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ツェッペリンのお宝冊子は3万円以上「ロック好きオヤジ」が集まる古本屋

日本を代表する古本屋街の東京・神保町に、ヘビメタ好きの店主が営むロックな古書店があります。地下鉄・神保町駅から歩いてすぐの「ブンケン・ロック・サイド」。1960年代・70年代の洋楽好きの貴重な情報源だった『ミュージック・ライフ』など、ロック好きにはたまらない音楽雑誌が2万冊以上並んでいます。

店主は、ロッカーのような黒ずくめのファッションに身を包んだ山田玲子さん(57)。30年ほど前、父が営んでいた俳句専門の古書店を引き継ぎ、メインテーマをロックに変えました。以来、そのスタイルを維持しつづけています。(篠原諄也

※この記事は2018年5月23日、ひとりを楽しむメディア「DANRO」で公開されました。

11歳でロックの魅力にとりつかれた

ロックの原体験は、アメリカのバンド「The Doors」。11歳のとき、家の向かいのレコード屋から曲が漏れてきたそうです。だんだんそこに入り浸るようになり、店に来る大人に音楽を教えてもらいました。

「70年代はKISSやエアロスミスの全盛期。一番いい時代だった」。高校生になると、バンドを結成してボーカルを担当。当時流行していた「シーナ&ロケッツ」をカバーしました。しかし、その後は音楽の道には進まず、美容学校で総務の仕事をしていました。

赤い看板が目印の「ブンケン・ロック・サイド」

転機は1989年。父親の古書店が新大塚から神保町に移転しました。それを機に、20代後半だった山田さんも店に関わることになり、空いているスペースでロックの古雑誌を売り始めました。

「俳句や一般古書だけではやっていけないと感じていたんです。ロックが好きだからやっちゃおうかしらと思いました。父には『好きにやっていい』と言われましたが、『どうせ、すぐ失敗するだろう』と思っていたようです」

実際、いざ始めたものの、音楽の古雑誌を売るのは苦労の連続でした。まず、収集をするのが大変。雑誌を集めている友達から買い取ったり、神保町の交差点でチラシを配ったりしながら、地道に集めていきました。

現在、店内にある雑誌の数は約4万冊。その内訳は、6割が音楽、3割がアイドル・女優、残りはサブカルチャー系とのこと。「『平凡パンチ』や『スタジオボイス』でも、音楽の特集をやりますよね。雑誌はつながっているので、厳密に分けるのは難しいですね」(山田さん)

「35000」の値札がついたレッド・ツェッペリンの初来日パンフレット

店内でもっとも高価なのは、レッド・ツェッペリンの初来日パンフレットで3万5000円。「これは発行部数が少なくて貴重です」といいます。

山田さんが特に思い入れのある雑誌は、昭和の洋楽シーンを盛り上げた『ミュージック・ライフ』(シンコー・ミュージック発行)。10代のころ、父親の書店から持ってきてこっそり読んでいたそうです。

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