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巨大な社会課題であるシニアの孤独

今回は、シニアの孤独について書きたいと思います。

正直なところ、私は色々調べるまで、シニアの孤独問題はこれほどまでに大きな社会問題だとは思っていませんでした。

しかし、他の課題よりも解決方法はシンプルだとも感じましたので、今回noteで書きたいと思いました。

シニアが孤立化する経緯
まず大前提として、人間は社会的な生き物だと思います。

「人と関わりたい」という動機が、本能的に備わっているのだと思います。仲の良い友達がいたらつい話しかけてしまいますし、多くの人は恋愛的な感情も持ち合わせています。

人類は、約500万年前に誕生し、そこから狩猟採集生活を約1万年前まで続けていました。その間は、複数の家族が集合して遊動生活を営んでいたようです。また、1万年前に定住生活に移行してからも、子供とその親、祖父祖母という家族形態は変わらなかったらしいです。それが大体昭和まで続きました。第一次産業がメインだった時までは、当然ながら地域コミュニティは存在していました。

現代のように核家族と独居世帯が中心になったのは、ごく最近のことであり、人類史上はじめての家族の基本の形が生まれました。

核家族化が進んだ要因としては、近代化が大きいと言われています。都市にある企業に勤めて、お金という形で報酬をもらい、そのお金で大体なんでも交換できる。保育所も介護施設もできれば、子供や祖父祖母の面倒も外注できます。近くの店舗ですぐ食料を調達できますし、家電も安く買えるので、家事の負担も減ります。そうなると、一人暮らしも容易にできます。身内に頼らなくても良い社会になったのでしょう。

こんなに簡単に自立できる社会は歴史上初めてなのです。これが進むと、地域コミュニティが希薄化し、家族だけで無く、仲が良い友人もいなくなる。

これがシニアが孤立する経緯です。

コールセンターに会話目的でかけてくるシニア


人と関わりたいと感じる人が増えているかがわかりやすい事例があります。堀江貴文さんの「2035 10年後の日本」という本に「会話が付加価値になる」という部分で詳しく書かれています。シニアが企業のコールセンターに会話目的で電話してくるという事例が増えているとのことです。

コールセンターは、そんなにカジュアルに電話するところではないのにも関わらず、それでも電話してしまうほど会話したい人が多いということだと思います。

シニア向け健康食品の企業の宣伝でも、コールセンターの中の人を出演させている広告も見たことがあります。

また、私の自宅近くのカフェでは、平日の朝にシニアの方々でほぼ満席になっています。そこの店員さんは、お客さんに対して、非常にカジュアルに話しかけられています。

これらの事例は、人とのコミュニケーションを切望しているシニアが多いことの表れだと考えています。

孤独は思ったよりも体に悪い

とても驚きましたが、ある実験では、孤独はタバコ1日15本分と同じくらいの害を体にもたらすという結果が出ています。私は調べるまで、孤独とはあくまで心理的なものであり、身体に影響をもたらすとは思っていませんでした。

さらに、認知症にも少なからず孤独が影響しているらしいです。孤独は大きなストレスであり、そのストレスがアミロイドβやタウ蛋白といった認知症の原因となる物質を脳に溜めてしまうのだそうです。

認知症といえば、要介護状態になる要因としてトップ3に入ります。また、ある調査ではシニアがなりたくない病気ランキング1位も認知症でした。社会問題になるほどの認知症にも孤独が影響しているというのは、とても驚きです。

ビジネスで孤独にアプローチする必要性

私たちは、高齢者特化のフィットネスサービスを開発していますが、孤独は全く無視できない問題だと考えています。また同時に、ビジネスで解決しなければならない領域だとも考えています。

まず、核家族化,未婚率や離婚率の上昇を政治の力で逆戻りにすることなど不可能です。数ある便利なサービスがこれらの流れを生んでいますので、今後も孤立化は加速するでしょう。また、孤独とはあくまで主観的な感情ですので、介護保険内でサービス展開するのはなかなか難しいと思います。

しかし、ビジネス面では大きなチャンスとも捉えることができると考えています。
※孤独をチャンスと捉えるのは不謹慎かもしれないですが、あえて前向きに書いています。

何故なら、すでにこの問題をポジティブにビジネスに活かしている企業は多く存在するからです。私の自宅近くのカフェしかり、コールセンターしかりです。御用聞きというサービスも、それに当てはまります。私たちはフィットネスという切り口で、この大きな社会課題にアプローチしたいと思っています。

最後までご覧頂きありがとうございました。


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