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仕事と嫁

突然だが私と嫁は共働きである。

私は理学療法士としてリハビリを、嫁は研究員の補佐として日々世の為に責務を果たしている。

今日は働く嫁の素晴らしいところと、仕事をするに当たっての人間の在り方について、個人的な意見中心に筆を進めていきたい。

この世の中には仕事をしたくないと考えながら嫌々朝起きる人もいるだろうし、楽しくて仕方がないと言う人もいるだろう。己の野望のために仕事をツールや学びの場として利用する変わり者もいるかもしれない。ちなみに私はこれに当たる。

嫁は好きなことを仕事にして、日々努力をしながら毎日を楽しんでいる。

私にはそれが眩しくてたまらない。

少し自分語りをすることを許してほしい。

私はミュージシャンになりたかったが、それと同時に将来生まれてくる我が子に金銭面で不自由をさせない親になると言う夢もあった。

そのため、食いっぱぐれない安定した資格をとる必要がある。

そうしてどのような仕事かも理解しないまま4年で医療職に就けると言う安易な理由で育成校に入り、忙しいと感じる毎日の中で音楽に向き合う時間を捻出する努力すらせずにいた。

夢にまっすぐ進み、テレビに映り輝くかつての仲間を見て「私もまっすぐ進んでいたら…」と腐りながら留年をしつつ国家資格を取得し、就職してからもそんなことを考える日々を送っていた。

そんな中出会ったのが嫁だ。彼女はその頃から充実した毎日を送っていた。

社会人としては2つほど先輩だった。

彼女は十代の頃から生物が好きで、ついに再生医療の研究に関わる人物になった。楽しいことばかりでは勿論ないし、沢山勉強をしたり雑務もこなしていた。それでも憧れの職につき、今でも笑顔で挑戦を続けている。

私も膝関節の軟骨の再生や、失明の回復と言った分野には興味があったので、出会った時に意気投合してよく会うようになった。

私がミュージシャンを目指しながら仕事をしている話をした時に、彼女は精一杯応援してくれた。

もっと早くまっすぐ夢に向かって頑張っていればと、かつての仲間や流行りのYouTuberを見て思うと愚痴をこぼせば、そのお陰でしっかりした仕事してるって私のお父さんに言えたでしょ?と明るく諭してくれた。

なんとも情けない旦那だなあと、思わずにはいられなかった。

同時に、どこまでも素敵な人だなと思った。

さて、話は戻るが世の中の人間の仕事に対する考え方は十人十色である。

カイジの利根川幸雄ではないが、金を得て生き延びるためには働かなくてはならない。

毎朝起きて職務をこなすのに、人は人生の大半を捧げる。

そんな時間を嫁は充実させているし、いつでも明るい。

嫁の職場見学をしたことはないが、彼女の周りの人間は話を聞いている限りではとても楽しそうだ。

好きなことを世の中の役に立てることができる人間は限られているが、どのような仕事だってやりたいこともあればやりたくないこともあるだろう。

それでも楽しいと思えれば、それは結果的に生産性を上げ、より社会に貢献できるのではないかと思う。

給料が低い、仕事がきつい、会社に行きたくない。全部以前の私が考えていたことだ。しかし、嫁を見ていると楽しみを見つけ、充実させることができるようになりつつある。

今では、理学療法士もミュージシャンも楽しみながらできると確信している。

あなたの周りにも、仕事を楽しんでいる人はいないだろうか?

自分の人生も、誰かの人生も幸せにできる人間や方法は、意外とすぐ傍で見つかるかもしれない。

毎日を幸せに過ごす。それがゆくゆくは大きな力になり、誰かを救う。

それが仕事で感じられる人が増えれば、世界はより幸福になるのではないかと嫁を見ていて思うのだ。


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