トレーナーで生きていく ・ 独立編 vol.48
第48話「トレーナーの特殊技能。」
第1話はこちら
リョウ「他に参考になった事はあったか?」
ユウタ「はい、実は車の中で筋トレとかのパートも見させてもらって、めちゃくちゃ参考になりました。」
リョウ「そうか。」
ユウタ「はい、マシンやダンベルのない環境でどんなサービスしようか迷ってたので。」
リョウ「ユウタくん、トレーナーの特殊技能って何やと思う?」
ユウタ「ええと、ストレッチとかコンディショニングですか?」
リョウ「それもあるかも知らんが、そんなもんトレーナーやなくてもできるやん。」
ユウタ「ええ、そしたらそうですね。。筋トレを教えられるとか?」
リョウ「答えは徒手抵抗とインストラクションや。」
ユウタ「ああ、、」
リョウ「そう、トレーナーはいついかなる場所と時間であっても頼まれた相手を筋肉痛にできなあかんねん。全身を。安全にな。」
リョウ「ダンベルがなければできん。マシンがなくちゃできんじゃ話にならん。」
ユウタ「。。」
リョウ「相手の体重とトレーナーの手技だけで筋肉痛にできなあかん。」
ユウタ「え、いやー、それはいくらなんでも。。それじゃ力の弱い女性のトレーナーはトレーナーじゃないって言うんですか?」
リョウ「その為にインストラクションがある。エアロビクスのインストラクターは女性が多いよな。」
ユウタ「はい、、」
リョウ「あの人達はスゴいやんか。口だけで人を筋肉痛にさせられるんや。」
ユウタ「うーん、、」
リョウ「そんな事、普通の医者にできるか?間違いなくトレーナーの特殊技能や。」
ユウタ「うーん、そうなんですかねぇ。。」
リョウ「そうや。だからホンマはお客様もそれを期待しとるんや。」
ユウタ「え?」
リョウ「だってそうやろ?どっか痛くて治したいんやったら医者か接骨院いくやん?そっちの方が専門家やもん。トレーナーより知識もあるやろ。」
ユウタ「そうですかねぇ。。トレーナーも知識スゴい人いるけど。。」
リョウ「わずかや。そんなもん。」
ユウタ「。。」
リョウ「お客様が俺たちトレーナーに1番求めとるんは間違いなく誘導してもらう事や。」
ユウタ「誘導ですか?」
リョウ「そうや。スムーズに気持ち良くスタートを切らしてもらいたいんや。ワクワクしながらゴールへ導いてもらいたいんや。それには気持ちの良い段取りが必要なんや。いつのまにか楽しく効果を出せられてなんぼなんや。」
ユウタ「うーん。。そうかなぁ?」
リョウ「じゃ、ユウタくんはどう思うん?」
ユウタ「そうすね。やっぱり効果的な筋トレのノウハウとか肩こり腰痛のない身体作りとかの指導を求めてると思います。お客様は。」
リョウ「間違ってはないけどな。考えてみぃ、そんなもんYouTubeとか本にいくらでも載っとるぞ。」
ユウタ「いや、けどそれが自分に合ってるかわからないから相談にくるんじゃないすか!」
リョウ「おお、そうや。カウンセリングでな。そこまではトレーナーやなくてもできるで。理学療法士さんの方がプロや。」
ユウタ「。。ええ??イヤイヤ、今のトレーナーのコンディショニングはスゴいんですよ!トレーナーにしか出来ない事もありますよ!」
リョウ「それは売り手側の言い分や。お客様が求めとるもんと関係ない。ラーメン屋がフランス料理を上手に作れるようになったし買うてくれ言っとるんと同じや。」
ユウタ「んんん?」
リョウ「売りたいもんを売るんやない。何を求められとるかを考えんといかん。それがお客様ファーストっちゅうもんや。」
ユウタ「ん、、」
リョウ「お客様が俺たちに求めとるんは未来を変えるために行動を促してもらう事や。そんで俺たちがどの仕事にも勝る事。それは誘導する事なんや。」
リョウ「どんなトレーナーを目指すんも自由やけどな。シンプルに考えたらそうなるんや。」
ユウタ「。。」
リョウ「そんでなキミがオレのレッスンを見て参考になったんはトレーニングの内容やないよ。オレは普通の種目しかやらん。」
ユウタ「え?」
リョウ「キミが参考になったんはオレのレッスンの段取りや。インストラクションや。」
ユウタ「??」
リョウ「今度テクニックを細かく教えたるわ。実際にキミのレッスン受けてから。」
ユウタ「え、あ、はい。ありがとうございます。」
リョウ「あかん、、もう眠いわ。そしたら今夜はココまでにしよ。。」
ユウタ「。。」
ユウタは話に納得できないところがあったものの、出張での失態は心が楽になって家に帰った。
あんなに落ち込んでいたのがウソのように明日への希望が湧き上がっていた。
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