見出し画像

私たちの“心が開かれていった”時間ーーDANRO Spring 卒業生インタビュー

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Spring』が2024年6月に最終回を迎えました。

今回は、卒業生3人の対話形式でお届けします。

左上)まあこさん、右上)まいさん、下)ねおさん

まあこ
社内メンターやマネジメントをしていく中で、自分自身と向き合うことの難しさを実感しDANROへ。
ねお
保育士を退職し、フォトグラファーとして活動中。今回が2回目のDANRO SCHOOL。
まい
17歳と6歳の子の母。フリーランスのWebライター・インタビューライター。

DANRO Spring 参加へのきっかけ


まあこ:
私はメンターの若曽根さんつながりでDANROを知りました。知人の知り合いで、お食事行ったご縁があったんです。

仕事の10年目を迎えた節目でふと振り返ると、目の前の仕事ばかりしてきて自分自身と全然向き合えていないことに気づいたんです。

自分のことは何も知らないまま10年経っちゃって、仕事ではメンターの役割も持っていて人のことはわかる、でも「自分のこと何もわからない!10年経っちゃった、どうしよう」という焦りが急に始まったような感じです。

それをなんで若曽根さんに連絡したのか自分でもわからないのですが、LINEで今こういう気持ちですと相談したときに、DANROを教えていただきました。とりあえず説明会を受けたのですが、翌日にはすぐに申し込んでいましたね。

ねお:実は、私は以前DANRO Winterに参加していて。

まい:えっ!そうなんだ!?知らなかった!(笑)

ねお:言っていなかったかもしれません(笑)。それから1年以上経ち、会社を退職することになったんですよ。その翌日にわかさんとお話するご縁があって、これはもう一度参加するのにも良いタイミングなんじゃないかと思って!今回が2回目の参加です。

まい:1回目と2回目で感じることは違いましたか?

ねお:1回目は、まずDANROをそもそもどんな場所かあまり知らない状態で参加したんです。自分が元々入っていたサロンが終わるタイミングで、当時Winterの応募が始まったから、また次も何かに入りたいなぐらいの軽い気持ちで入ったんですよね。

だから「こんな空気感なんだ」っていうのをまず体感できたのが1回目、という感じでした。2回目は自分の環境も変わったこともあるから、より集中できましたね。

DANRO Springのみんなと

ねお:1回目でもうDANROの空気感や喋りやすさ、みんな受け取ってくれるんだろうなというのは何となくあったからこそ、より自分を開いて皆さんと対話できたかなっていうのはありますかね。

まい:私もDANROの一期生から卒業インタビューをさせていただいているのですが、ファシリテーターによって内容が異なるのですよね。となると、2回目のDANROでも新たな発見がありそうです。

ねお:以前のDANROに比べてカリキュラムもさらにパワーアップしていて驚きました!ウェルネスセッションが追加されていたのも、その一つです。


DANRO Springで印象に残っていること


ねお:私はアートワークですね!もともと説明会でも和花さんは「今回はこういうのもあるよ」と言っていて、そこに惹かれて参加したのもあるんです。

実際にやってみて、言葉に出てこない想いや、まだ言葉に出てくるゾーンに入ってない部分を絵で表すのが新鮮な体験でした。

非言語の領域をアートで表現していく時間

ねお:同じ「これについて書きましょう」と描き始めたのに、みんなが書いたそれぞれの絵が全然違うのにも驚いたし、それに音を合わせるみたいな感じで表現するのもおもしろい体験でした。いろいろあるんですが、一番はこれかなぁ。

まあこ:私もいろいろあるのですが、その中の一つはDANROの時間の前に必ず行われる「チェックイン」の時間でした。

今は仕事でも、5人以内のミーティングであれば必ず最初にやるようにしているんです。みんなの今心がどこにいるのかがわかる状態でミーティングを始められるので、めちゃめちゃいいなと思って。

