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52歳 バツ2男と高校野球(その1)

52歳 バツ2男 2回目の離婚を機に新しいことにチャレンジしたい
と言う思いからユーチューブで自分のチャンネルを開設!
好きなアニメのシーンを刺繡する動画配信を公開中
次にnoteを始める、「文章を書くと人は成長できる」と言う言葉を
信じて、こんなダメダメ50代男でも成長できるのか実践中


今、各地で繰り広げられている熱い夏の戦い
高校野球!!
甲子園を目指しての予選大会がはじまっている!

いくつ歳を重ねても・・・まるで昨日のことのように思い出してしまう

なにを隠そう僕も高校球児として甲子園を目指し汗と泥にまみれていた
一人である

小学3年生から野球を始め、夏になるとテレビの真ん前を陣取り、左手に
グローブをはめ右手にボールをつかみ、ワクワクしながら観ていた
夏の甲子園!!
特に地元の高校の試合になると声を張り上げて応援していた・・・
全く知らない 「○○高校の兄ちゃん達」なのに試合を重ねるごとに
しっかり名前も覚え、
勝った日には次の日の地元の新聞はプロ野球並みにデカデカと報じる
「○○高校の兄ちゃん達」がプロ野球選手と同等のスターになる瞬間だ

そして、いよいよ自分も高校生になり・・・ かつてあこがれた「○○高校の兄ちゃん達」に成るべく甲子園への第一歩をふみだす

しかし現実は かなり厳しかった・・・
野球部に入部した1年生は70人ぐらい居ただろうか
中学時代試合したヤツもいれば、試合はしたことはないが、名前は
知っているヤツ、強い中学から来たヤツ、こいつ同じ1年生かっ と思うようなデカいやつ・・・
こいつら押しのけて俺はレギュラーになれるのか?
甲子園への第一歩を踏み出す! なんてカッコイイこと言っときながら
初っ端から自信がなくなる
しかし今思えば、同級生を見て自信がなくなるなんて、まあ~中学生気分も
いいとこで、ここからの3~4ヶ月は・・・
もう甲子園なんてどうでもいい!!
と思うほど、きつく苦しい日々だった・・・

ボール、グローブ、バット・・・・?
投げる、打つ、守る・・・?

野球の練習どこいった~!!!

ここはどこ?・・・
軍隊か何かの訓練ですか?

・・・と錯覚してしまうほどのトレーニング・・・?
これはほんとにトレーニングか?

グランドの端の方で1年生だけ集まり、大きな声で数をかぞえながら
腕立て、腹筋、背筋、スクワット、素振り、これを1セットとして
(数は忘れたな~50回づつぐらいだったかな)
これを何セットも繰り返す・・・
もう日が暮れ始め、あたりが薄暗くなってきた時ようやくストップの号令
もちろん終わりではない・・・
ここから、坂道ダッシュ30本、階段駆けのぼり30本、そして最後に
近くにある山越えのランニングコースを1周・・・

もう へろへろ・・・家に帰り着くのは夜の10時ぐらい・・・
これが毎日続くのだ・・・ユニフォームはいつも泥だらけ
しかしダイビングキャッチやスライディングで汚れるのではない
大量の汗をかきながら、腹筋や背筋を何百回もやる泥だらけなのだ
腹筋のやり過ぎでお尻が擦れて血がにじんでくるし
汗は蒸発し粉をふいている・・・舐めたら、しょっぱい!
素振りも重い竹バットで何百本も振るので、しんどいし、豆ができては潰れ
げきては潰れの繰り返し、まともに振れない(それでも振る!)

