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記事一覧

あの日にさよなら

チョコレートケーキ食べるかと尋ねたら 僕が食べるなら私も絶対食べる、と彼女は答えた 僕はど…

Daniel Avati
1年前
14

ジプシーたちの夜曲

ウソでいいから言ってくれ いつかまた朝日が昇ると 体の震えが止まらない 傷は癒えても 後悔…

Daniel Avati
1年前
8

ワタシは、パリで

ワタシはパリにいるけれど ワタシは今、パリが好きなのかな セリーズは創作中の版画を眺めてそ…

Daniel Avati
1年前
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風になる

通りすがりの人たちに叫びたい 僕の名前を教えてくれと 流れる雲をいつまでも追いかけていたい…

Daniel Avati
1年前
16

21歳のさよなら

どうしていいかわからないことが 僕にはあまりに多すぎる どこに答えがあるのかが せめてわか…

Daniel Avati
1年前
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パリで見つけた悪童詩人

Daniel Avati
1年前
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素顔の頃に見た夢を

君がもうすぐ僕の前からいなくなるって知った 雪の降り続く街で あの日僕は何を考えながら そして何を見つめながら とぼとぼと歩いていたのだろう 祭りの明けた朝 クリスマスツリーをしまう子供のような 忘れかけた人の夢を見た朝 抜けるような青空を見上げたくなるような あれから数えきれないほどやってきた春夏秋冬が 数えたくないほど過ぎて行ってしまううちに始まった仮面舞踏会 それは昨日も今日も そして明日もきっと続くのだろう 忘れたふりをしているのが仮面なのか 忘れてないって言い

10日間飼い主に会わなかった猫は 10日間の後に飼い主に会ったときに 10日間の空白が寂しかった…

Daniel Avati
1年前
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色の風に吹かれて

トラムの始発が走る音がかすかに聞こえて また新しい一日が始まろうとしてる ベッドから起き上…

Daniel Avati
1年前
12

誰かがそっと

真っ白な空から 綿菓子みたいな雲のカケラが ヒラヒラ降ってきた 暖かい日が続いた冬 遅刻して…

Daniel Avati
1年前
14

自由とは

26時に目が覚める 最終電車はもう行き過ぎて、ここは静かだ ここって、どこだったか、忘れそう…

Daniel Avati
1年前
12

これからも

どこかへ行ってしまった人たちへ 私のことを忘れてくれていますか 戻れないふるさとみたいに …

Daniel Avati
1年前
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共感

あぁ、明日 つまらない世界になる時がある 数字でロジカルにとか 科学的にとか、根拠とか これ…

Daniel Avati
1年前
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近づいていく

陽が沈むころ、ひとりでいるのが好きだ ヨーロッパの片隅にいることを実感できる この街の日没はクリスマスの終わったばかりの今ならば16時半過ぎ 公園で歩く 晴れの日は空の水色にオレンジ色が一秒一秒混じり合っていく 曇る日はグレーの空が明るさを落としていく 雨の日には街の灯りに照らされて、雫が光の粒になって降ってくる ここから、いつの日も空を見上げる 沈んでいく陽 雲に隠れて見えない日でも、想いを馳せている パリの日没は僕の街の40分ほど後 この街が宵闇にすっかり覆われ始める