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体験談|長男が「他人の集まりの断酒会が親父の酒を止めたのがくやしい」と奥さんに言ったこと①

西武断酒会 村中正義

私が三年毎日断酒会を回って酒が完全に止まりました。その時、うちの長男が奥さんに「他人のあつまりの断酒会が親父の酒を止めたのが悔しい」と言ったそうです。
息子にしてみれば私の酒を止めるために一家総出で酒をやめさせようとしてきました。
私から酒をとりあげるのは日常茶飯事でした。私が酒を買いに行こうとしたら家族総出で止めました。
私は酒が飲めなくなるのが嫌で抗酒剤を飲むのを止めていました。そうしたら、奥さんの一声で、長男が私を羽交い締めして、次女が私の足をおさえ、長女がスプーンに多少の水を入れ、それに抗酒剤のノックビンを入れといて、スプーンを私の口に持って来て、奥さんが手で私の口を開けさせ、そこにスプーンを差し込むようにしなければ、私は抗酒剤を飲みませんでした。それから、私が金を持っていると酒を買いに行くので、財布、小銭入れ、鍵を取り上げられました。ただ、その当時スイカがお金が入っていることを奥さんたちは知らなかったのです、定期入れだけは取られませんでした。
定期入れのスイカには六千円ほど入ってました。ただ、その当時はスイカで物が買えたのは駅周辺のキヨスクぐらいでした。
だから、夜に酒が飲みたくなったら、家族が眠るのを布団の中に入って待つのです。そして、皆が眠ったのを確認してから、次女の部屋へ行って財布を探し、その中から100円を抜き取るのです。それを握りしめて、裏のマンションの戸からテッシュをとぶくろのあなに詰め込んで、戸が閉まらないようにして、コンビニに鬼殺しを買いにいくのです。一番やばいことをしているのはマンションの鍵をパー(酒を買いに行くために鍵穴を使用不能にした)にしていたということです。私は酒を買いに行ってた時、鍵をパーにしていたということです。そんなことも無視して、酒を買いにいくとは、やはり頭が壊れていたのです。
そういうことを繰り返していると、子供が気づき「家に泥棒がいる」と言われるようになりました。それで、うちの中の人間の財布は管理が厳ししくなりました。
そうしたら、郵便局の保険原本があれば金が借りれることを思い出しました。原本は家のどこに保管されていることは知ってました。それで、その原本を持って郵便局に行くと、簡単に希望の金額を貸してくれました。これで当面は酒代には困らないと思いました。
後は飲んだ酒の空瓶の処理です。そこで、鬼殺しさえ買えば箱をつぶしてどうにか処理には困らないと、当面鬼殺しを買うことにしました。それでも、一日7箱近く飲むのですから、それを家の中で隠すというと、家の家族も探していますからどこにするか苦労しました。そこで、私がやったことは娘たちのコートの中に入れておけば、流石に自分の物は探さないと思って、ふたりの娘たちのコートのポケットに当面は隠していました。
ある日は皆仕事に行ってしまうので、その日に全て回収してゴミ捨てに捨てました。
しかし、隠せないものがあります。毎日私が酔っぱらって顔が赤くなっているわけですから、それだけは隠すこととができません。


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