今から35,6年前のことだか水分補給なんて概念はまだない時代
もう喉カラカラで地獄・・・脱水症状で倒れる友達も当たり前にでる
「俺たちも倒れようぜ!そしたら水が飲めるぞ」
きつ過ぎて、こんな思考になってくる・・・・でもそう言ってわざと
倒れたヤツなんていない・・・みんないいヤツ
(前回書いた「筋トレ」の記事で腕立て10回がやっとでショックだった
とかいたが、その根拠がこれで・・・卒業して何年経とうが、どんなにお              腹が出ようが、どんなに運動不足になろうが、この時、気が狂うほど筋トレしたと言う思いがあるので、30回は余裕だろうと思っていた)

まだまだ試練は続き・・・更に厄介なことが・・・・・・
そう・・・先輩からのシゴキだ!
毎日ではないが、頻繁にその日はやってくる・・・
これだけハードなメニューをへろへろになりながらもこなして、やっと帰れると思った矢先・・・
1年全員ちょっと来い!(めっちゃ怖い声)・・・お呼びがかかる
2年の部室に行くと、2年生・・・みんな竹刀をもって待ってます
中学時代は先輩とも仲良しこよしで過ごしていたため、高校に入ってからの
この激烈な縦割り社会の厳しさは、ショックだった!
先輩の怒号と振り乱れる竹刀に、足が震えて、恐怖で腰が抜けそうだった

  ウチの高校は県下でも歴史のある、いわゆる伝統校!
  かなり評価の高い工業高校なのだが
  こう言う闇の伝統も代々受け継がれてしまう・・・

先輩に対しての言葉使い、あいさつの徹底(野球部独特なあいさつ)
どんなにきつくても機敏な動き、用具の整理、大きな返事・・・
その他色々たたき込まれる、
どれか一つでも先輩の意にそぐわなければ、またシゴキの対象となる

今は大問題になるので、もうシゴキなんてないと思うが
僕の時代は、当たり前だった
おそらく先生も知っていて黙認していたと思う

練習きついし、先輩怖いし、部活以外も気がぬけないし(常に先輩の目を気にしてビクビクしている)

これがあのテレビで観た、あこがれた甲子園で活躍していた「○○高校の兄ちゃん達」の実態なのか・・・自分の描いてたイメージと今、過ごしている
現実のギャップが大きい過ぎて、野球そのものにも興味を失いかけていた

俺は野球が好きで、野球がしたくて、甲子園に行きたくて
野球部入ったのに、なんだこれは、野球なんてできないし
そもそもこんなにビクビクして、ビビリながらするスポーツじゃねーだろ っと 一人で怒っていたのを思い出す・・・

実際この1,2ヶ月の間に1年生70人いた部員は30人ぐらいに減っていた・・・

何とか残ってはいたが、正直、もう辞めたい気持ちの方が大きかった
人数は減ってもハードなメニューには変わりないし、
先輩からのシゴキも続いた(しかし・・・少し慣れた)

そして辞めていった同級生が授業が終わるとすぐニコニコしながら
帰っていく姿をみると「いいな~もう家に帰れるんだな~、帰りに
アイス食えるんだよな~、ジュースも飲めるんだるな~、もうキツイ
練習しなくていいんだよな~・・・いいな~」
とても幸せそうに見えて、自由なのが羨ましいかった
俺も先生に「辞めます」って言えば自由な高校生活を手にいれられるんだ


この時期は、かなり追い詰められた気持ちになったことを覚えている

なんとかしがみついていけたのは、残った同級生同士で励ましあい
支えあい、お互い鼓舞しあい、・・・
おかげで、踏みとどまり頑張ることができた
その同級生達とは今でも親友で、会えば必ず、「あの時はキツかったな~」
と笑って話すことができる・・・

ハードな練習に耐え、先輩のシゴキに耐え、・・・お互い嫌いな先輩の悪口をいい合い、好きなタレントのいいところをいい合い、バカ話をして笑い転げ、・・・仲間と結束は深まっていった

さすがに2,3ヶ月も経つと、要領を得てきて、知恵を働かせる程の
余裕がでてくる
まず、うまく数をごまかす、隠し水をつくり交代で飲みにいく、
うまく先輩の死角になるように2,3人で壁をつくり順番に休む
先輩たちも、ここまで耐えて残ってきたことに多少の信頼感が生まれて
いるのか、だいぶ監視の目が緩んできている

