った頬を撫でる。ぎゅっと握った手を開き、掌が先から悴んでいく。感覚と、記憶を忘れないうちに今までのことを書き留めてしまおう。

さて、日記を始めようか。

今日から仕事始め、しかも新しい職場ときた。準備時間を大いに取ってから現場へと赴こうとスーツのズボンに足を滑り込ませた。滑り込まなかった。アレ、いつものサイズだよな?妙にパツパツでお尻に違和感を感じるが、いつものズボンのはずだ、ハズなんだ…

太った。

悲観している暇などない、そうこうしている内に出発時間だ。私ははみ出たお肉をぎうぎう詰め込んで、指差し確認をしっかりとして外へ出た。

まあまあの長時間人の鮨詰パックの一部となりながら、小説かエッセイかよくわからない電子書籍を読む。こういう時間を有効時間活用するのが人生を楽しむコツなのだ、とちょっとマスクの中で薄ら笑いを浮かべながら目的地まで向かう。

現地。上司に当たる人から会社を案内してもらい、へえ此処が今日から働く場所かあと思うとだいぶ緊張も解れたしモチベーションも上がった。が、「そういえば明日から週4テレワークだよ」と言われた。なんじゃっそら!嬉しいやら可笑しいやらで緊張が無事吹っ飛んだ。

お仕事は色々申請系をやってしまったら、意外とスグに過ぎ去ってしまい就業時間を迎えた。大きく背伸びをしたところに上司より偉い人から歓迎会のお誘いを受けた。できれば金曜日にやってほしいなあと、若干失礼なことを思ってはいたが此処で断ったら男が廃る。ホイホイとついて行くことになった。

行きつけらしい中華屋でとりあえずビールを頼んでグイッと一杯、ちょくちょくタイミングを見計らいながら相槌を打ち飯を食らう。飲み会はリズムゲームに似ているところがあると人生初めての会社飲み会で思う。なるほどですね、凄い、面白いと笑いを扱いながら興味深く人を見ていく。ことの人は自分の話題で楽しんでほしい人だなとか、自慢と自分の話しかしないなとか、失礼なことは言うけれど、嫌味がないからキャラクターで許されてい凄い人だなとか、話の内容も面白かったが人を見るのが楽しかった。

そうこう言っていても人の話をずっと聞いている質ではないので、次第に飽きと疲れが出始める。そのタイミングで嫌味がない人の「一旦区切りましょうか」の一声。上手い、上手すぎる。これが気の利いた人のやることなのだなと思い、もしかすると一番空気を読んでいる人なのかも寄った頭で考えた。

飲み食いしたお金は全額払って貰えるようでそれじゃあご馳走さまでした、と深々とお辞儀を2回くらいした後に、ふらふら、くらくらと駅へと向う。やっとのことさで電車へ乗り、ふうと一息ついたあと電車内の次の駅を示す電光掲示板を見る。

あ、乗る電車間違えた。
これも初めての事であった。

さて、今日の日記はここまで。何時もの奴で締め括らせて頂く。
明日も、乗り切って行きましょう。

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