それで、ミーティングに入ってたチームの子が他のミーティングでもやり始めたみたいで。素敵な輪が広がっているんです。

まい:良い循環が起きているんですね。

まあこ:そうなんですよ。他に印象に残っているのは、ファシリテーターの世太さんが「最高だね〜」とよくおっしゃっていたことですね。

最高って最高の言葉だなと思って。どんなことに対しても「最高だね」と受け止めていたことがとても心に残っていて、私もそういう口癖を持とうと思いました。

まい:今日もチェックインして、久しぶりにDANROの空気感を思い出しました。確かにそのときのメンバーの心境をわかった上で、対話やミーティング始めるのって、深さが全然違ったものになるんだろうなと思う。

そのつながりで言うと、初回のDANROで「ちゃん付けで呼ぶのは日本だけの文化」という話があったじゃないですか。誰かがせいちゃんと呼んで、メンターの晋太郎さんが「今回はしんちゃんでいきます」と言っていたその空気感がすごく良いなと思って。

私も講座の講師をやらせてもらっているんですが、ちょうどそのとき同じ4月から始まったタイミングで、みんなをちゃん付けで呼ぶようにしたんですよ。

そうしたらやっぱり打ち解けるのが早いような気がしたし、講座生同士もちゃん付けで呼ぶようになってすごく仲良くなっていたように思って、よかったな〜と。

ねお:チェックインをすることによって、みんなの現在地を共通理解できることもいいし、自分自身もチェックインしながら「自分が今こういう状態なんだ」と振り返ることができたのもすごくよかったなと思います。

日々忙しくしていたら、一度立ち止まって今自分がどういう状況なんだろうと改めて考えることってなかなかない気がして。

まい:確かに。当時、特に仕事が忙しくて、本当プライベートでは全然振り返る時間はなかったんです。でもDANROの時間だけはゆっくりと時が流れているように感じられたし、自分と向き合える時間だった。すごく贅沢ないい時間だったなと今振り返っても思います。

ねお:あとは「今日この時間が終わるとき、どんな状態でいたい?」という毎回の問い!それは今も継続しています。

例えば夜寝る前に今日何があったかをワーッと書いて、明日どうなっていたいかも書くようにしたら、結構それに近いように自分が動く感じがして、勝手に。これもなんだかすごく学んだことというか、印象に残っているなって今気づきました。

まい:あれも初回の衝撃でした。そのとき、自分の思ったことを素直にそこに書くっていうことすらあのときの私には、ちょっと抵抗があるというか、素直にできるものではなかった。

でも一旦出してみたら、本当にその2時間後にその気持ちになってて、すごいと思ったんですよね。そんな成功体験の繰り返しで徐々に素直に書けるようになっていったのも、ねおちゃんと同じくあるしれないなと思いました。

ねお:うんうん、あれはすごくよかった!


まあこ:カラカラのグラスで、他人を満たそうとしていた

まい:1回目のDANROのグループセッションでまあこちゃんと一緒になったときに「自分が言葉に出していることが、本音なのかどうか自分でもわからない」と言っていたことにすごく共感したんですよ。

それについて、当時はどんな気持ちで、今はどんなふうになったかという変化も聞いてみたいなと思っていました。

まあこ:本当にあのときは「自分がこう言わないといけないな」とか「そう言ったら多分相手は嬉しいだろうな」というのが先行して、自分から湧いてくる想いというものに全然実感がなくて。

初回からめちゃめちゃ湧いてくる言葉を口にしているメンバーもいたじゃないですか。すごいな、どうやったらそんな湧いてくるんだろうと思ってしまったんです。

まい:なるほど!そういう背景もあっての言葉だったんですね。

まあこ:でもどれぐらいからだろう、絵を描いたこともそうだし、みんなが本当に受け止めてくださるから、なにも自分を演じなくていいんだと思えたんです。

それで4回目くらいかな。ちょっとずつ「何か湧いてくる」のが感覚的にわかってきて。話していたら「こっちが自分の言いたかったことか!」みたいな感覚を実感してきたという。

DANRO Springの歩み

まい:「他人軸だと思っていたのに、本当は自分の中に軸があるタイプだった」というのも、最後の方でおっしゃってましたよね。

まあこ:人のために、誰かのために、ということで喜びを感じるタイプだと信じていたけれど、違うのかもしれないと思ってきたんですよ。

最終的にたどり着いたのがシャンパンタワーのイメージなんですが、自分のコップを満タンにして、それが溢れたものを誰かにキャッチしてもらうのが理想だなと。

自分がカラカラなのに、他のカップを満たすことを望んでるわけじゃないと気づいたんです。

ねお:すごくわかるなぁ。

まい:以前は、自分のグラスはカラカラなのに、周りにばっかり注ごうとして枯渇しちゃってた感じだったんだね。


ねお:今も葛藤中ーーでも、変わっていくきっかけをたくさんもらえた

まあこ:「言葉に意味をつけすぎない」ということを世太さんがおっしゃいっていて、言葉に意味付けすぎてたなとも感じました。それも「湧いてこない」理由だったかもしれません。

まい:例えばどんなこと?

