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健康になったその先で

これまで、健康になることの重要性や、どうやったら健康になれるか、といった話は繰り返ししてきた。では、健康になったその先はどうなっているのか、というのを今回まとめてみた。

健康経営

おさらい:健康とは

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

肉体的健康のためには、適度な運動、バランスのよい食事、しっかりした睡眠習慣が大事です。

精神的健康のためには、越境が重要です。様々なコミュニティに所属し、いろんな人との対話を通して、いろんな価値観で自分を見つめなおすことが、自身の健康と活動の発展に繋がります。

20210121_健康経営について

また、自分の思考に囚われずに受け入れること、あきらめ戦略も重要です。ストレスをあるがままに受け入れて、それを良くするための行動に繋げていくことが重要です。考えても仕方ないことをいつまでも考えずに、できることとを行動するのです。この態度を創造的絶望というそうです。

創造的絶望

社会的健康のためには、儀礼が重要です。日本はタテ社会でできている、その構造は変えられないということを受け入れましょう。その上で、タテ社会をより健康的に生きるための儀礼を実践しましょう。とにかく儀礼を回数こなすことこそが、社会的健康への近道です。

健康になったその先① 個人技を磨くフロー状態

フローとは、自分の持つスキルがちょうど処理できる程度のチャレンジを克服することに没頭している状態。スポーツ選手が「ゾーンに入る」などと表現することもある。このフロー状態に入ることが人生を最も豊かなものにする。

注意を奪われるほどの刺激やチャレンジが起こるのを待っていてはいけない。自らの興味関心をコントロールし、能動的に集中することで、どんな雑用でも面白くすることができる。

昔は労働の中にフロー状態が見出しやすかった。寝食忘れて働いていられたのは、フロー状態に入りやすい適度なチャレンジが山ほどあったからだ。しかし現代は産業が発展して豊かになり、創意工夫を必要としない効率化された仕事が増えた。若者は仕事にフロー状態を見出すのが難しくなり、積極的なレジャー活動に身を投じるようになった。

レジャーでも、テレビを見たりギャンブル(ソーシャルゲーム)など受動・反射的な活動は人生を豊かにしない。スポーツやゲームなど、注意と集中を要する積極的レジャーが良い。健康になったら、受動的な人生をやめて、注意力と集中力を高めて積極的にチャレンジすることが人生を豊かにする。

健康になったその先② 贈与で繋がる絆と連携

贈与とは、何かをあげること。何かをもらった人は、お返ししなきゃいけないという気持ちになる。これは負債のような、呪いのようなもので「ハウ」と呼ばれる。ハウは、いつかお返しして解消しなければいけない。

贈与はお返しをもらうのが目的ではない。お返しを期待するのは交換や投資と呼ばれる取引だ。贈与の本質は、お返しをもらうまで両者の間に関係性が保存されること。お互いがハウの絆によって結ばれること。ハウが原動力となって行動が生まれること。

積極的な贈与で新たな関係を築く、人脈を広げていくことが可能。人脈が広がれば社会的健康である越境もできるし、対話を通して新たな価値の創出にも繋がる。

健康になったその先③ 心理的安全性のある良い風土

心理的安全性というのは、何かリスクのあることに挑戦しても、このチーム内では批判されず受け入れてもらえる、という信頼を担保することで多様なチャレンジを促すものである。特に日本では、以下の4点が重要。

話しやすさ:何を言っても大丈夫
助け合い:困ったときはお互い様
挑戦:とりあえずやってみよう
新奇歓迎:変なやつ、目新しいこと、どんとこい

重要なのは、心ではなく行動にフォーカスすること。自分の思考に執着せず、変えられないものを受け入れる(創造的絶望)。そして大切なものに向かって行動すること。チャレンジすること。

何か行動をしたら、すぐにフィードバックするのが重要。望ましい行動を増やすフィードバックを好子という。褒めること。好子によって行動を促進することが心理的安全性を育む。

行動を減らすフィードバックを嫌子という。叱ること。嫌子で人を制御しても、意欲は落ち、叱られないように隠しごとをするなど望ましい行動に繋がらない場合が多く、心理的安全性は損なわれ、生産性は落ちるということが分かっている。

この心理的安全を担保していくには健康が重要となる。精神的健康が足りなければ、自分の思考に執着して、多様性を持つ他人に対して寛容になれなくなる。正義感が強くなり、間違いを正したいという気持ちは嫌子を生む。

健康になったその先のまとめ 妖怪と徹子と飼育員

妖怪というのは、自分なりのフロー状態を見出した人間のこと。他人から見るとどうしてそんなことに熱中できるのか分からない、でも自分にとっては何よりも楽しいことで、思考と行動が加速していく状態。そこに全く苦痛はなく、ゼロコストで何でもできると感じる。

徹子というのは、相手に対して誠実な関心を向けて話を聞く人のこと。自分の思考に囚われず、相手の話をフラットに受け入れる精神的健康が必要となる。その上で、自分の価値観というレンズを通して、誠実な問いかけをするのが良い徹子である。

飼育員というのは、不健康な人を健康に導く人のこと。徹子と近い存在で、これも相手への誠実な関心とフラットな受け入れが重要。ネガティブな思考は受け入れつつ、行動を示すことでより良い方向へと導く。決して叱ることなく褒め続ける、聖母のような寛容さが必要。

これまでの議論をまとめたのが以下の図になる。

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ということで、健康になったら、自分のフロー状態を見つけて没頭しつつ、後輩たちのために心理的安全なよい環境を提供するのが望ましいと言えるでしょう。みんな頑張りましょう。

追記:2021年5月31日

スラム内での健康の取り扱い方がまとまってきました。

1)まず健康になろう。じゃない破滅する
2)少し健康になったら、健康を損なわないゼロコストで量を貯めよう。繰り返すとレンズが磨かれる
3)健康になったら群れでレンズを交換したり、くらがりチャレンジをしたりして、世界を少し広げよう
4)戦えるところを見つけたら「試合」でゼロコストに燃料をぶちこんで200km出して価値を出そう。午後は健康を回復させよう

自分がどのフェーズにいるかを確認したい場合は、以下の問いを参考にしてみましょう。

1)晴れ晴れとした日曜日を手に入れていますか?
2)自分の「健康を使う活動/使わない活動」を言語化できていますか?
3)最近、自分の積み重ねた知見で他人に新しい世界を見せたり、他人の知見で驚いたことはありますか?
4)自分が健康を使わないでできる活動が、他人の時間を20倍以上大幅に節約できるような領域を見つけていますか?(試合)



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