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アイスクリームのコーンの形は、なぜ「丸」「三角」「四角」があるの?

アイスクリームのおいしい季節になりました。1年中楽しめるスイーツとはいえ、やはり暑いときに外で食べるアイスクリームは格別です。

ところで、アイスクリームが乗っているコーンにはいろいろな形があることにお気づきでしょうか?

いちばんよく見かけるのは円すい状ですが、それ以外にも、乗せる部分が三角や四角になっているものがあります。また、同じ円すい状でも素材が違うものもありますね。

このアイスクリームコーンの形について、NHKの『ワケあって、このカタチなの。』という番組で解説していましたので、その内容をご紹介したいと思います。

このコーンは偶然発明された?

【コーンの歴史の始まりはアメリカ】

最初にアイスクリームを乗せるコーンに使われた形は、今ではいちばんポピュラーになっている円すい状のもの。といっても、アイスクリーム用に開発されていたわけではなく、偶然生まれたものでした。

1904年(明治37年)アメリカのセントルイス万博でのことです。

会場のアイスクリームは紙のお皿に乗せて売られていたのですが、とても暑かったある日、あまりの売れ行きに紙皿の在庫がなくなってしまったのだそう。

「アイスクリームはあるのに、入れ物がないから売れない」

そんなとき、同じ会場で薄く焼いた温かいお菓子の売れ行きが悪く困っていたお店がありました。それはワッフル屋さん。

そこで誕生したアイデアが、薄いワッフル生地を丸め、その中にアイスクリームを入れて売るというもの。これがアイスクリームコーンの始まりでした。

その後、丸いコーンに乗せたアイスクリームを食べる子供の姿が、セントルイス万博の記念切手にもなり、この食べ方がアメリカで広まったのです。

【丸いコーンの使い分けは?】

同じ「丸いコーン」でも、素材は大きく分けて「もなかタイプ」と「ワッフルタイプ」の2つがあります。それぞれどう使い分けられているのでしょうか。

もなかタイプはソフトクリーム用

柔らかいソフトクリームを乗せるときに使われるのが、サクサクの「もなかタイプ」。ソフトクリームは溶けやすいので、乗せるところがやや広めになっているのが特徴です。

なお、日本のソフトクリームの歴史が始まったのは1951年(昭和26年)。アメリカ進駐軍が独立記念日を祝って開いた「神宮外苑での模擬店」で紹介されたのが初めてでした。

ただし、ソフトクリームが広く認知されるようになったのは、それから19年も先の1970年(昭和45年)の大阪万博。

セントルイス万博のときと同じく、いろいろなところから多くの人が集まってくる場所をきっかけに、一般にも広がっていったのです。

ワッフルタイプはアイスクリーム用

丸くすくったアイスクリームを乗せるときに使われるのが、カリカリの「ワッフルタイプ」。少し力を入れてグッ!と乗せるため、コーンも固めにしてあるのです。

また、1段目をグッと固めて土台を作ることで、その上に2段・3段と重ねて楽しめるのも、ソフトクリームとは違う点です。

【三角と四角のコーンはなぜ生まれた?】

丸ほどポピュラーではありませんが、三角や四角のコーンもありますね。なぜこのような形のコーンが作られたのでしょうか。

三角のコーンはジェラート用

三角のコーンは、日本では1980年代から使われるようになりました。上に盛られるのは主にジェラート。

ヘラでなでつけて盛るタイプのジェラートは、コーンの部分が丸よりも真っ直ぐな形の方が使いやすいためです。

四角のコーンは複数用

四角いタイプが使われるのは、主に2~3種類のアイスクリームを盛るとき

ジェラートのみならず、丸くすくって乗せるアイスに使われることもあります。

【花びら型のコーンはなぜ生まれた?】

1990年代には、「丸」「三角」「四角」ではない、花びら型のコーンも誕生。この形になったのは以下の理由からです。

・見た目の美しさと華やかさにこだわった
・アイスが溶け始めてもこぼれにくく、手も汚れにくい
・口が広いので盛り付けやすい

コンビニのソフトクリームに使われているコーンは、このタイプですね。

【まとめ】

コーンは脇役の存在ですが、上に乗せるアイスクリームやソフトクリームをおいしく食べてもらうため、形や固さにこだわって作られています。

ここでは、それぞれのコーンがどのような用途を目的として作られたかを紹介しましたが、実際の使われ方はさまざま。固めのワッフルコーンにソフトクリームを乗せたり、丸いコーンにジェラートを盛ったりすることもあります。

商品を「おいしく楽しく」届けるために、お店側もいろいろ考え、最適なコーンで提供してくれているのでしょうね。

「アイスクリームはカップ派です」という方も、アイスとの相性を考えて選ばれているコーンを、ぜひ楽しんでみてください。

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