まあこ:すべてのことを考えすぎていたんですよ。考えすぎるから湧いてこない、いらないものが入ってくるから、こうやって言った方が喜ぶかな、という考えに支配されて。

一旦意味を考えずに、湧いてきたものだけ喋ればいいのかと気付けました。

まい:確かに意味を持たせすぎると「これ言ってもいいのかな」「これどう思うかな」って思ってしまうかも。大人になるとそういうところって、誰しも抱えている部分なのかもしれない。

ねお:私も「言葉に対して意味を持たせてしまう」という言葉が当時すごく刺さりました。孤独=寂しいというマイナスな意味づけをしてしまう。でも実はそういうわけじゃないよね、という話をされていて確かにと納得して。

でもどうしても、今までそうして言葉に自分の中で意味づけして生きてきたから、なかなか抜けないなっていうのをすごく今感じているし、ぶつかっている壁でもあります。

友達や家族の会話でも「それはどうなんだろう?」と感じることも、自分がその言葉に対する意味づけを勝手にしているから、そう思ってしまうんですよね。

あとは「自分とイライラしている自分を同一化しないで、そういう自分が“ただいる”よね」という捉え方ができたらいいなとメンターの智也さんが説明会で言われていたことが今でもすごく覚えている。

でも、そうしたい、そんな自分になりたいと思っていてもなかなかできない。感情に自分をぺたっとくっつけてしまうことをずっとしてきたから、その癖が抜けなくて今もそこと戦ってるって感じなんだけど。

まい:もしその視点を知らなかったら、多分ただただ嫌な気持ちになったなって終わっちゃってたと思う。

ねお:うん、そういうところですごく頑張ってるっていう感じで、変化だなと感じます。

DANROが終わって1ヶ月経って、学んだことが当たり前になりかけているからこそ、もう今気づけないみたいことも多分あると思う。でもそれくらいたくさん、自分を変えてくれるきっかけがすごいあった時間でした。

まあこ:今のねおちゃんが言ったきっかけをもらったっていうのが、すごくしっくりくるなと感じました。

もちろんDANROの3ヶ月全部変化するかって言ったらそうじゃなくて、まだまだ過程の途中みたいな、みんなそんな感じだと思う。でも、変わっていくきっかけをそれぞれを得られたって素敵なことだよなと思います。

まい:シンプルな言葉で、心が通い合った瞬間

まい:言葉に意味を持たせ過ぎているということで思い出すのが、メンターののあさんとのセッションかな。私自身言葉が好きで、考えるタイプだからこそ、ちょっと複雑にしすぎてるかもしれないという気づきがありました。

具体的に言うと、私が今回参加したきっかけの一つに、16歳の長男と今後もっと人として付き合っていけたらと思ったことがあったんです。

私は日常の中で褒めているつもりだったけれど、少し喧嘩になったときに「全然褒めてくれないし」と言われて「え!私褒めてたのに!」と衝撃を受けたんですよ。

のあさんと話して気づいたのは、長男は多分もっとシンプルな言葉で褒められたいんじゃないかということ。6歳の次男には「すごーい!」と言えるのに、16歳になると、褒めるのにも意味づけをしないといけない気がして。

ねお:うんうん、わかります。

まい:単純に「すごいじゃん!」とかじゃなくて、こうこうこうだから頑張ったね、みたいな(笑)すごいまどろっこしい伝え方をしていたんです。

長男はシンプルに物事を捉えるタイプの子なので、単純なすごいねとかがきっと欲しかったんだろうなとわかっても、それこそここまでそれで来ているからいきなりシンプルに褒めるのも気恥ずかしくてできなくて。

