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【イベントレポート】創作ブートキャンプ(11月)に会場参加しました。

今回で第4回となる創作ブートキャンプ。今回は「企画」にフォーカスした回です。

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開始前に司会の萩原さんから今回の開催意図を聞いたのですが、もうこれに集約した回だと感じました。

「こういうものを書くんだ!という視点があるか」
「書きたいものを企画書に落とし込むには、どうするか」

なぜ私がそう思ったのか。まずは開催前のことをご説明させてください。

■人の企画書って読みたくない

会場入りすると、椅子にA4用紙が数枚置かれていました。今日これからレビューする企画書を印刷したものですが、全部で7枚。割と小さい字で、ぴっちり書かれています。

私はこれを見た瞬間「読みたくねー!」と思いました。

この感想は本当に失礼ですね。ごめんなさい。でも思ったんです。「企画書を読む側も、同じ気持ちなんじゃないか」と。

だから本題で「企画書は人に見てもらうもの」「読みたくなるように作ろう」という言葉は痛いほどに刺さりました。

■企画書を見た感想

講座内容との対比も兼ねて、私がなぜ読みたくないと思ったのか、理由を列挙します。

・一見して、どんな企画かわからない(ジャンルすら不明)
・あらすじを読まない限り、話が何も見えてこない。
・どこを見るべきなのか、面白ポイントがわからない。
・説明が長い。文字の圧にゲンナリする。

私も企画書を書いたのでわかるのですが、読み手がよくわかるように、つい言葉を重ねてしまうんですよね。「詳細を書いた方が親切!」という考えです。

でも読む側になると、書き手の苦労は有難迷惑に変わります。「一言で魅力を教えてくれ!」と叫びたくなりました。

これは興味ない企画書を読む経験がないと、実感しづらいでしょう。だから強制的に7作品分の企画書を受け取っただけで、とてつもない学びが得られてしまいました。

■イベントの流れ

60分で7作品分のレビューを行い、ゲストたちによる「自分ならこうする」といった改善点&アイデアを出し合いました。

ダメ出しが結構ガチ&改善案が秀逸すぎて、目から鱗でした。
また3人もクリエイターがいれば視点が異なるため、複数案を得たり漏れなく指摘されたりと、レビュー作品はかなりのアドバイスを受けることができました。(羨ましい限りです!)

私は選ばれずガッカリしましたが、選定基準は「本イベントで話しやすいもの」をピックアップしたとのこと。だから「紹介された=いい」「没になった=ダメ」ということではないそうです。

ここからは、イベント内容で学びになったものを紹介します。



1.「もっと読みたい!」と思う企画書になっているか

アサウラさん曰く「企画書とは、読む人が『興味ない』から『興味ある!』にするもの」とのこと。

そのためには「(レイアウトなど)読みやすくする」「(内容的に)読みたくなる」といった工夫が必要で、読み手が混乱しないよう複雑にしないことも重要だそうです。

レビュー1作目は「要素が多い(アイデアがとっちらかってる)」、レビュー2作目は「要素が足りない(ラブコメだけでは足りないのでミステリーかサイコホラーを入れよう)」といった説明がありました。公開媒体により適切な情報量は異なりますが、企画書と生解説が聞けたので、かなり勉強になりましたね。会場参加して本当によかったです。

また牧野さんの「映画の予告編のつもりで作ってる」との発言が秀逸でした。

映画の予告編には、掴み・キャラ・世界設定などの魅力が詰め込まれ、流し読みした人でも「これが見たい!」と思わせる力があります。

「企画書はエンタメ」「パッと見で面白い」「インパクト重視」とのこと。最初は書き慣れていなくて当然なので、私も諦めずに学んでいきたいと思います。

2.テーマをはき違えている

牧野さん曰く、ジャンルや題材とテーマをはき違えている企画書が多かったのだとか。

これについては私の理解が及んでいません。解説できずごめんなさい。ただ今回参加して、なんとなく単語レベルでいいと感じました。(「兄弟愛」「友情」など)

ちなみに質疑応答で「テーマはどの時点で作りますか」といった質問が秀逸でした。次の項でご紹介します。

3.テーマを作るタイミング

「キャラと物語を作ってからテーマを決めるか/それともテーマを決めてから諸々を作るか」という質問がありました。

それに対し、アサウラさんが「キャラと物語を先に作って、その話は完成しましたか?」と質問者に聞き返しました。(ちなみに質問者の答えはNOです)

「テーマがあることで、作品のゴールが見える。Web小説だと『ひとまず書いてからゴールを探す』という手もあるが、そうした場合、テーマが見つかるまでの間(特に前半部)がダラダラしてしまう」との指摘が。た、確かにそんな気がします……!

プロの現場では「これ何の話だよ」とプロデューサーから突っ込まれることが多々あり、「これは○○な話です」と言い返せるように作っているのだとか。でもそれだけ端的に返せたら、企画書もスマートになるでしょう。

ではいつの時点でテーマを仕上げるか。2つ案があります。

牧野さんは「模索中は決めすぎない。企画書までに決める」。

萩原さんは「大テーマと小テーマなど、テーマにはサイズ感がある。大テーマは作品全般を通していえることで、すぐには見つからないかもしれない。そういう時は中テーマ(目の前のエピソード)を積み重ねていって、大テーマを探るのもよい」「何を伝えたいかは色々あってもいい」とのことです。

それでも難しい場合は「キャッチコピーやタイトルなど、一行にする」という丸戸さん案がオススメ。それに沿ってキャラを造形したり動かすそうです。

4.どれくらいキャラを作り込むか

企画書に書ける情報は限られています。そのため何を書くべきかは重要です。
たいていの企画書では、あらすじ前にキャラを書きます。どこまでキャラを説明すべきでしょうか。

基本的には「書きすぎない」とし、「ストーリー上必要なことだけに留める」が最良かと。これは読み手が混乱しないための配慮でもあります。

そんな中、萩原さんの答えが秀逸!

