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2-12. ある極限のツアー(罰ゲーム)

九州開拓もある程度慣れたと思ったら

更にレベルアップされた次のステージが待っていました。

まるでアゲートゲームの様に
難易度は毎回更新。

今度は新幹線で広島(宮島厳島神社)へ行く2泊3日ツアーでしたが、

このツアーはわざと添乗業務の極限体験をさせるためのテスト脚本ではないかと思いました。

①「のぞみ」号、1号車~12号車までバラバラ座席

新幹線を利用する団体ツアーの座席エリアは

効率のためなるべく同じ又は隣り、その隣号車にまとまっています。

そうしないと添乗員からのツアーコントロールが難しくなるからです。

(新幹線も航空機も座席エリアはJR,航空会社が指定し座席割は添乗員が行います)

ところが、このツアー打合せの時、座席エリアを見た瞬間

何か間違えだと思いました。

50人近いのお客様のエリアが1号車から12号車までばらばらなっていたからです。(のぞみ号16両編成)

はあ?

一両当たりの長さは25メートルです。

そうすると

25×12=300メートル

を、何回も狭い通路を通って往復。

正にこれは極限で異例な事です。

②途中乗車お客様対応

列車利用の団体ツアーにはお客様の便利増進のため

集合(乗車)場所を東京駅にしなくて自分のご自宅から近い駅からの

乗車を許しています。

今度の東海道新幹線の場合途中乗車駅は品川と新横浜です。

添乗員は予め途中乗車のお客様へ連絡し、

決めた号車と座席をお伝えします。

お客様は当日入場券を購入し駅構内に入り、乗車します。

東京駅から乗った添乗員はその号車のドアや通路で待って案内します。

途中乗車お客様の座席はなるべく集めたけど結局、離れる座席も出ました。

③まさかのオプション(お弁当)

これはカウンターパンチですね((+_+))

新幹線団体ツアーの場合99.99%の確率で

朝オプションのお弁当がついています。

どうやってもらうか。

当日出発駅のプラットフォームでお弁当の業者さんと待ち合わせします。

お客様をホームまで案内しながら業者さんから箱ごとでもらいます。

その後、お客様の乗車、座席案内が落ち着いたらお一人一人添乗員が渡します。

お客様の選択肢を広がる為、

お弁当の種類も様々です。(少なくとも2種類以上!)

数量も正確に、

種類分別も正確に、

一般の利用客や乗務員に迷惑ならない様に気を付けながらやります。

ばたばたして間違えて渡し、

お客さまも間違えて召し上がったら

複雑な問題になります。

お弁当箱を持って狭い新幹線通路を通って

1号車~12号車間の往復

東京駅で集合、受付

ご挨拶、人数確認、バッチと座席表配布

ホームまで移動

お弁当業者さんとの待ち合わせ、

数及び種類確認、

決済

新幹線乗車開始

座席案内

1号車~12号車まで確認

途中乗車対応準備

途中乗車お客様乗車後受付、案内、ご挨拶、お弁当渡し

また途中乗車駅、上記と同じ対応

次はゴミ(お弁当の)収集、まとめて指定場所へ運ぶ。

下車駅到着まで現地観光バスとの入れ込み電話や

下車後の流れや仕事確認

④現地は大雨

「お天気がツアーの半分」という言葉があります。

上までの仕事を終えてやっと広島へ下りたら

今度は予報外れの大雨がまっていました。

今日のメインは宮島の厳島神社なので今度はローカル線で乗り換えて

宮島入口駅まで移動

連絡船乗り換え

やっと宮島へ入りました。

4年ぶり訪れた外国人添乗員を

鹿たちが迎えてくれました。

「お前来たか!久しぶりじゃ!これはお前にあげるボーナスステージ(罰ゲーム))だよ!
ちなみに、せんべいは?」

大雨の中鹿は囁き(?)ました。

雨具を買ったけど

お客様の自由時間をあげるまで

ばたばたする間

もう指示書まで濡れるほどびしょびしょ。

最終便の連絡船に乗り、観光バスに乗って

夕食場所へ移動(普通は宿で食べますが、今度は添乗員罰ゲーム(?)なので例外)

広島は何と言ってもお好み焼き!

お客様一人当たり千円のクーポンを差し上げ室内屋台が集まっている

所へ移動、自由食。

もう体も心もボロボロでした。

頭には

「早く一日終わらせてお風呂入って寝たい」

しか入って来なかったです。

はあ…

やっと、

いよいよ、

ようやく

ホテルへたどり着きました。

もちろん、疲れたけど

考えてみると

参加されたお客様としても

大雨の中

長距離旅

強行軍でした。

ホテルは修学旅行学生団体で凄く混んでいました。

本当にお疲れ様でした。

お客様も、

ドライバーさんも、

自分も

※P.S.:お客様部屋鍵配布し解散後、満室で自分とドライバーさんはタクシーで別のビジネスホテルに行って寝たのはおまけです。

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