そうしたら、のあさんが「長男と良いところを言い合うゲームをする」っていう提案をしてくれたんです。ゲームだったら素直に言えるかもしれないと思いました。

言い出すのに勇気は必要だったけれどで、長男も機嫌がよかったのか「いいよ」と言ってくれて。その時間の中では「おもしろくて人を楽しませられるところ」というふうに、シンプルに伝えられたんですよね。

お互いに良いところをただ言い合うことを5往復ぐらいしたときに、二人とも自然に笑顔になっていたし、心も温かくなっていることに気づきました。心が通い合う感覚をしっかりと実感できた瞬間でしたね。

ねお:めっちゃ素敵なゲームですね。家族の存在は当たり前になっているから「そういえばこういうところが良いところだな」と再認識できそうですよね。

まい:本当に。反対に「そういうところいいと思ってくれてるんだ」という気づきもあって、すごく嬉しかったですね。


DANROはどんな場所?


ねお:「温かい対話」「心が開かれる」そんな感じのワードが思い浮かびます。

世太さんたちが雰囲気を作ってくれる。チェックインでも、みんなが「うんうん」と、自分の言葉を受け止めてくれる。

そんな安心感があったからこそ、自分のありのままの言葉をが出てきやすい場所でした。

まい:わかります。「開く」という表現、すごくぴったりだなと思う!初回はやっぱり緊張していたけれど、最後にはもう全く緊張せずに、どんどん思ったことを話せるようになった。

胸のあたりがこう、開かれた感じがする。ガチガチになっていたのがふわーって。

まあこ:うんうん。私も、ワードで挙げると「温めてくれる」とか「安らぎ」かな。

どんな場所というか、どんな仲間かいうと「みんなで一緒に旅をした」感じがします。旅なのか、マラソンなのか遠足なのか、同じもの一緒に感じたり、見たりしてきた仲間。

DANROは、自分の言葉や価値観を温めてくれるような場所だと感じています。

まい:素敵!まあこちゃんの言葉を聞いて、一緒に観光バスに乗っているイメージが思い浮かびました。乗り合いだから全然知らない人たちが乗っているんだけど、同じ経験、感動体験とか共有することで、バスツアーが終わる頃には自然と仲間のようになっている。

「Spring」だったからか、季節は本当に雪解けのときのような。寒い冬から春になって、心が自然に温まったと感じました。

新たな芽吹きを感じたDANROの時間


深呼吸ができる、DANROの時間


まい:じゃあ今日も、最後にチェックアウトをして終わりましょう。

ねお:さっきまでバタバタして自分の魂がどこかへ舞っていた感じだったけれど、それがようやく体の中に戻ってきてやっと地に足ついた状態になれました(笑)。

それから久しぶりにDANROのメンバーとこうして対話をして、やっぱりDANROの空気感はすごく心地いいっていうことを再確認できた!

DANRO SCHOOLで学んだことが、こう振り返ることで「これもか、これもか!」っていっぱい出てきて。改めて自分に変化を与えてくれたというか、いろんなきっかけを与えてくれた3ヶ月だったことに改めて気づくことができました。

いろんな意味で幸せな時間でした。ありがとうございました。

まあこ:忘れかけていたけれど「そうそう、これこれ!」という久々の感覚を思い出しました。深呼吸しているような、しっかり息ができている時間。そういえば最近息していなかったな、と気づきました(笑)。

心地いいってこういうときに使うのか!というくらい、心地いいという言葉がこんなにドンピシャで当てはまることあるんだなというくらいの時間。今日もありがとうございました。

まい:私も、久しぶりにお2人とお話して、DANROはすごいゆっくり時間が流れるなっていうのを改めて感じたしすごく心地よかったし、これからも二人と関わっていけることをすごく幸せに思いました。これからもよろしく願いします!


\実践型対話スクールDANRO Autumn詳細はこちらから/

DANRO SCHOOL Autumn説明会への申込は、公式LINEより【スクール説明会】とお送りください。


DANROについて

「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
HP / Instagram

インタビュアー・記事/山中麻衣
「想いをつなぐ」取材・インタビューライター。その他企業と読者をつなぐwebライティングも。
公式noteは<こちら>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?