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ライターとクロスステッチを掛け合わせるのって無理ですか?

「私が夢中になれることは、これじゃないのかもしれない」

書くことが好きで、コロナ禍をきっかけに始めたライターの仕事。

思い切ってスクールにも入り、たくさんの仲間もできました。地道にSEO記事の執筆を続け、夢だったスポーツ選手の取材記事も書けるようになり、おそらく順調に活動できていた方ではないかと思います。

しかし、自分では何かしっくりこないものがありました。

■好きで始めた仕事なのに……

ライター歴は約3年。最初に比べると単価は上がったとはいえ、満足いく収入を得ているわけではありません。

自分が執筆する意味を見出せないSEO記事はすでに閉店状態。一方で取材記事は、毎回「(ちゃんと伝える記事に仕上げるの)無理ー!」と何度もベッドにひっくり返りながらも、やりがいは感じていました。

しかし、行動力不足を自覚しつつも、自分から営業をかけてどんどん仕事を取りに行くまでの熱量は持てずにいたのです。

「自分でやりたいと思って始めたことなのに、私はダメな人間だな」ズーン……

と自己嫌悪に陥るのはよくある話。ところが私はそう落ち込むことが(全くとは言わないまでも)あまりなく、今回もこう考えました。 

「だったら、もっと自分が夢中になって行動できるなにかを見つければいい!」

 

■自分がいちばん夢中になれることを仕事にしたい


・私が夢中になれることってなに?

自宅に飾ってあるお気に入りの一品

時間を忘れて夢中になれることといえば、クロスステッチ。でもただの趣味で、仕事になるとは思えませんでした。 

しかしよく考えてみれば、ライターも「書くのが好きなだけで仕事にするなんて無理」、ずっとそう思っていました。

 「でも、きちんと調べて行動したら、継続的に報酬をいただけるようになったよね?」 

そこで思い出したのが、作成途中のクロスステッチ画像を投稿した過去のツイート。フォロワー数が2桁だったにもかかわらず、インプレッション7000を超えたのです。 

デジタルが主流の時代だからこそ、このようなハンドメイド作品は新鮮に映るのではないかと思いました。


・クロスステッチ作成のスキルのみでは需要がない

果たしてクロスステッチの需要はあるのか、第一歩はそこから始まりました。 

結論からいうと「お好きな図案をクロスステッチにします」というだけの内容ではほぼ需要なし(ココナラの場合)。 

そもそも「イラストや写真をクロスステッチにする」という発想は、私のように元々クロスステッチが好きな人しか持っていません。さらに自分で作るのが好きな人なら、ほかの人に依頼するという考えには至らないのです。

 「ではどんなアプローチなら可能性を見出せる?」 

ステッチ(刺繍)する作業より前の段階から考え直してみると、ひとつのアイデアが浮かびました。


・ココナラで出品する際のターゲットはイラストレーター

イラストを他の形で作品にする提案はどうだろうか?

クロスステッチをするには図案が必要です。しかし、すでに世に出回っているイラストは、ほぼ全部が著作権で守られており、勝手に図案化して商品にするわけにはいきません。

 それならば。

「ご自身が著作権を持つイラストをクロスステッチにします」という商品を、イラストレーター向けに出品してはどうか?

 この発想が単なる「絵に描いた餅」なのかどうかを知るため、イラストを描きながらWebデザインの勉強をしている姪っ子に、クリエイター側の意見を聞いてみました。

「クロスステッチ化、すごくいいと思う。自分のイラストをグッズ化したいと思っている絵師さんはいっぱいいるし、小さい作品から大きい作品まで自由に作れるから、需要はありそう」

