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蕎麦屋でポリコレ

先週末、久しぶりに近所の蕎麦屋に行きました。
注文を終えて、スマホなどを除いていたら向かい側の卓から、クレームのような声・・・・・?

「『南蛮』って調べたらすぐに分かるけど、東アジアに対する差別的表現。
ネギを使った料理を指すみたいだけど、ネギはお蕎麦には使うものでしょ。
わざわざこんな名前を使う必要はないでしょ。勉強して下さい」

言われた仲居さんはイミフな表情でしたが・・・・・・

私は蕎麦屋に食事を楽しみに来ているので、余計な一言を言って気分を害したり、不要な議論はしたくないので黙っていましたが、不勉強なのはどっちなんだろう、と。

鴨南蛮とかカレー南蛮とかの南蛮は「ポルトガル」を代表とする西洋人のこととされています。
彼らが戦国時代以降というか、大航海時代以降に日本を訪れた時に、日本の食材を信用できなかったので、ネギを食中毒予防にいつも囓っていたのだそうです。
それで肉をネギと絡めた調理を「南蛮」と呼ぶようになったので、東南アジアを差別するのと意味合いが違います。

南蛮という言葉は確かに差別的ですが、差別された日本人が結果的に料理名としたのが歴史的経緯。それを不勉強に誤解に基づいて蕎麦屋で持ち出すのが野暮で、不愉快な話。

蕎麦屋の主人ともなれば、そんなことは百も承知でしょうが、わざわざ持ち出してお客さんの気分を害する必要もないと、軽くスルーしているのでしょうか。

ポリコレを訴える人が、大概その歴史的経過や文化的折り合いを無視しているのが、なんか納得いきません。
そういうことを考えていると蕎麦は不味くなるので、考えない考えない・・・・・・

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