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道化の本で奮う2023/12/03

出力しないと色々抱えてしまう病の私は、とりあえず休日について書き始めることにする。文体もリズムも無視したこの世界でキーボードと思考に任せながら今日も書いていこうと思う。

はじめに、本があった。いやまあ大したことじゃあない。古書店を目指しぶらりぶうらり足を揺らしていて、一つの店にたどり着いたわけ。そこで目にしたものは小ぢんまりと、そして人によっては古臭くって私にとっては甘美な歴史のある古書たちが並んでいた。その店はデイサービスの店の上にあった。
台湾、ロシア、そのた色々な言語の背表紙が私を出迎える。ああ、面白い。なんという人を形作ったものか!と私は歓喜しながら本に敬意を払いつつ店内をめぐることにした。巡るとはいっても一人暮らしに最適なスぺ^巣くらいしかなかったのだが。いやしかし、私は閉鎖空間日本が敷き詰められている光景が大好きで、もっと部屋が大きく感じたのだが。

で、一つの本に出合ったわけだ。「道化と錫杖」という本だ。SNSのどこかの海で見かけて調べたのたがどうやら絶版らしく、高値で手が出ないなあと思っていたものだった。もちろん古ぼけていてまさに古書というべき様な風体をしていたのだけれど、私の中に稲妻が走った。運命的な出会いを感じさせた。これは、買わなければと思い、その日の散歩を中断してまでお金を引き出せる場所はどこかと小走り回った。

その様は、人から見ればどこか焦りと不安が入りk混じった表情だったと思う。逃したら一生後悔するような気持ちが足を強制的に動かしていた。まるで何かに追われるように、何かの期限が待ったなしの状態で迫りくる様と似ていた。定価4200円。確かに出費は多い。だからなんだというのか。これを逃せばいろいろと不意にしそうな気がして、私は商店街でお金が出せるところを見凝らしまわったのだ。

あった。確かに金が出せる場所が。私は一呼吸おいて5000円を引き出し、また店に戻った。半ばパニックに似た症状だったため道に迷ったのは言わずもがなだったのだが、店に戻ると確かに、その本は存在した。
私は本を手に取り、店員に声をかけた。

「すいません!これいくらですかね!」
「えーと、800円になります」
「へ。。。」

私は値札を見ていなかった。というか、定価を出す価値があると思っていたので店員のその言葉を聞いたときに拍子抜けし、体中の筋肉が弛緩してしまった。

体中の馬力が抜けた状態で私は家へと戻った。まずは前菜として古書を買う前に買った「BIG ISSUE」を読んで気持ちを整え、文字を読む準備運動をした。もちろんこの雑誌も興味深いことには変わりなく、人間の事が書かれていたので面白いの一言だった。

さて、主菜だ。本腰を入れ、ブックカバーを外して読む。先ずは序章だ。
…手が止まった。文体が固いのだ。私は文体が固いのが苦手だ。こうして固い文体で書いていて恐縮ではある。だが、だからこそ読みにくさを知っている。しかしこれよりもはるかに読みづらく、前提知識というられつが濁流のように押し寄せる。一ページ読むのに3分以上かかる代物だった。なにしろ、ユングやハムレット、コンメディア・デッラルテとか昔の歴史も前提条件に含まれている。読書というよりは解読といった方が正しいくらいには難しい。しかし内容は興味をそそられるものばかりで面白い。ユングの言葉の数々ならば聞きかじったことがあったので、何とか読み進めることができているのだが、演劇については聞いた知識やさらッと目を通したものしかない。こればっかりはシェイクスピアやほかの演劇、そして現代で催されている演劇を見に行くしかあるまい。字面で読むのに半年、理解するのに数年といったところかもしれない。でも読書家の血が騒ぐ。面白くなってきた。

さらには内容の中に、自己との共通点や疑問点の解が記されていた。そうして解読していくことは人生がもっと豊かになるのではと考えた。まあいやしかし、人生という言葉を使うのも大雑把すぎるかもしれないが。今はそう考えている。

今日もまたこの本を解読するだろうし人生の共通点を見つめなおすだろう。そして明日以降はまた、気づきや振り返りをこの本やほかの集合知識をもとに紡いでいきたいと思う。

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