#42 民間事業者とどうやって出会うのか?
公民連携という言葉が一般的に使われるようになって何年も経つが、読んで字のごとく、公と民が連携するためには、そもそも両者が出会わなければ何も始まらないし、何も連携できることはない。
視察目的で僕らのまちに足を運んでくれる方が結構いたり、色んなまちに行って講義をする機会もそれなりにあるのだが、その時に「その民間事業者とどうやって知り合ったのですか?」とか「どうやったら民間事業者と出会えますか?」とか、しまいには「民間事業者をどうやって探したらいいですか?」といった類の質問を受けることがままあったりする。
ということで今回は、僕なりに考えてる、民間事業者とどうやって出会うのか?というようなテーマで書き綴っていきたい。
そもそも僕は人見知りタイプ(笑)
僕を知っている人の中には、こう書くと信じてもらえない方もいると思うが、元々僕はどちらかというと引っ込み事案で人見知りな性格だったりする(笑)
というのも、僕には兄と姉がいて、3人兄弟の末っ子。
小さい時から家族の中では一番のしんがりを務めていたこともあって、兄や姉の影に隠れることも多かった。
よく知らない大人への挨拶とかも、順番的に最後なので僕から率先してする必要もなかったし。
とはいえ、家が商売(スーパー)をやっていた関係もあって、お客さんと話をする機会はそれなりに多かったので、そこそこなコミュニケーション力は小さいことから養われていたのだろう。
あと、中学生の時に生徒会長をやっていたというのも、今となっては大きな経験であった。
決して優れたリーダーという訳ではなかったと思うが、多くの人とコミュニケーションを取らざるを得ないという機会に恵まれたと思っている。
あと、全校生徒の前など人前に出て、歓声を浴びたりすると、ついつい気分がよくなってパフォーマンスが向上するというのは今に生かされているのかなとも思う。
沢山の人がいればいるほど、ドキドキよりもテンションが上がる(笑)
一方で、元々の性格である人見知りは、今でもそうだと思うし、自分の中の弱みの一つでもあると考えている。
例えば、大勢の人が集まったパーティなんかだと、自分から積極的に色んな人のところに行ったりというのは苦手で、自分のところに来てもらう方が圧倒的に楽な気分だったりする。
若い頃よくやっていた合コンなんかでもそうで、自分から積極的にアプローチするのは億劫で、合コンで成功したという記憶がない(笑)
人見知りのせいというより、単に、モテなかっただけかもしれないが(笑)
なので、初対面の誰とでも気軽に話ができる人はホントに羨ましい。
そもそも僕はそんなにネットワークがあった訳じゃない
僕は長い間、(建築専門職なので)建設業界の中で生きてきて、しかも公共工事の発注者である公務員をやっているため、公共建築工事の関係者とは顔見知りが非常に多い。
僕が活動しているまちは、人口10万人ほどと大きな都市ではないし、若い頃から工事の現場に足げく通っていたため、それこそ公共建築に関わる建設業者(の社長や現場監督さん)や建築設計者はもちろんのこと、関係する下請け業者や各種メーカーの担当の方、現場にいる職人レベルまでほとんど顔見知りである。
こんな風に、建築業界に特化したネットワークは築けていたのだが、公民連携という仕事に興味を持つ前(それこそ6~7年前)までは、民間事業者=市の指名業者くらいの感覚でいた。
仕事上も建設業界に特化していたため、それ以外の業態の方達と接点を持つ機会は少なかったし、自ら異業種の方たちとネットワークを築くようなキャリアも形成できていなかったのである。
市役所の中でも、商工関連の職場などは、普段から色んな業種の方たちと、仕事上で接する機会も多いので、僕の目から見るとそれも羨ましかったりする。
でも、出遅れた分は、これから取り戻すしかない。
営業精神は非常に大事
営業という言葉を覚えたのは、今から6年ほど前だろうか。
公共施設マネジメントやFMをやっていて、それまで世間で唱えられていた、公共FM=公共施設の削減、という切り口だけではやっていても辛く、公民連携という切り口を模索していた頃のことである。
ちょうど民間提案制度を始めていこうとしていた時期だったので、それの広報活動の意味合いも兼ねて、民間提案制度自体のサウンディングを行うことにした。
その時、業態問わず、顔見知りとかも関係なく、当時の上司と2人で手当たり次第に面談をこちらから申し込み、市内・市外の合わせて結果40~50社くらいを営業して回った。
「市役所が新しくこんなことを始めますので、ぜひ一緒に何かしませんか?」みたいなことを説いて回ったのだが、それまで会ったことのない業種の方たちと話をして、それまでの自分のフィールドの狭さを実感したものである。
ちなみに、民間提案制度を始めた最初の頃は、この時に営業に回っていた企業からの提案が大多数で、営業という行動がいかに大事かということを実感する機会となった。
自分から求めていくのではなく、縁は自然にやってくる
公民連携を志した初期の頃は、こちらからガムシャラに求めて接点を作っていたのだが、自分がまだまだ未熟だったこともあり、出会うのが早すぎたり、出会うことをやんわり断られたようなこともあって、今は少しスタンスを変えている。
第三者を通じて紹介をお願いしたこともあったが、あまり上手く行った試しはなかった。
というのも、相手が大きな企業で、その肩書きだけを目指していくのなら、以前のようなアプローチもそれなりに効果があるのだが、こちらが特定の誰かに会いたいと思った時には、こちらが一方的に望んでも上手くいかないことが多いと感じているからだ。
人との出会いは「縁」である。
「縁」と言ってしまうと、何か奇跡的な巡り合わせのように感じる方もいるかもしれないが、人とは出会うべきタイミングや必然があり、それが「縁」なのかなと最近は思っている。
でも、ただ、ボーっと待っていてもその必然はいつまでもやってこない。
会いたいなぁと日頃から考えていて、その人に会えるだけの資質が自分に備わってきたら、自然と出会えるんじゃないだろうか。
事実、そんな風にして出会えた人が最近多いように思うし、そんな風にして会えた人というのは、何か深いつながりを持てるような気がしている。
なので、最初に書いたような質問を受けた時にも最近は「出会いって縁かなぁ」なんてことを言ってるのだけど、それを紫波町の伊東さんが、素敵なnoteにまとめてくれている。
伊東さん、いつもありがとう!
縁を引き寄せられるかどうかは自分次第
求めるより与えられる人へ。
上でも書いたが、「縁」は奇跡的な出会いでなく、どちらかというと引き寄せるものだと思っている。
自分自身が、相手のことを一方的に求めるのではなく、相手にとって有益な存在になり得た時、その「縁」は巡ってくるのではないだろうか?
では今、会いたい人と出会えてないのだとすれば、それはきっと自分に何かが足りないから。
自分に足りないものを足していって、出会えるステージまで自分自身を高めていくと、出会いは奇跡ではなく、必然に変わってくる。
それを「縁」だと言うと、なんか恋愛ドラマに出てくるような運命的な出会いじゃなくて、実に現実的でつまらないかもしれないが、出会いやの確率を高めるために必要なのは、「成長のための努力」と「想いの強さ」の掛け算によるものなんじゃないだろうか。
終わりに
最後に、僕がいつか出会ってみたい人を挙げるなら次の方たち。
氷室京介さん、大谷翔平さん、長澤まさみさんの御三方。
天地がひっくり返っても絶対叶わないだろうな・・・想いだけは強いけど(笑)