米国株、ダウ続落 米雇用指標受け賃金高止まり懸念 ナスダックは続落

米国株、ダウ続落 米雇用指標受け賃金高止まり懸念 ナスダックは続落

米国・欧州株概況

2023年8月5日 5:02 (2023年8月5日 5:18更新)



【NQNニューヨーク=稲場三奈】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比149ドル87セント安の3万5066ドル02セント(速報値)で終えた。朝方発表の7月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方で、平均時給の前年同月比の上昇率は市場予想以上だった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続への警戒がくすぶるなか、売りが優勢となった。

前日夕に2023年4~6月期決算を発表したスマートフォンのアップルが5%安だった。主力製品であるスマホの回復が鈍く、売上高は3四半期連続で前年同期を下回った。時価総額が最も大きい銘柄の下落が市場心理を冷やした面もあった。

朝方は買いが先行した。7月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月に比べ18万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(20万人増)に届かなかった。併せて5月と6月の雇用者数の伸びが下方修正された。労働需給の引き締まりが和らいでいるとの見方から、買いが入った。

半面、平均時給は前年同期比の上昇率が4.4%と、市場予想(4.2%)以上に伸びた。賃金が高止まりしインフレの沈静化に時間がかかるとの見方から、FRBによる利上げ継続への懸念が改めて強まった。買いの勢いが鈍かったこともあり、次第に売りが優勢となった。

ダウ平均の構成銘柄では、建機のキャタピラーやホームセンターのホーム・デポ、顧客情報管理のセールスフォースなどが下落した。一方、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのビザなどは買われた。原油価格が上昇し、石油のシェブロンも上げた。前日夕に決算を発表したバイオ製薬のアムジェンも高かった。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比50.477ポイント安の1万3909.238(速報値)で終えた。

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