一番目が滑るのは、事実の羅列。キャラの履歴書ではなく『このキャラを好きになれるか、もっと見たいか』と思わせるように書く必要がある。そのため「気になる要素/好きになる要素」だけを書く人がいる。最後の一文で「なお○○である」や「こういうエピソードがある」という形でラストに引きを入れる人もいる。キャラのプレゼンだと思って書き、読み手に「こういうキャラがいるなら、この話は面白くなりそう!」と思ってもらおう。

慣れるまでは塩梅が難しそうですが、萩原さんのテクニックはすぐに使えそうです。早速試したいと思います。

あと「あらすじの一部をキャラ紹介に使う」というのも目から鱗でした。確かに先に書くのとストーリー進行で知るのとでは、感じ方が違いますよね。

今日参加したことで「なぜあらすじの前にキャラ紹介があるのか」が理解できた気がします。

5.企画書を作る上で心がけたいこと

どうしても企画書は「通そう」「OKもらおう」と意識してしまいます。そうなると、作品が小粒になるそうです。

丸戸さん曰く「もっと欲望を出してほしい」とのこと。自分のやりたいことをしながらも「これなら商売できそうだ!」と思わせることが大事だそうです。実際ヒットするかなんてわからなくてOK。でも企画書時点で「成功しそう!」と思わせるテクニックが必要なんだとか。

「自分がやりたいと世間ウケ。比率としてはどれくらいですか?」という萩原さんの質問に「どっちも100%だよ。理性(世間受け)100%、野性(やりたいこと)100%でいいんだよ」と力強く答える様が印象的でした。

企画を通したいあまりに、私ならどうしても忖度しそうです。しかし「本当にスゴイ人は、やりたいことを貫くんだな」「やりたいとヒットを両立させるんだな」と感心しました。私もそうありたいものです。

■自分の企画書を振り返る

開始前/受講後/萩原さんフィードバックなど、随所で「私の企画書やべぇな」と思う場面がありました。

恥をさらすことを承知で、私的に「やべぇ」と思った点をご紹介します。

1.提出フォーマットを考える

企画書の提出は、規定のテンプレートかnote記事(下書きOK)でした。私はnote記事(公開中)で提出しています。

しかし参加したら、テンプレートの方が断然読みやすいんですよね!

「しまったー! やらかしたー!」と思いました。てっきり画面に出すと思っていたので、印刷を想定していなかったんですよね。

あともしかしたら、テンプレートだと1枚に収まっていなかったかもしれません。これも注意すべき点でした。

2.長い

他の企画書を見て思ったのは「短っ!」です。「こんなに説明なしでいいの?」と不安になったほど。

でも気づいたんです。「たったこれだけの文量でも読む気がしないな」と。

「1ワードで説明してくれ」「ログライン欲しいわ」と切実に思いました。

あらすじやキャラもそうですが、基本は短い方がいいと学んだ一日でした。

3.余地がない

思えば、私の物語は膨らませる余地がなかったなと。物語の最初から最後まで、ほぼ説明していました。思えば「この企画書で完結させる」つもりでしたね。

「膨らませる」という企画なら、早めの段階で一区切りして、あとはゲストの皆さんに委ねるべきでした。だから取り上げられなくて当然なのです。

私は通すことやフィードバックばかり考えて、「主催者がこのイベントをする趣旨を理解していなかったな」と痛いほどに思い知りました。

「どこに出すか」「誰が読むか」、さらに今回は「なぜ読んでもらえるのか」も考えるべきでした。失念しがちですが、とても大事なポイントです。

■企画書を改善してみた

イベント終了後、司会の萩原さんが自主的に企画書へのレビューを行ってくれました。私も早速お願いしたところ、以下のご指摘が。

本当にその通り! 言われるまで気づかないだなんて、お恥ずかしい限りです。

そこで早速直しました。といっても、ほぼ削っただけです。これが正解かわかりませんが、1000字程度とスッキリしました。

「長く書いて削る分にはいい。500字を目指して書くと小ぶりになる」とは萩原さんのお言葉。

確かに要点を残す(不要部分は削る)だけだったので、すぐ直せました。長く書くって大事ですね。

ビフォーアフターを公開しているので、ぜひ読み比べてみてください。
※修正前を読むと、最後に「改訂版」のリンクを貼っています。未読の方は「修正前」(上の記事)からお読みください。

▼修正前

▼修正後

■今後の課題

まずは今回配られた企画書を読み、ゲストのフィードバックを腹落ちさせたいです。その後は「どう書けば魅力的か」を考えたいです。

企画書は「面白そう!」と思ってもらえばOKなので、あらすじもキャラもある程度作っていればOK。手元にある作品を企画書にして、書く練習をしてもいいかもしれません。

ただし現在腱鞘炎なので、読むことから始めようかと。noteなどに公開されている企画書を読み漁ってみようと思います。


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