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#18 一番書きやすいボールペンインクはどれ?(凝り性のハマったら沼編Part①)

さて、これを読んでいるみなさん、ボールペンのインクについて気になることはないだろうか?

文房具マニアである僕は、何年も前から結構色んなインクを試すのが常態化している。
とはいえ、ちゃんと比較したことはなかったので、今回あらためて国内大手4社(三菱uni、ZEBRA、PILOT、ぺんてる)の多機能ボールペン用(どうして多機能ボールペン用なのかは、後半に判明w)のインクについて、いくつかのポイントに分けて比較してみた。
以前にFacebookで投稿してやつの深掘り版みたいなもの(笑)

ちなみに今回は、普段書いている公共施設やFMとは関係ない話。
仕事もそうなのだが僕はかなりの凝り性なので、まぁ気持ち的にはいつもと似たようなものなのだが。
気が向いたらこんな趣味的テーマも書いていこうかなシリーズの第1弾ということで、今回のが好評だったら、調子に乗って次があるかもしれない(笑)


比較の前にインク(&ペン先)種類の基本から

まず最初にボールペンインクは主に次の4種類。(今回フリクションは除く)
①油性インク
 耐水性・速乾性・対候性に優れているが、書き味が少し重い。インクボテ(インク溜まり)ができることがあったり、インクの粘度が高いため、書き始めでかすれることもある。←筆者はこれがかなりのストレス。
②水性インク
 水性でサラサラ書けて、インクが詰まりにくい。一方で乾きにくいとか、水に滲みやすいといったデメリットも。公文書には不向きなので、仕事柄これを使うことはほぼナシということで、今回の製品比較からは除外。
③ゲルインク
 水性インクにゲル化剤を混ぜて作られた、油性と水性の両方の利点をもったインク。←筆者的にかなり好きなインクで普段はこれを多用している。
エマルジョンインク
 油性インクと水性インクを7:3で混ぜ合わせたインクで、ゲルインク同様、それぞれの利点を合わせ持ったインク。ZEBRAが開発した比較的新しいタイプのインク。

次にペン先の違いは次の3種類。
①コーンチップ
 ペン先が円錐状になっている。最もスタンダードなペン先で、丈夫なので強い筆圧でも書きやすい。
②ニードルチップ
 ペン先が細くて長いタイプ。細かい文字が書きやすい。ペン先が棒状なので定規とかも使いやすい。
③シナジーチップ
 コーンとニードルを合わせたようなペン先。PILOTのJuiceに使われている。ペン先はかなり細め。

今回試したのは次のインク(リフィル)たち

多機能ボールペン用に展開されている大手4社のゲルインク(+エマルジョンインク)7種類と、世の中で最も売れている油性インク「三菱uni・JET STREAM」の合計8種類。

標準的なものの方がラインナップも豊富なので今回は、太さは全て0.5㎜(Juice UPのみ0.4㎜)として、色は黒・赤・青の3色を準備。(筆者が好きなブルーブラック系ラインナップがあるものはそれも準備)

こちらが今回用意したインク8種類となる
大手4社の交換用リフィル8種類(左からJET STREAM、番号順に並べてある)
あまり聞き慣れないペン先=シナジーチップはPILOTのJuice UPに搭載

さて、それぞれのインクの書きやすさは?

大手4社を代表するインクばかりなので、どれも素晴らしいインクで書きやすさもすこぶる良好。
特に油性インクであるJET STREAM(三菱uni)は、最も売れているだけあって、低粘土のぬるぬる感は油性インクを感じさせない滑らかさであるし、昔の油性インクのようなインクボテ(インク溜まり)ができることもほとんどない。
ただ、それでもゲルインク(エマルジョンインクも含む)の滑らかさに比べれば、ほんの少しだけ重めなのと、かなり僅かではあるが書き始めの「かすれ」が気になることがあるので、僕は基本的にゲルインクの方が好み。

では早速、普段使っているノートに買ってきたインクを並べてテスト。

こちらがテスト用のノート(コクヨのSOFT RING 5㎜方眼)

あらためて並べて書いてみると、それぞれのインクの特性が出てくる。
特に青系インクの色は結構な違いが出ていて面白い。
今回は同じ0.5㎜(Juice UPだけ0.5㎜が売られてないので0.4㎜)のペン先で比較してみたが、太さも結構まちまちである。