実は家に帰っても野球部の宿題があるのだ
それはボール縫い!
硬球は皮を糸で縫い合わせている、練習で使いこまれたボールは糸が
ほつれて切れてくる・・・切れてしまうと使い物にならなくなるので
その前に糸が切れそうなボールや少し切れてしまっているボールは、糸を
縫い直して補修して、ボロボロになるまでとことん使う
一人10球ぐらい持ち帰り縫う!
当然、下手くそだから時間がかかる、これまた明日まで仕上げないと
シゴキの対照だから必死だ!
朝までかかる・・・
ボールに限らず道具は大切に使います(これは素晴らしい)
バット、ヘルメット、・・・毎日ピカピカに磨きあげます
ゲージなどのネット類も破れたらすぐ補修、バッティングマシンの手入れも念入りに、(全て僕ら1年生の仕事です)
(これら全て朝早く来てやったり、早弁して昼休みにやってます)

そして野球部1年!・・・授業中 寝れません!
なんと授業中にも仕事があります・・・・
それはボール磨き!!!
新しいボールが練習に出ます、新しいボールはなるべくその新しさを維持するために手入れをしなければならない、
そこで磨く、家に帰ればボール縫いがあるので、もう授業中しか時間がないのです!(笑い)
このボール磨きのアイテムは・・・なんと消しゴム
新しい硬球の汚れは消しゴムで擦ると、あら不思議、キレイにとれピカピカ
授業中、野球部は先生にバレないように、ひたすら消しゴムでボール磨き
クラスのみんなも解っているから、俺らの姿みて笑っている
俺らは、これもシゴキの対照だから必死!
またその必死さが、面白かったらしい・・・
あ~懐かしい


高校になると土、日はほとんど試合だ!
大きな大会は、しっかりした球場で試合が行われるのだが
小さな公式戦や練習試合は各高校のグランドで行われる
試合が組まれると めっちゃ嬉しい・・・なぜなら 楽だから


1年生は忙しい、ベンチの設営(テント張り)、ライン引き、スコアボード
の準備、ボールの確認、審判(練習試合の場合)
これらのこと全て1年生、みんなで段取りよく、機敏に、サッサッサッと
やっていかないと、少しでもモタモタしていると後でお呼びがかかる

試合が始まれば、数人はスコアボード係で あとはボール拾いのため
グランドの周りで立って試合を見守る
ファールボールがネットを超えてグランドの外に出るのでそれを瞬発で取りに行く・・・
ウチの高校の周りは田んぼと藪!
田んぼは見つけやすいので楽勝なのだが、藪は、しっかりボールの行先を
見届けていないと、見失なってしまうと、どこにボールがあるのかわからな
い「ボール 見つかりませんでした」じゃすまされない
試合から目を離せないので大変なのだが、ずっと試合を観ていられるし
筋トレや走りっぱなしに比べると天国だ!
ファールボールを見ているのも自分一人じゃないので、みんなで探せば問題
はない・・・問題はそのあと
試合の内容が悪ければ、その矛先はこちらに向いてくる

勝てば監督も先輩たちも機嫌がいいので、片付けて解散!(やったー!
バンザーイ!・・・(心の声))となるのだが・・・

敗ければ・・・試合のあと・・・練習!!!(がーん! マジかよ!)
そうなると当然僕らは・・・先輩たちの練習が終わるまで
いつもの、筋トレと走りっぱなしのメニューをこなすハメとなる
そして機嫌の悪い先輩たちは、何かと難くせをつけてくる
「あの時のファールボール、取りに行って もどってくるの遅っかたな~
サボっとたやろ~」・・・とか
「何であの時チンタラ歩いとったんか~」「走らんか~ボケ~」とか
・・・・また剣道部と化す部室であった・・・・


そして いよいよ3年生最後の試合、甲子園の予選が始まる

高校生になり、野球部に入部して3ヶ月と数日
当初、70人近くいた1年生は、今や30人をきって27,8人てところ
夏、最大のイベント甲子園の予選!!!
このイベントに向けて僕ら1年生は、まず一人づつ特大のメガホンを厚紙で
作る、そして紙吹雪を大きなゴミ袋満タン3袋分ほど作る
これが、今まで書いてきた1年生の仕事にプラスされるのだ
(あ~しんど)
(入部して何やってんのって感じ・・・)
(グローブとボール使うなんて、たまにさせてもらうキャッチボールと、
 たまにさせてもらう球拾いの時ぐらい)

さあ~試合当日・・・
これがまた1年生にとっては試練のはじまり!

