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新規上場からトレンド分析(地域を繋ぐネットサービス・㈱ジモティー)

新規上場企業する企業は、時代の波をとらえて伸びている企業に違いない。
・・・という前提で、どのような企業が新規上場しているかを見ていくことで、ビジネスのトレンドが見えるのではないかと考えています。
今回は2020年2月にマザーズに上場した、地域のヒト・モノ・サービスをネットで繋ぐサービスである「ジモティー」を開発・運営する企業である㈱ジモティーについて見ていきたいと思います。

1.企業概要

地域別に、「売ります・あげます」「メンバー募集」「教室・スクール」「助け合い」などのカテゴリで情報を交換できるオンライン掲示板「ジモティー」を開発・運営している。
https://jmty.jp/

ジモティー01

(画像は㈱ジモティーのウェブサイト内IR資料より引用)

収益モデルは以下の2点。
①広告配信(アドネットワークを利用した自動配信型の広告をコンテンツ内に掲載)
②マーケティング支援(投稿を目立たせる機能)

2019/12月期決算は、売上12.6億円、営業利益8,800万円。
売上構成において、②マーケティング支援が年々増加し、2020年2月の決算説明会時点では、売上シェア18%となっている。

利用者は、40代以上の子供のいる女性が多いという特徴がある。

2.SWOT分析

強み:
・国内の「地域特化」オンラインサービスでは先行者メリットを享受
・企画・開発・運営一体によるスピード経営

弱み:
・海外へのマーケット拡大が難しい
・収益モデルが少ない

機会:
・コロナにより人口の首都圏一極集中が地方に分散化(地方マーケットの拡大)
・主な利用者層(40才以上の子どものいる女性)のネットリテラシーが年々高まっていく

脅威:
・Facebookのような超巨大企業の進出
・人口減少

3.ビジネストレンド

コロナ後は、オンライン会議やオンラインエクササイズなど、リアルをオンラインにシフトするサービスが増えてきているものの、必ずしもオンラインで完結しないものも依然として多い。
とくに地元における繋がりなどは接触型が多い(送料がかからずにモノを受け渡したり、近所のスクールに通ったり、サークルメンバーを募集したり)。
「ジモティー」はこのようなオンラインで完結しない部分を「地元」というキーワードで繋ぐという、ターゲットを絞り込んだニッチビジネスと言えるだろう。

トレンドを整理すると、
ターゲットを絞りこんだオンラインとリアルの融合。
今後さまざまな形態が産まれ、発展していくだろう。

4.まとめ

たとえば、FacebookなどのSNSを使えば「〇〇地域でサークルメンバー募集」ということも成立するだろうが、Facebookはそれに特化したサービスではない。「可能だが最適解ではない」のである。
そこで、そういった分野に特化した「最適解」を目指すサービスである「ジモティー」が戦えていて、成長できているのだろう。
このようなニッチな戦略をとって、GAFAMのような超巨大企業の小回りが利かない分野で着実にシェアを確保していくビジネスが成長していくだろう。


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