8種類と用意したカラー全部を1枚に

次に黒インクだけを比較。
ゲルインクを使っていると、ちょっと指を引っ掛けて擦れてしまい、あちゃ〜となることも多いので、いかに速く乾くインクであるかが気になるところである。
その点、油性インク(エマルジョンインクも)は擦れがほとんどないのが安心できる。

太さに関しても結構差が出て「JET STREAM」と「bLen」と「Juice UP」が結構細めな感じで「ENER GEL」が一番太い。
濃さに関して言えば「ENER GEL」がしっかり濃い黒が書ける。

黒だけに絞って比較してみた

多色(多機能)ボールペンの場合、僕はかなり青を多用するので、色味がメーカーによってかなり異なる青インクは大きな判断対象となる。
どの青が好きかというのは完全に主観となってしまうので、客観的な評価は難しいところであるが、自分本位で選ぶとかなり好き嫌いが分かれるところだ。

また、青インクでも黒インク同様に、インク擦れを確認してみた。
たまたまかもしれないが、青インクの方が擦れ具合に差が出たのは面白い。

メーカーで色味がかなり変わる青インクを比較

ということで、完全に主観的な要素も入っているが、8種類のインク評価の結果がこちら。
5段階評価くらいに細かくした方が分かりやすかったかもしれないが、どのインクもレベルが高いので、甲乙つけ難く3段階の評価とした。

8種類のインク評価はこちら

もし仮に順位をつけるとするならば、以下の並びとなる。
1位:ZEBRA「bLen」
2位:三菱uni「JET STREAM」
3位:ぺんてる「ENER GEL」

ただ「bLen」の場合は僕にとって少し細すぎるきらいがあるので0.7㎜芯の方がしっくりくるかもしれない。

また「シグノ(STYLE FIT)」と「SARASA」と「Sliccies」はほとんど差はない気がするが、青の色味で言うと「Sliccies」が僕的には好みかな。
「Juice UP」はペン先に特徴があって、他とは少し違った書き味。ただペン先が針のように細いので、筆圧が高めの僕にはちょっと向かない気もする。
「HI-TEC-C  COLETO」は青インクの擦れが大きかったので評価が下がった。

最後にインクの換装という魔改造

で、ここまでで終わるとボールペンマニアがよくやっているインク比較のブログとあまり変わらない。
建築模型を作るのも大好きな僕としては、もう少し手を加えたいということで、普段愛用している多機能ボールペンに、今回比較したインクを換装してみたい。

使用するボールペン本体は、三菱uniのJET STREAMピュアモルトシリーズ(4in1)で、限定色のアキイロアジサイ。
このタイプのJET STREAMは替え芯の軸径がφ3.0㎜なので、今回比較したインクリフィルとは基本的に同サイズである。
(カタログ値上ではφ3.0〜3.1と少しの差はあるがこれは誤差の範囲だ)
リフィル長がJET STREAMは短めに作られているので、同じ長さ(87.7㎜)にカッターで切ってやれば、全て取り付け可能である。
(ペン先の形状によって、少し長さを変えた方が書きやすいこともある)

ちなみに今回取り上げてないPILOTのフリクションは軸径がφ3.6㎜なので換装不可
また同じJET STREAMでもPRIMEシリーズは金属芯で軸径がφ2.3㎜なので、こちらも換装不可。注意が必要だ。
また、インクリフィルを長くすることはできないので、換装する場合は一番の上の表でリフィル長を確認してほしい。

こちらがインクを換装するJET STREAM(4in1)の多機能ボールペン
最初についているインクリフィルは全て取り外す
今回比較したインクリフィルはカットすれば全てJET STREAM(4in1)に取り付け可能

今回8種類のインクを試してみて、最終的にはZEBRAの「bLen(ブレン)」の黒・赤・青の3色と「SARASA」のブルーブラックを換装して使ってみることにした。

汗の出やすい夏場は擦れの少ない油性インクやエマルジョンインクを使って、冬場はスラスラと書きやすいゲルインクに換装してみるのも良いかもしれない。
カラーごとにメーカーやインクを変えてみるのも面白い。

こうして考えていくと、ボールペン選びは無限に広がっていくし、試せば試すほどインクの沼にハマっていくのである(笑)

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