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5才から11才に迫られる選択…両親の不仲/小説⑪-1/ストレスジャンププール

はぁ~

駅のベンチでため息がでる

…どうしたらいいのかな?

あたしの事で、お父さんとお母さんがケンカばかりしている

ランドセルの肩ベルトをぎゅっと掴み、頭を垂れる…

はぁ~

「ねぇ、どうしたの?」

懐かしい声が聞こえ、顔を上げた

あたしが前に困っている時に助けてくれた、お姉さんだった

「あっ、あのう…  どうしてここに?」

「彼と部屋の内覧に行った帰りなの」

「…ナイラン?」

「借りるか考えている部屋を、不動産屋さんに実際に見せて貰うの。」

「あっ、一緒に住むって事は、結婚するんですか?」

「ちがう、ちがう💦

同棲どうせいって言うので、一緒に暮らして生活しようって話し合ったの。」

ふ~ん、そうなのか

お姉さんは、どこか嬉しそうで照れているようにも見える

「距離が近くなって一緒に居られる時間も増えていいけど、、、

その分、お互いに気にならなかった事や嫌だなという所も見える様になるから、難しい部分もあるの…

親子や家族みたいにね…」

「親子や家族…」

お父さんとお母さんの事を思い出して、うつむいた

「…ねぇ、なにかあったの?

よかったら話だけでも聞くよ。」

あたしは少し考えた

もう自分では、どうしたらいいか分からない

お姉さんになら、話しても…

あたしは、こくりと頷いた
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それから、思い出あるファミレスに来た

この子と最初に出会った時も、確かココを利用させて貰ったんだよね

まずは、好きな料理を選んで貰って、お腹を満たそう

食事を終えて、他愛のない話しをしながら、この子が話すまで静かに待つ事にした…

意を決して、とつとつと話し始めたのを聞いている内に、胸が痛くなった、、、

"3月から、5才(小1未満)から11才(小5)も対象になる…"

この子にも、予約券が役所から届くからだ…

2022年2月現在は、12才(小6)以上が対象で、16才未満(高1)に関しては、保護者の同意が必要となる

この子も対象になると報道され始めてから、受けさせるか、受けさせないかで、ご両親の間で意見が割れたそうだ…

どうするのかと話題になる度に、口ゲンカや言い争いになり、悲しい気持ちになり胸が痛くなると

自分のせいなのか、自分が悪いからと思うこともあると…


う~ん、とても難しい問題だ…

ご両親の意見が一緒であれば、子どもに選択肢など存在しないだろう…

よほど子どもの考え・意思・選択を尊重される、親御さんでない限りは…

大人ですら、客観的で中立な情報を得るのが入手困難な情況で、子どもの頭で冷静な判断や選択が、そもそもできるのだろうか?

お2人の選択や立場が、お子さんへの考え方に色濃く現れている

お父さんは、打たないと仕事を失う可能性もあり、報道や職場の同調圧力に押し出される形で、自ら予約して打った

職場での立場や居場所を失うのが、不安で怖いからだ…

だから、打っておけば、、、

学校で、イジメや仲間外れに合わなくて済むからと…

お母さんは、子宮頸がんの薬害を知っていたから、1年足らずの治験では早計と感じて、慎重な判断の上で選択をしなかった

幸い勤め先が、従業員に強要する会社ではなかったのが、、、

打てば具合が悪くなって仕事を休んだり、打つ日は大事をとって欠勤する人も多く、打ってる打ってないは、大ぴっらで公然の周知だった…

「ねえ、予約したの?」
「もう、打ったの?」
「まだ、打ってないの?」
「無料(税金)で打てるのに、何で打たないの?」

と聞かれたり詮索される度に、堪えて耐えてきたそうだ

自分と同じ様に対人関係で苦しく辛い思いをするのも分かっているけど、、、

これまで健康に元気に育ててきた、この子の未来や可能性を閉ざすことをしたくはないと…

どちらの言い分にも、正しさや信念があり、子どもの為と思っている点は一緒なのだ…

お子さんの未来や将来を真剣に考えているからこそ、お互いに譲れない…

ご両親が揉める度に、この子は心を痛めている

ご家庭内の問題で、この子の力になれる事が、私にはあるのだろうか…


続きます
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お読み頂いて、ありがとうございます。

今月Twitterで報道を見知り、題材として書こうと思いました

1回目(2回目)は、年代(64~12才)により役所から予約券が届く時期にズレがありました

2021年の6~8月位(*約6~8ヶ月前で、時期については、地域や自治体で異なる)

当時、報道・担当大臣による積極的勧奨・職場の同調圧力の凄まじさに圧倒されて、10代の子達を気にかける余裕が正直なかったです…

子どもがいない身の上ですが、ある店舗で部活帰りの高校生が、いつ打つか・大会等に支障がないかを会話していたのを記憶しています

職場で話される内容を、10代の学生が大人と同様に話しているのに衝撃を受けました…

当時は沈黙していた方々も、今回は一部の小児科医や歯科医等が慎重な判断を提供する動画を作成されています

年齢による不遇を受けて、今さらという思いもありますが、良識・良心・勇気を示して頂いた事に、尊敬と感謝の思いです

あと1~2話で完結予定です

言論の自由が瓦解しなければ、後世(100~200年先)まで、この小説はnote上に残っているのでしょうか?

私の考えや想いが色濃く出ますが、1人の人間、1人の市民として、感じ思った事を綴りたいと思います

冬眠したくなる様な寒さから一転、25日(金)からは春の兆しを感じる暖かさになり、子虫や早桜も目にした2月最後の28日(月)

今日も、いい一日でありますように

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