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練習は何のためにするの?

オフィス街で、1本の満開の桜を見つけました。梅も桜も、花が咲いて「あ!これは梅の木だったんだ。桜の木だったんだ」とわかります。周りには何もないため、行きかう人の目を引くようで、立ち止まって写真を撮っている人がたくさんいました。(私もその一人でした)


登壇経験が少なくて、まだ自分でどのように内容を組み立てていけばよいか、何を伝えればよいかわからないときは、すでにあるものを使い真似て、同じようにできるまで何度も練習するのも方法の一つだと思っています。

でも、何度も練習していると、
「言われた通りにしかできない」
「真似ることしかできない」という気持ちが大きくなって、

「このままでいいのかな?」
「準備したことをやるだけで精いっぱいだけどいいのかな?」
と思うようになります。


一昨日、一緒に研修を行う講師と登壇練習をしていて、休憩時間にそんな話になりました。

私は彼女に
「今は、準備したものを繰り返し練習することに徹して、その内容を自分なりに理解・解釈することに努めてみてください」と伝えました。

繰り返し練習するのは、つまらずに上手く伝えるようにするためだけではありません。

練習を通して伝えながら、自分自身がその内容を理解するためでもあります。伝えながら、自分の話していることを自分の耳で聞き、
「そうか、こういうことかな?」
「ここが大切なんだな!」
と理解できると、言葉に自分の思いが乗り、大切なところは自然に力強くなっていきます。

テクニックとしてのメリハリや強弱ではなく、自分がその内容を理解しているから自然にできること。聞いている側には、上辺だけなのか理解できているのかがわかります。

自分自身が伝える内容を深く理解して、自分自身も実践しているからこそ、受講生がどのように反応してくれているのかが見えてきます。そこから、臨機応変な対応ができるようになります。
「私が話してばかりでは、相手が退屈してしまうんじゃないか?」
「アドリブで話すのも大事なんじゃないか?」
「ワークを入れないと理解してもらえないんじゃないか、盛り上がらないんじゃないか?」

そう思っているうちは、自分が伝えたいことがきちんと理解・消化できていない、受講生をしっかり捉えていない証拠です。

私は、私が吟味して、納得して、自分自身が大切に思い実践していることしか伝えていません。そしてそれだけでは不十分なので、受講してくださる方に伝わったかどうか?どう思ったか?を確認することを大切にしています。
どんな質問が来ても、背景や具体的な内容を聞いて一緒に考えるようにしています。

経験が少ない場合、練習もせずにわかったつもりになったり、”こうすればいい”というイメージだけでは本番は、うまくいくわけがありません。実践練習はとても大切です。でも、ただ回数をこなして練習すればよいわけではありません。

練習を重ねても不安が消えないのは、練習することが目的になっているためです。

借り物でも、真似でも、まず自分自身が伝える内容を理解するために練習すること。

練習を重ねながら、自分自身が伝える内容について、力加減が工夫できるようになってきたかどうかを確認することが大切です。

迷いや不安、緊張もゼロにはできません。だから、
迷いや不安・緊張を取り除くことに躍起にならない。
内容の一つ一つに確信が持てるよう練習を繰り返す。
それによって、相手にしっかり向き合えて夢中で臨めるのだと思っています。

「上手くやろうと思わずに、熱意を持って一生懸命取り組む」それは新入社員だけでなく、講師にも必要なことだと思っています。

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