「エモい」って言うな❗️

俺は「エモい」という言葉が嫌いだ。
意識的に使わないようにしている。

ベージュ色に整えられたインスタの投稿を見て「エモい」
何の気なしに入った雰囲気の良いカフェで「エモい」
夕焼けに染まる街を見下ろして「エモい」
タバコを吸って一言「エモい」 etc…

今の生活には「エモい」が溢れている。
数年前から耳にするようになったこの言葉。
今一度その意味を調べてみた。

Wikipediaでは

エモいは、英語の「emotional(エモーショナル)」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本のスラング(俗語)、および若者言葉である

と書かれていた。

俺には到底理解出来ない。
感情が動かされた時、感情が高まって強く訴えかける時に出てくる言葉が「エモい」の一言でいいのか。

君たちの言わんとすることは分かっている。
「そこまで意識して(エモいを)使ってないんだけどな」だろう。

それが問題だと言っているのだ。
日常において何か心動かされたその場面で安易に「エモい」と言ってしまう事を!

そういう人たちに小説を書かせたらどうなるのだろう。
君たちの言う「エモい」シーンには「○○がエモい」とか書いてしまうのだろうか。(それはそれで少し面白いが…)

「エモい」には良くも悪くも幅広く、簡単に使えてしまう利便性がある。

正直俺も生きていれば「エモいな」と思う場面もある。
でも言わない。そこでエモいと言ってしまえば、どれだけ素晴らしい景色や作品の感想もたったの一言で終わってしまう気がして怖いのだ。

俺はFrank OceanのBlondeというアルバムが大好きだ。ふわふわと浮かぶようなサウンド、角の無いスローテンポで繊細な曲像。現代R&Bの金字塔とも言える作品だ。聴くたびにその世界に没入してしまう。

このアルバムをFrank Oceanを知らない友人に勧めた事がある。一曲目を聴いて彼は言った

「へ〜エモいなこれ!」


ガッカリした。
お前もか。お前も一言目に「エモい」と言ってしまうのか。別に難しい言葉で感想を言って欲しい訳じゃない。「エモい」の一言でとりあえず一区切りつけようとしないで欲しいのだ…。

俺は「エモい」という言葉が嫌いだ。大嫌いだ。

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