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第4回:社会は前進あるのみ

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ

ジェンダー平等の歴史を振り返ってみましょう。

「すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である。」
これは、1948年世界人権宣言の条文です。
今から72年前のこの年、世界(国連)で初めて人権保障がうたわれました。
今では当たり前の「基本的人権」もまだ72歳(!)なんですね。

72年はさかのぼり過ぎ?・・・だとしたら、今から45年前の1975年。
国連で、女性の地位向上のため世界規模の行動を行うべきことが提唱され、この年が「国際婦人年(国際女性年)」 に定まりました。
ここを基点とするならば、「ジェンダー平等」は今45歳(!)ということになるのかしら。
・・・あれ、私より年下?

1979年の「女子差別撤廃条約(女性差別撤廃条約)」も重要ですね。日本はこれを批准するまでに6年もかかりました。
また、1995年の「北京行動綱領」。これもその後の日本の取組みに大きく影響しました。

世界のこうした流れの中、日本でも、先人の熱意のこもる数々の取組みが積み重なって、徐々に制度が整えられ、1999年の男女共同参画社会基本法制定までたどり着きました。

もちろんそこでゴールではありません。基本法は男女共同参画社会の理念をうたったもので、まだ実現していないからこそ、その社会を目指そうというものです。
その後も、ジェンダー平等/男女共同参画 実現のための、様々な政策的取組みが行われています。男女共同参画センターの運営もその一つです。

残念なことに、日本のジェンダー平等は、世界と比べると、遅い!遅い!と言われているんですよ。
私も本当にその通りだと感じています。(>_<) 
いまだに国際比較で100位以下なんですからね。(2020年のジェンダーギャップ指数は153カ国中121位!)

日本の何が遅れているかって、法律や制度もさることながら、社会の意識が・・・ですね。

「男は仕事、女は家事・育児」と決めつける「固定的な性別役割分担意識」という厄介な意識。これが男女共同参画社会の実現を遅らせています。
2016年9月の時点で国民の約4割の人が、大なり小なりまだこの意識を持ち続けています。(内閣府調査)

いまだに「女の人は家庭に入ったほうが幸せなんじゃないの?」なんて言ってくる人がいるんですけど、「もう、勘弁して~!」って感じ。(――゛)

そりゃあ、戦前まで行われていた「良妻賢母教育」や、戦後の高度経済成長期を支えたサラリーマンと専業主婦という「性別役割分担」は、その時代にはまだ意味があったかもしれません。けど、その時代に戻ることは無いですし、今はその意識がこれからの時代の新しい社会をつくろうとするときの妨げになっています。法律や制度は使う人にそれを活かそうという意識が伴わないとうまく機能しませんからね。

1999年に生まれた「男女共同参画社会基本法」は今や21歳(!)そろそろひとり立ちしても良い頃です。

社会は常に前に進んでいくんですよ!
「社会は前進あるのみ」です。
整いつつある制度をうまく機能させるためにも、皆で社会の意識を変えていきましょう!!(^^)! 

NPO法人浜松男女共同参画推進協会
浜松市を拠点に男女共同参画、ジェンダー平等、女性活躍推進などの課題に取り組んでいます。浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センター(あいホール)の管理運営を担っています。
WEB:https://danjo-hamamatsu.jimdofree.com/
FBページ:https://www.facebook.com/danjohamamatsu/