ただし、最後のセリフが

「まあ、問題はコスパだけど」

さすがクリエイターの卵、いやすでにヒヨコか。よくわかっています。

ならばまずは行動あるのみ。その場で姪っ子に許可をとり、以前、私のために描いてくれたアイコンを図案化して作品にすることに。

新ビジネスへの航海に向けて、手探りの試運転が始まりました。

図案化専用ソフトを使ってイラストからクロスステッチへ


・重くのしかかるコスパ問題

まずステッチのタイムログを取り、作業にかかる時間を算出。

「えっ? 1時間に100目しかステッチできないの?」

姪っ子のイラストを図案にした結果、必要な目数は約5000。単純計算で50時間かかることになります。1日の作業時間が5時間なら、完成までの必要日数は10日になりますね。

また、デジタル作品とは違い、完成品送付時の「送料」がかかりますし、物理的な「材料費」も無視できません

最初は4桁での出品を想定していましたが、割に合わないことが判明。だからといって、いきなり5桁で販売しても、誰も買ってくれないでしょう。

姪っ子の「まあ、問題はコスパだけど」が脳内でこだまします。

「やはり絵に描いた餅だったのか……」

それでも諦めきれず、歩みをもうひとつ先に進めてみることに。

・素敵なイラストとの出会いがプレゼント需要の発想を生む

次に私が図案使用許可のお願いをしたのが、SNSアイコンを描いてくださったイラストレーターのあやさん。


仲良くしていただいているイラストレーターさんは何人かいますが、私があやさんを選んだのは、ご本人と旦那さまが笑顔で並んでいるイラストが、とても素敵だと思ったから。

あやさんはすぐにOKの返事をくださり、本当の意味での「商品作成」が始まりました。 

あやさんのイラストをクロスステッチ化したもの

「二人並んだイラストなら、結婚祝いや引っ越し祝いなどのプレゼント需要も見込めるのでは? それに添えるメッセージをオプションにすれば、ライター経験も生かせるかもしれない」

諦めるどころか「絵に描いた餅」が増殖を始める結果に。

それでも気になるコスパ問題。

増殖を止めてライティングに注力すべきか、あるいはクロスステッチの方を進めるべきか、結論が出ないまま数か月が経過していました。


■状況を打破したくて受講を決めたストーリーカレッジ


・頭の中のもやもやをアウトプットした結果は?

講座で学び実践するのは「実績をもとにターゲットに届けるストーリーを作り上げること」。

講座の課題を進める中でいろいろ書き出してみると、やはりライティングではなくクロスステッチの方に行きついたのです。

さらに「ライターとして満足いく収入を得られていない」、このネガティブな事実を「クロスステッチも最初はコスパよりGiveに重きを置いたらいい」という発想に転換。

ずっと停泊中だったクロスステッチという船を、再び海に出す決意をしたのでした。


・X(旧Twitter)の企画でサンプル用のイラストを募集

あやさんのイラストをクロスステッチ化したものをX(旧Twitter)で投稿すると、かなりの好反応をいただけました。やはり「イラストをこんなふうにできるの?」という意外性があったのだと思います。

さらにその後、サンプル品を作成するための企画を発表。

当選を「3名様予定」としていたものの、結局は応募者11名全員に対応させていただくことに。Giveというよりも「これ全部作りたい!」という欲求を抑えきれなかっただけなのですが。


 ・ココナラへの出品の目的はもうひとつあって……

「イラストからクロスステッチにする」という発想は「自分のイラストを発信したい方を応援する」という思いも込めています。

ネット上には数えきれないほどのイラストが溢れていて、その中から見つけてもらうには、ただ単に発信を繰り返すだけでは苦しいもの。

一方、私の仲間の多くはライターで、SNSアイコンやコンテンツ販売向けのキャラクター、電子書籍の表紙・挿絵などを描いてもらえるイラストレーターさんを探している方がたくさんいます。

そこでイラストへの思いをストーリーに乗せてnoteなどで発信できれば「この方にイラストをお願いしたい」と思う方が現れるかもしれないと思ったのです。

「クロスステッチを依頼していただいた方の作品を広めるお手伝い」、それが今の私にできる、もうひとつの価値提供だと考えています。

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