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第3回:なぜ、男女共同参画社会なの?

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ

なぜ、男女共同参画社会をめざすのか? 

1999年に制定された男女共同参画社会基本法の前文には、男女平等という「人権の視点からの必要性」と、社会経済情勢の急速な変化への対応という「社会の側面からの必要性」がうたわれています。

人権の視点…は、わかります。知っての通り日本の憲法には男女平等ということがはっきりとうたわれていますから、それをめざすべきは当たり前って、理解できます。(当たり前でない時代もあったんですけどね)

でも、ん? 社会の側面からの必要性? 社会経済情勢の急速な変化って?…こちらはちょっと説明が要りますよね。若い人たちには特に。

基本法ができた20世紀の末には、日本経済は先行き不安の時代を迎えていました。90年代にはバブルの崩壊、その後「失われた10年…とも20年」とも結果いわれる長い不況の時代に突入しました。加えて、すでに少子化が始まっていて(1.57ショック:1989年)、日本の労働力人口は減少の一途をたどることが予測されていたんです。

基本法はそのさなかに制定されました。経済を衰退させないために、女性の社会進出を促して、これから先足りなくなる労働力を補おうという、マクロの視点からの政策意図があったんです。「男は仕事、女は家庭」と性別役割分担を基調とした従来型の社会システムをいつまでも続けていたんじゃ、日本の将来が危うい!・・・という危機感がその時代(の当局)にはあったんですね。
(危機感…と言ったって若い人にはピンとこない?だってずうっと少子社会、低迷経済ですものね。)

男女共同参画が女性の参入で労働市場のパイを増やそうとするだけの政策だったなら、いい気分はしないんですが、そうではないですよね。

「参画」という言葉には、すでにあるものに加わるという意味の「参加」とは違って、事業や政策などの計画段階から自発的・積極的に加わっていくという意味が込められています。

女性の経済的自立を促しながら、同時に女性も主体となって社会(の価値観)をつくっていく。男女共同参画はそういう夢のある社会政策だと、私は受け止めています。(^з^)
(政策意図がしっかり理解されればもっと進んでいくのにな~!)

早いとこ、女性も男性も社会の対等な構成員として、(あらゆる分野で)共に活躍する社会にしていきましょう! !(^^)!
・・・それはきっと、この国の少子化を止める早道にもなりますよ!

NPO法人浜松男女共同参画推進協会
浜松市を拠点に男女共同参画、ジェンダー平等、女性活躍推進などの課題に取り組んでいます。浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センター(あいホール)の管理運営を担っています。
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