見出し画像

コミュニティを繋ぐインタープレナー ~Industry-Up Week Autumn 2021

今日紹介するのは、インタープレナーに関するパネルディスカッションです。コミュニティってなんだろう、会社とか組織とは何が違うんだろう、どんなところが魅力だろう、などについて語られていました。

インタープレナーというのは、組織の枠を超えていろんな分野と繋がっていく人のことです。SUNDREDが主催する今回のイベントについては以下をご参照ください。

Q1. コミュニティが持つ価値とは?

組織とコミュニティの違いは、雇用などの重たい契約がないので、柔軟に集まってパワーが出せることです。気軽に入れる、気軽に繋がれることがコミュニティの強みです。組織人としての発言には責任を伴うのでなかなか本音を出しづらいところがありますが、個人として参加するコミュニティならいろんな人とフラットに繋がって、自分の本音をさらけ出しやすいです。

特にインタープレナーの集まるコミュニティには5つの源(情報源・視点源・対話源・熱量源・協業源)があるのではないかと考えられます。

画像1

新産業創出においては、この中でも特に熱量源としての役割が重要ではないかと思います。組織に所属していると、熱い想いも次第に冷めてしまいます。いつまでもグツグツできるのは仲間がいるからです。

自分が失敗して落ち込んだときも、いろんなコミュニティと繋がっていれば、あちこちに相談したり、助けてもらったり、いろんな視点で見てもらえて、多様性を得やすいです。精神的なつながり、居心地の良さや、みんなで一緒にがんばること、共有することによる駆動力もあります。これらもコミュニティの持つ価値でしょう。

Q2. コミュニティが繋がっていく意味とは?

5つの源でいうと、視点源と協業源が大きいです。組織のつながりではどうしても同質性が強くて発想も行動も狭い範囲にとどまりがちです。全く違う分野の人とコミュニティで繋がれば、アクションの幅が広がります。いろいろな性格のコミュニティが乱立して、相互に繋がり合ってネットワークができると、加速度的に世界が広がっていきます。

コミュニティの価値はこうした加速度的な広がりを持てること、そしてその繋がりを通じて新しい価値を生みだせることだと思います。気付いたら、自分の知らないところでポコポコ新しいプロジェクトが生まれて動き出していく、そうしたカオスな化学反応を身近に肌で感じられることがコミュニティの醍醐味です。

そうやって多様な人が集まって生まれる知恵は、複雑な社会課題をも解決する天才的発想(コレクティブ・ジーニアス)を生みだすかもしれません。

Q3. 所属したいコミュニティが見つからないときは?

あなたが作るんです!

自分はこういうコミュニティがあったらいいのに、と思うのであれば、きっと同じ思いの仲間がどこかにいるはずです。だからコミュニティを立ち上げて仲間を募りましょう。

みんなポジショントークばかりでなかなか本音を言えない世の中なので、本音の自分をさらけ出せる場はとても重宝されます。できないと思ってはいけません。同じ思いの人が自然と集まってコミュニティは生まれるのです。

Q4. 同じ思いの人が集まると同質的コミュニティになるのでは?

コミュニティの目指す目的に対しては同じ思いを持つ人の集まりでも、その人たちがもつバックグラウンドは千差万別です。

そうはいっても、確かにコミュニティによって特性や相性が出てくるでしょうし、排他的な要素も持ってしまうかもしれません。閉じたコミュニティは次第に不活性化してしまうので、やはり多様性を大事にして受け入れていくことが重要でしょう。

そのためには、まず個人が多様性を受け入れること、そして自分の中にも多様性を持つことが必要かもしれません。

感想

最近は「オーガニゼーションズ」という公式組織の仕組みについて書かれた本を読んで勉強しているのですが、革新を起こす部署というのは、社外との接点をもつ最も不確実性の高い部署だと言われています。

その社外との接点を持つことに特化したのがコミュニティだとすれば、それは確かに様々なイノベーションを生み出せるわけだ、と納得しました。

しかし、逆に考えるとコミュニティの弱点である「実働部隊がない」、すなわち「アイデア出しは盛り上がるけど実現しないで終わる」という点を乗り越える必要があるともいえます。オープンイノベーションなどで成功している方々は、皆さん実行力・実働力が非常に高く、個人の力でその壁を乗り越えていると感じました。

実行力の高い皆さんは、一人でも自分のやりたいことを実行できるから、不足しているアイデア出しの部分をコミュニティで補完することでイノベーションが成立します。では実行力のない人はどうしたらいいのでしょう。

その答えは、やっぱりコミュニティに参加する、になるのかなと思いました。一歩遅れた感じにはなりますが、実行力のある誰かに巻き込まれて、自分はその人の手足となって実働を補助する、そういう形でも貢献できることはたくさんあると思います。でも、まずはそういう人たちと出会う必要があり、そのためには不確実性の高い異分野コミュニティに飛び込むしかないんだろうな、と思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?