先輩が言います
「今日は声がかれるまで応援しろよ~!いいか~!わかったな~!!!」
「はいっ!」
「試合が終わった後、声がかれてないヤツはシゴキじゃ~!覚悟しとけ~」
「はいっ!」
(マジかよ~(心の声))

そうなると、3年生の最後の試合だろうが、勝とうが、負けようが
関係ない!
とにかく大声張り上げて声をからすことしか考えてない
(声をからす・・・声をからす・・・声をからす・・・)
隣のダチに聞く
「なあ~俺の声どう?かれてる?
「いや、全然普通!お前ヤベェ~ぞ、もっと声張り上げろ」
・・・っと、こんな感じ
もう頭の中は試合どころではない
(イメージ図・・・俺一人だけ2年の部室によばれボコボコにされる)

・・・・必死に声を張り上げて声帯をつぶす!

ウチの高校は弱いチームではない・・・
かと言って優勝候補に挙げられる程、強くもない(この当時は)
(今は強豪校に成長し、後輩たちは数回、甲子園に出場している

最初は、声をからす ことだけを考えて応援していたが、スタンド
から見る3年生の試合は面白い、知らず知らずのうちに、試合にのめり込み
涙を流しながら応援していた!
つくった紙吹雪を点が入るごとにジャンジャン放り投げる!
メガホンは、もうボロボロ!気にしていた声はもう、かすれて・・・
もっと大声出して応援したいのに出ない
あのテレビの前で熱狂していた高校野球が目の前にある
それだけで感動し「辞めなくてよかった~」と思った

まだ舞台には立てておらず、舞台袖で見ているだけだが
この高校野球と言う、劇場の中には入っているのだ・・・


あらためて、自分の立ち位置を確認できて、嬉しくなった!

試合後のシゴキの記憶はない・・・

多分、みんな声 かれてたし・・・なかったのだろうと思う

試合は勝った・・・でもその後どこまで勝ち上がったかは記憶にない

3年生は甲子園の予選が最後の試合!
それに敗ければ、もう引退、次の日からもう練習には出てこない
そこから1,2年生のチーム編成がはじまる
(あのクソ2年とチーム作りなんてできるかっ!(心の声))
今まで散々俺達1年生をシゴキやがって!(これからも続くだろうし・・)
そして筋トレ、走りっぱなしの練習メニューがずーっと続くと思っていた
  (実は俺たち陸上部じゃねーの)
って・・・開き直って、もうこんな気持ち

ところが3年生が引退した、この日を境に状況が一変する
180度の大転換!
なんと、あのキツかった筋トレ&走りっぱなしのメニューがなくなります!
・・・次回へ続く


今ユーチューブで元プロ野球選手が高校時代のことを配信している
動画をよく観る

あの強豪校、この強豪校、出身のもとプロ野球選手達が先輩からのシゴキがキツくて大変だったとか
こんな練習がキツかったとか・・・
やっぱりみんな一緒だったんだ~と笑ってみています
中には、全員 寮に入らなくてはいけなくて
寮の戻ってからも大変だった話とかもあって・・・
それに比べれば自分は家に帰って、自分の時間と
ほっとできる場所があったので、まだマシだったな~と思います

話は変わって

最初の写真は僕の4作品目の下絵になります(鬼滅の刃)
このシーンは鬼になった ねず子が炭次郎を食べずに
護るという・・・僕が思うに、この物語の原点ではないかと・・・
その思いからこのシーンを刺繡したいと思い刺繡してみました
どうぞご覧ください
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