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近づいていく

陽が沈むころ、ひとりでいるのが好きだ
ヨーロッパの片隅にいることを実感できる
この街の日没はクリスマスの終わったばかりの今ならば16時半過ぎ
公園で歩く
晴れの日は空の水色にオレンジ色が一秒一秒混じり合っていく
曇る日はグレーの空が明るさを落としていく
雨の日には街の灯りに照らされて、雫が光の粒になって降ってくる

ここから、いつの日も空を見上げる
沈んでいく陽
雲に隠れて見えない日でも、想いを馳せている

パリの日没は僕の街の40分ほど後
この街が宵闇にすっかり覆われ始める頃
君のいるパリに夕焼けが近づいていく
僕が託したものを、運んでいく
愛しさとか、孤独とか苛立ちとか和みとか、少年のココロを、この街から運んでいく

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